こんにちは!株式会社キカガクの高橋です!エンジニア・マーケターをしています。
本記事では昨今注目されているデータサイエンスについて、データサイエンスとは?といった部分から、今なぜ注目されているのか、ビジネスにおける活用事例やデータ活用のプロセスなどをご紹介します。
データサイエンスとは?
データサイエンスとは数学、統計学、機械学習やデータベースなどの様々な分野を集めた学問のことをいいます。
データサイエンスの目的はデータから価値を引き出すことであり、そのために複数の分野を活用することが求められます。データは身の回りに溢れており、インターネットで買い物をした時などには、どのような商品が売れたのか?などの購入情報がレジに記録されます。
またインターネットで情報を検索するときには、どんな人がどの時間にどのようなサイトを訪問したのかなどが保存されています。それらのデータを活用することにより様々な施策を考えられます。
例えば、販売をしている店舗でどの時間にどの商品が売れるのかといった傾向を把握して適切な在庫管理に役立てたり、各サイトでどんな人がどれくらいの時間滞在していたかを把握することで、狙ったターゲットに情報を届けやすくします。このようにデータを活用することで人間の勘や経験といった主観的な判断ではなく、実際のデータを用いた客観的な判断ができます。
データサイエンティストとは?
こういったデータを利活用できる人材のことをデータサイエンティストといいます。一般社団法人データサイエンティスト協会ではデータサイエンティストには以下の 3 つの能力が必要だと言われています。
- ビジネス力
ビジネス課題を整理し解決する力のこと - データサイエンス力
様々なデータ分析の手法を理解し利用できる力のこと - データエンジニアリング力
データ活用できる環境を整備し、実装・運用できる力のこと
データサイエンスはなぜ今注目されているのか?
今、データサイエンスが注目されている一番の要因はビッグデータが集まりやすくなったことです。
ビッグデータとは大量に蓄積されたデジタルデータのことです。
データ分析ではデータが多いほど精度の高い分析ができます。そういった背景もあり近年データサイエンスが注目されるようになってきています。
ビッグデータが集まりやすくなった 2 つの要因
通信技術の発展
インターネットを通じて様々な情報にパソコン1台でアクセスできるようになりました。またメール、チャットツールや SNS の発展により、人と人のコミュニケーションがインターネット上で完結するようになりました。インターネット上では様々な行動履歴をデータとして記録できるため、大量のデータを蓄積できるようになりました。
デバイスの発展
また、デバイスの発展としては IoT 技術が挙げられます。IoT とは Internet of Things のことで、様々なものがインターネットと繋がる仕組みのことをいいます。スマートフォンは常にインターネットとつながっています。最近では掃除機や洗濯機などの家電をインターネットと接続し、遠隔操作や状況の監視ができるようになっています。
ものとインターネットが接続されるようになったことでさらに大量のデータを取得できるようになりました。
ビジネスにおけるデータサイエンスの活用
現代のビジネスではデータを活用することは必須になっています。ではどのようにビジネスの現場でデータサイエンスは使われているのでしょうか?
ビジネスでのデータサイエンスはどのような新規商品を開発するか、どのようなマーケティング施策を打つか、どのように人材を雇用するかなど、多くの意思決定の場面で役立っています。従来このような意思決定は経営者や現場に精通した専門家の意思決定が尊重されてきました。しかし、専門家であっても合理的な意思決定をできるとは限りません。その理由は人間には認知バイアスがあるからです。
認知バイアスとは、自分の知っている知識に合う証拠を重視してしまったり、直近の出来事を高く見積もってしまったりするバイアスのことです。
そのような背景もあり、データに基づく意思決定が重視されています。現在は大量かつ多様なデータが得られるようになっています。それらのデータをうまく活用することで、より客観的、合理的な意思決定をすることが可能になっています。
ビジネスにおけるデータサイエンスの活用事例
EC サイトのクーポン配布
EC サイトでのデータの活用例としては、大量のデータと機械学習を用いることで購買予測をし最適な人に最適なタイミングでクーポンを配布しています。
データサイエンスによってある人がいつまでにどれくらいの確率で商品を購入するかをデータから予測しています。その予測結果に基づいて発行するクーポンの対象や金額を決定しクーポン配布をしています。
データを活用することで人では難しい購買予測を実現しビジネスに役立てています。
メーカーの購買行動分析
顧客の購買データをデータ分析し、ヘビーユーザーはどのような人か、男性と女性での購買行動の傾向の違いなどを分析しています。
また気象データや Web 検索データと組み合わせてマーケティング活動に活かすことで売上を 15~20 % 伸ばすことに成功している事例もあります。
コピー機のメンテナンス
コピー機から送られる情報を元に不調な箇所の発見や製造プロセスの改善に役立っています。
コピー機のパフォーマンスデータを活用するためにデータを送信できるコピー機を開発し、常時コピー機からパフォーマンスについての情報が送られることによって、故障する前に不調な箇所を見つけることができ、迅速な対応をできるようになりました。
従来のコピー機ではユーザーからの申告があってはじめて作業員を派遣するといった流れであったため、データを活用することで膨大なコスト削減に成功しました。
また、パフォーマンスのデータは製造過程でも活用されています。例えば故障しやすいパーツの特定や、想定される故障原因などをデータから見つけ出し、製造プロセスの改善に役立てています。
データ活用のプロセス
データ活用は大きく分けて 5 つのステップに分けることができます。
1. 課題への気づき
はじめは、そもそもどんな課題を解決したいのかに気づくことから始まります。現状と理想の差がどこにあり、何が要因になっているのか、どのように差を埋められるかといった気づきが必要です。
分析の方針立てもこの段階でします。分析によりどのようなことを示せれば課題解決につながるかという仮設立てが必要です。
データ分析に取り組む際には、まず分析の目的を明確にすることが大切です。
2. データの収集・構造化
1 の課題から、どのようなデータが必要かを考えます。
社内で既にデータがある場合はそれを使用します。データを新しく取得する必要がある場合は、そのデータを取得するためのコストやデータの信憑性を検討しデータの採用を判断します。
データが集まったら、次はデータを分析できるように構造化します。
構造化とは以下の 2 つのことがあります。
- データを行と列の形に整形すること
- データを整理すること
実際に取得できるデータは、構造化されていない非構造化データの形であることがほとんどです。そのため、データの取得後は分析できる形にする構造化が必要です。
3. 探索的データ分析
データの準備ができたら分析のステップです。
分析には大きく以下の 2 つに分けられます。
- 探索的データ分析
- 統計分析
この探索的データ分析について説明します。
探索的データ分析は EDA (Exploratory Data Analysis) と呼ばれます。データの集計、可視化や比較をしデータへの理解を深めるステップです。
それによりステップ1で立てた課題の原因について、データを元により詳細な仮説立てをします。
この段階では「まだ関係がありそう」という定性的な判断で具体的な根拠はありません。
そのため探索的データ分析をした後は次のステップの統計分析に移ります。
4. 統計分析
統計分析はステップ 3 で発見した課題の原因をさらに深ぼる分析です。多変量解析や検定のような様々な手法が使用されます。
2 つのグループを比較し、優位な差があるか、どのデータ同士の関係性が強いかといったものを数値として算出し、定量的に分析します。
5. 分析結果の解釈・課題の解決策を考案
データ分析の目的、課題、その解決策や根拠となる分析結果を他社にもわかりやすいようにまとめ、レポートを作成します。
また、レポートを作成する途中でさらに課題が見つかる場合や、さらに分析を進めるために別のデータが必要になる可能性もあります。その場合はこれまでのステップで適切なところまで戻り再度分析を進めます。
分析者が想定していないデータが出た場合は、課題自体、集めたデータや分析手法に誤りがなかったか見直す必要があります。
データサイエンスに必要なスキル
IT スキル
データサイエンスには例として以下のようなスキルが必要になります。
- Python や R 言語などのプログラミングスキル
- ビッグデータを扱うためのスキル
- データベースの知識やデータベース運用のスキル
業界知識
適切にデータを分析するためにその業界の知識が必要です。何が解決できればいいのか?を導き出すには業界の知識が必要になります。
統計学
収集したデータの解析には統計学の知識が必要です。統計学の知識の一例としては、確率統計、ベイズ統計、線形代数やラプラス変換などがあります。
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