AI の進化が止まらない!AI を用いた活用事例【メーカー編】

こんにちは!機械学習・ディープラーニングの講師をしています宝です。

みなさんは「AI」と聞いてどの様なものを想像しますか?

以前の「AI」ブームも落ち着き、我々の生活に AI があることが普通になり、この言葉を見たり聞いたりするのが日常になっているのではないでしょうか?

そもそも AI とは?

人間は、外界から受け取る多くの情報を脳内で処理し、判断や推測を行っています。

その人間のノウハウをもとに人と同じ様な判断や動作ができるように再現した技術を、人工知能(Artificial Intelligent)と言います。

人工知能というと、「ドラえもん」やアベンジャーズの「ウルトロン」、ターミネーターの「スカイネット」など…

「人間のような感情を持ち、自身で物事を考えて行動するロボットやシステム」を想像するのではないでしょうか?

ご存知の通り、この様な AI はまだ実用化されていません。

となると、

「今実生活で活用されている AI はどのようなものがあるのか?」

「どこで、どのように使われているのか?」

と思われる方も多くいらっしゃると思います。

これは私が日頃登壇したり、話をしたりする中でもとても多くいただく質問です。

本記事では、メーカーに特化した AI の実用例を紹介していきます。

みなさんが思う「AI」のイメージと、実社会で活用される「AI」を比べながら見ていただけますと幸いです!

タイヤ選び AI 。カーライフに合わせたタイヤを推奨

出典:見つかる 100 人のちゃんと買い。| 株式会社ブリヂストン

株式会社ブリジストンは、タイヤ選びの AI 診断サービスを開発しました。

車の使用頻度、用途、メンテナンスの頻度、タイヤ選びで重視する点などに回答することでオススメのタイヤを表示してくれます。

この AI サービスを使用してもらうことで、顧客の関心・思考などのデータを蓄積し、AI を使って分析・ロジックを構築しています。

今後は、EC サイトでの購買情報やサイトの閲覧情報といったビックデータを常に取得・分析できる状態を作り、AI の精度を向上させることで顧客へよりよいサービスを提供していく計画のようです。

MEMO

ビックデータには、Volume (容量)Variety (種類)Velocity (頻度・スピード)Value (価値)の 4 つの特徴があり、近年 AI が発展してきた要因の一つと言えます。

メーカーでの AI 活用は製造現場での事例がイメージされますが、売り場でのデータを製造に活かすというアプローチもあるかもしれませんね。


参考
見つかる 100 人のちゃんと買い。株式会社ブリヂストン

自動車メーカー、量産車用加工品の検品を自動化


出典:アウディはプレス工場での品質検査を人工知能で最適化します | Audi

ドイツ・アウディは、量産車のプレス加工工程で発生する、亀裂や割れ目を自動認識する AI を開発し、これまで従業員が一つ一つ目視していた工程を、自動で行えるようにしました。

自動化されることで、マンパワーが必要な部門に従業員を補填できることができ、生産性や質の向上につながります。

MEMO

この高い正確性を実現した AI の開発における最大の課題は、数百万枚の画像と異常品の画像の用意でした。AI の開発には、学習に使うデータをいかに集めてくるかが重要です。

他の部品の検品にもこのシステムを導入することを検討しており、データの取得方法を変更し、より効率的に精度の高い AI の開発を行っているそうです。

AI は魔法のようにいきなり使えるわけではなく、人間が試行錯誤して作っていくものなんですね。


参考
アウディはプレス工場での品質検査を人工知能で最適化しますAudi

人の目と AI で、作業負担の軽減と異物検出の精度向上


出典:アヲハタで光学技術と AI を活用した異物混入装置が稼働 | キユーピーグループ オフィシャルブログ

ジャム類、フルーツ加工品で有名なアヲハタ株式会社は、原料の種類の多さや果肉の形状の不定形さから、原料の選別から容器に充填するまで人の目視による検査を行ってきました。

株式会社ニコンと光学技術・AI を活用し、困難とされきた製品に含まれる異物を検査する装置を開発・実運用しています。

この装置とこれまでの人の目視を組み合わせることにより、異物を取り除く精度を上げるだけでなく、人の作業負担の軽減にも繋がっています。

MEMO

人と AI が協調することでより安全・安心なサービスを提供できると言われています。AI の意思決定を保証するために人間が介在し判断することが多くあります。このシステムの中に人を組み込むことを「ヒューマン・イン・ザ・ループ」と言います。


参考
アヲハタで光学技術と AI を活用した異物混入装置が稼働キユーピーグループ オフィシャルブログ

着るだけで筋肉の動きを可視化。より科学的に効果の高いトレーニングを実現


出典:着るだけでバイタルデータを取得
グンゼ×RIZAPによる最先端衣料「筋電WEAR」が誕生 | グンゼ株式会社

筋肉トレーニングをより効率的・効果的に行えるように、「着るだけ」で稼働している部位、負荷、姿勢などを把握できるウェアを、グンゼ株式会社が RIZAP 株式会社向けに開発しました。

これまでのパットなどと違いウェアであることで、バイタルデータをより細かく、正確に数値として取得できるようです。

MEMO

人間の感覚を数値化することで、AI が扱えるようになります。この「数値化」が AI をにとって一つの重要なポイントになります。

私もトレーニングをするのですが、この「着る AI」の開発により更に筋トレブームが加速する予感がします。


参考
着るだけでバイタルデータを取得 グンゼ×RIZAPによる最先端衣料「筋電WEAR」が誕生GUNZE

AI で「職人の目」を再現。伝統工芸品の検品工程を自動化 |

出典:伝統工芸品「熊野筆」の検品工程を AI で自動化 晃祐堂とブレインパッドの AI プロジェクト | 株式会社ブレインパッド

みなさん「熊野筆」をご存知ですか?
化粧筆や書筆、絵筆として有名な広島県の伝統工芸品です。

この熊野筆を生産する株式会社晃祐堂は、株式会社ブレインパッドと熟練した職人が行っていた検品の工程を自動化する技術を開発しました。

一人前になるまで多くの時間と労力が必要とされる職人。その職人の「眼」を AI の画像認識で再現しています。

MEMO

この AI を作成するために、2 日間かけて 300 本分の良品サンプル画像を撮影したそうです。やはり AI を作る段階において、人の手でデータを準備する必要もあることがわかりますね。

この AI は良品・不良品のチェックをわずか数秒で行うことができるそうです。

「伝統工芸」×「AI」というこれからの伝統工芸の継承に大きく貢献していく一例だと感じました。


参考
AI が導く“伝統工芸品の技術伝承”Brainpad

最後に

いかがだったでしょうか。

今回はメーカーでの AI 事例を 5 つ紹介しました。現代社会における AI とはどういったものかや、どういった現場で AI が活用されているのかがお分かりいただけたのではないでしょうか。

実生活では多くの AI が様々なものに組み込まれています。今後さらに AI の活用が進むと、ドラえもんとのび太君のように、我々も AI と毎日一緒に過ごしているかもしれませんね。

最後まで見ていただきありがとうございました!

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