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【事例:DXプロジェクトマネジメント研修】地域DXを担う人材を育てる。百十四銀行が取り組むDX人材育成とは
百十四銀行様は、地域に根差した銀行として、コンサルティング部にお客さまのDX支援を行うICTコンサルティングチームを立ち上げ、DX人材の育成に力を入れています。
同行のDX戦略の一環として、行内のマイスター制度にDX分野を2022年度に追加。今回、2024年度研修プログラムの一部をキカガクが担当し、プロジェクトマネジメント研修を実施しました。研修の導入を推進した株式会社百十四銀行のコンサルティング部グループ長の松浦様、研修を受講した同部の林様、吉田様に、DX人材育成の背景や研修の様子、今後の展望について伺いました。
研修の背景
地域のDXを支える人材育成の必要性
所属されている部署と担当業務を教えてください。
松浦様:私は現在、コンサルティング部のグループ長を務めています。当行のコンサルティング部は各支店の得意先担当者から案件をトスアップしてもらい、より専門的なコンサルティングを行うのが私たちの役割です。
その中で、お客さまのDX支援を担当しているチームがICTコンサルティングチームであり、このチームは3年半前に私ともう一人で立ち上げたチームでもあります。林と吉田は2024年4月に営業店からICTコンサルティングチームに異動してきたメンバーで、今回の研修に参加しました。
DX人材育成に力を入れている理由を教えてください。
松浦様:2025年度までの中期経営計画の一環としてDX戦略を立てており、DX人材の育成も重点分野の一つとなっております。
その達成に向けた施策として、職員の知識量・業務の習熟度を認定する「114マイスター制度」という行内の認定制度に「DX業務」という分野を追加し、育成研修を実施しています。そしてその研修の一部にキカガクのカリキュラムを取り入れました。
実施した研修とキカガクを選んだ理由
2日間の研修を1.5hに…難しいカスタマイズも対応してもらえた
今回はどのような研修を実施されたのでしょうか。
松浦様:「DXプロジェクトマネジメント実践コース」として2日間で提供されているキカガクの研修のうち、特にスケジュールマネジメントの部分をピックアップして1.5時間の研修として実施しました
実施した研修はこちら
DX プロジェクトマネジメント実践コース
以前、私自身がこの研修を受けて内容が非常に有用だったのがきっかけです。DXを実行する際は関係者が多くなりがちですから、プロジェクトとして計画を立案、推進していくスキルは重要ですし、DXにかかわらず普段の業務でも非常に役に立つと考えました。
当行の方針として、総合コンサルティンググループへの進化を掲げている背景もあり、行員一人ひとりが関係者や論点の多いDXプロジェクトを推進・実行できるためにプロジェクトマネジメントの講座を研修に取り入れました。
なぜ、キカガクの研修を選ばれたのでしょうか?
松浦様:主に2つの理由があります。1つは先ほど説明した通り以前に研修を受けて、有用性や講義の質の高さを感じていたことです。ぜひほかの行員にも受けてほしいと思えるものでした。
もう1つは要望に合わせて柔軟に講座内容や所要時間を調整してくれたことです。 研修にかけられる時間や予算の都合もあり「2日間の研修の一部を抜粋して1.5時間のプログラムにしてほしい」というお願いをしたのですが、対応していただけました。内容をすり合わせる機会も多く、ワーク内容もカスタマイズしてもらえた点は非常にありがたかったですね。この柔軟性がなければ、一緒に取り組むことはできなかったと思います。
短い時間の中でも、ワーク重視の研修プログラムにできたのも大きなポイントでした。そもそも当行のDX研修では座学は少なくして、ワーク重視の研修を志向しているので、とてもマッチした形で研修を実現できました。
カスタマイズ研修を受けた受講者の声
テーマは「設備投資の融資実行をする」、実業務に沿ったワークを実施
具体的にはどのようなワークを行ったのでしょうか?
松浦様:ワークのテーマは「お客さまの設備資金ニーズに対して融資実行をする」というものでした。融資実行に際してコンサルティング部と連携したDX支援も必要なケースを作成し、プロジェクトの中でどのようなタスクが発生し、それをいつまでにどう他の関係者と連携するかなどを考えていくというワークです。
実際に研修を受けてみてのご感想をお聞かせください。
林様:私はスケジュールマネジメントについての事前知識はなかったのですが、最初のワークが「旅行の計画」という身近な例から入ってくれたので、非常にイメージしやすかったです。最初にスケジュールマネジメントがどういったものなのかが理解できたので、営業店の業務に置き換えて考えるのもスムーズでした。
吉田様:同感です。さらに、ワークの内容が融資業務という研修参加者なら誰もが経験があるテーマだったので、グループワークをしたときに「この間にこの業務があるんじゃないですか」など活発に意見が出ました。
研修で学んだことを業務にどのように活かせそうですか?
吉田様:プロジェクトを可視化することでスムーズに進められるということがわかりました。これまでは、頭の中でいつまでに何をして、と期日に間に合うように進めていました。今回学んだことを知っていればもっとスムーズにできるのではないかと感じています。
林様:定型化されていない業務は、期日は決まっているけれどどうしたらいいかわからず、最初に時間がどんどん過ぎてしまいがちでした。今回学んだことを実践できていたら、立ち上げ段階でゴールから逆算してスケジュール設計ができ、もう少し効率的に時間を使う選択肢がとれるようになると思います。
金融業界におけるDXの事情と今後の展望
地域に根差す金融機関だからこそできるDXの推進
金融機関としてDXを進める上での課題感はありますか?
松浦様:金融機関の中でも、お客さまの事業を深く理解し近い距離でご支援させていただけるのが当行のような地銀の特徴です。そういった立場で地域のお客さまに伴走型のDX支援させていただく中で、中小企業のDXには3つの壁があると感じています。
ひとつは「現状維持で良い」という考え、2つ目はデジタルに対する抵抗感を含む「ITリテラシー」の課題、そして3つ目が忙しい中で導入までのタスクをこなす「プロジェクト時間の確保」です。当行は、地銀ICTコンサルティングとして地域密着で、その壁をスムーズに越えるご支援を続けていきたいと考えています。
また、地域の企業や中小企業のDXは、地域全体で取組むテーマと考えています。当行は香川県に本店を置き、この地域に根差したコンサルティング部隊としては最大規模です。 我々は、お客さまの決算書も見せていただいた上で、ビジネスモデルや収益構造の理解にも深く関与していきます。一度取引が始まれば、企業との付き合いも永続的なものになり、頼ってもらいやすい関係性を築くことも可能です。
この地域のDXは我々が担うのだという使命感を持って、人材育成を含めさまざまなDXの取り組みを進めていきたいと考えています。
最後に、DX人材の育成や、地域のDX実現に向けて松浦さんご自身の展望をお聞かせください。
松浦様:ICTコンサルティングチームの陣容をさらに拡大し、地域のDXを推進できる体制を強化したいと考えています。DX研修は、回を重ねるたびに営業店行員の受講者が増えてきており、お客さまのDX支援の効果や重要性が行内で浸透してきた結果だと感じています。
今後も、関連各部や営業店としっかり連携しながら、地域の皆様に貢献できるDX人材を育成し、お客さまのDX支援を通して地域経済の発展に貢献していきたいと考えています。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
キカガクでは業界業種問わず 1000 社以上の企業に導入いただき、DX 人材育成における様々な課題解決をご支援しております。
業界業種多種多様な業界 20 社以上の育成事例もご紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひご参考ください。
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