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【AI 技術導入ガイド】AI 受託開発を選ぶ “3 つの理由”とキカガクの AI 受託開発の特徴
はじめに ― なぜ「いま」AI 開発なのか
生成 AI(Generative AI)の登場で、AI は「研究テーマ」から「日常的な業務インフラ」へ急速に変貌しました。
クラウド GPU の低価格化、オープンソースの充実、そして SaaS 連携の容易さがそろい、PoC 止まりではなく本番運用で ROI を出せる環境が整ったからです。
一方、2025 年の崖に代表されるレガシー刷新と少子高齢化による人材不足が重なり、AI による生産性向上と競争優位の確立は経営の最重要課題になっています。
しかし社内でゼロから AI チームを立ち上げるには、専門人材・インフラ・ガバナンスなど多層的なハードルが存在します。そこで注目を集めるのが “AI 受託開発“ です。
本記事では、発注側が感じる代表的な課題を出発点に、AI 受託開発が選ばれる “3 つの理由” を解説し、最後にキカガクの AI 受託開発サービスの特徴をご紹介します。
AI 受託開発を選ぶ “3 つの理由”
企業が AI 受託開発を選ぶ理由として代表的な 3 つを以下にご紹介します。
1. 専門知見と最先端技術を“即戦力”で確保できる
顧客課題
AI プロジェクトを社内で立ち上げようとすると、まず壁になるのが「人材確保」です。機械学習エンジニアや MLOps スペシャリストは市場でも争奪戦が激しく、採用コストは年々高騰しています。仮に採用できても、最新論文や OSS を追い続け、実務に組み込むまでには長いオンボーディング期間が必要です。その間もビジネスチャンスは刻々と失われていきます。
受託開発で解決
受託開発を選べば、この障壁を一気に飛び越えられます。
実績豊富なベンダーと協力することで、データサイエンティスト、AI エンジニア、MLOps 担当などがワンチームで参画し、最新の AI 技術に関するベストプラクティスを即座に導入することが可能です。結果、技術検証や環境構築など、本来数ヶ月かかる工程を、わずか数週間で完了できるといったケースも。市場投入を大幅に前倒し可能です。
さらに人材リスクも外部に移転できるため、退職や育成遅延による機会損失をゼロ化することが可能です。コスト構造は固定費→変動費へと切り替わり、投資判断が軽くなります。専門家を“雇う”のではなく、“即戦力チームを借りる”選択肢を取れることは、AI 受託開発を選ぶ最大の理由として挙げられます。
2. 社内リソースをコア業務に集中させられる
顧客課題
AI システムを自社で開発・保守運用しようとすると、モデル開発・MLOps・CI/CD・GPU 運用監視などの“守りの仕事”が雪だるま式に増えます。その結果、
- 企画担当が障害対応に呼び戻される
- 社内エンジニアが保守に張り付き、機能開発が止まる
- 予算と人手が分散し、肝心の事業戦略や顧客価値の磨き込みが後回しになる
など、社内リソースが分散し本来注力すべき事業戦略や顧客対応に手が回らない、、、といった問題も多く発生します。
受託開発で解決
受託開発を選べば、このボトルネックを一気に解消できます。
開発・運用フェーズをまるごと専門チームに委ねることで、社内人材は市場分析・サービス企画・意思決定 といった“コア業務”にフルコミットすることが可能です。自社で専門人材を採用・育成する費用と時間を大幅に圧縮し、人と資金を最もインパクトの大きい領域へ再配分できます。
さらに、システムの利用状況やコストをダッシュボードで可視化し、ピーク時は自動スケール、平常時はリソースを絞るといったような最適運用も実現することも可能です。
自社の目標に照らし検討する必要はありますが、ビジネス価値に直結しない作業は極力アウトソースするという方針を意思決定できる点は大きなメリットと言えます。
3. プロジェクトの柔軟性とスピード感を両立し、“変化に強い”AI 開発を実現
顧客課題
ChatGPT をはじめ生成 AI の導入競争は、もはや“月単位”ではなく“週単位”で決着がつくフェーズに入っています。
半年かけて要件を固めているうちに、ライバルは既に ”サービスをローンチ”、”大幅な業務改善を実現” といったことも発生しえます。
このように、競合が次々に生成 AI を実装し市場変化への対応が内製では追いつかないという悩みを抱えている顧客は多く存在します。
受託開発で解決
受託開発を選べば、スピーディーかつ柔軟な AI 開発を実現できます。
アジャイル開発で数週間単位のリリースを実現し、フィードバックループを高速化するなど、ベンダー各社の強みを活かしながらスピード感のある開発を進めることが可能だからです。
実績のあるベンダーの場合、豊富なテンプレート/ベストプラクティスを持っているケースが多く、それらを即時適用し、要件変更や新技術にも俊敏に対応できる可能性が高いといえます。場合によっては、市場先行者メリットを狙えることもあるでしょう。
また、アジャイル契約やフェーズごとの成果物定義を活用することで”変更に強い”体制を担保することが可能です。これにより、変化の早い市場や競合の動きに合わせてプロジェクト方針を方向転換(ピボット)するコストを最小化することも可能になります。
キカガクの AI 受託開発の特徴
では、これまでのAI 受託開発を選ぶ “3 つの理由” になぞらえて、弊社キカガクのAI 受託開発の特徴もご紹介いたします。
結論弊社は、これまでの 3 点に加えて、成果創出まで伴走し、内製化も支援するという一気通貫性に好評をいただいております。
専門知見と最先端技術を“即戦力”で確保できる
キカガクでは、業務分析コンサルタント・AI エンジニア・データサイエンティストなど分野横断のスペシャリストがプロジェクト専任チームを組成しています。 戦略立案から実装・運用までをワンストップで担うため、社内にないスキルセットを初日から投入でき、スピーディに成果へ直結させられます。
社内リソースをコア業務に集中させられる
現状業務の可視化とボトルネック分析、AI導入ポイントの策定までをキカガクが主導し実施いたします。
調査・分析・施策立案といった高工数領域を外部化し、社内人材は意思決定と価値創出に専念できる体制を構築することに注力可能です。
プロジェクトの柔軟性とスピード感を両立
クラウド AI サービスやローコード/ノーコードツールによる迅速なプロトタイピングで、要件変更やユーザーフィードバックを短いサイクルで反映することが可能です。 ビジネス価値が確認できた機能から段階的にリリースする“スモールスタート”を実現します。
成果創出まで伴走し、内製化も支援
多く顧客が PoC が終わった後の本番運用と社内定着が見えないという課題に悩まされています。
キカガクでは、現場ヒアリング → KPI 設計 → 運用フロー構築までをビジネス視点で伴走するともに、AI技術アドバイザリー、伴走型支援開発、そして弊社研修事業部と連携した人材育成プログラムを組み合わせ、システム導入後の運用・改善スキルの社内へ移転を実現します。キカガクのコンサルタントが長期的な競争優位につながる自走体制づくりまで継続してサポートいたします。
導入ステップのヒント
ここまで AI 受託開発の特徴やメリットを整理することができました。
次はAI 受託開発を成功させるためのポイントとして、導入のステップを簡単に把握しておきましょう。
結論これには、ベンダーとどんな順番で進めるかを事前に描き切ることが重要です。
1. AI 導入のゴールを言語化
AI を導入する目的をあいまいにしたまま走り出すと、PoC が形だけ成功 → 本番移行で失速という“PoC 墓場”に陥りがちです。
そこで最初にやるべきは、AI で動かしたい経営 KPI を明確にすることです。
そのためには、社内で “AI を導入して何を達成するのか” を言語化し、KPI を 2〜3 個に絞ることが重要です。
- 例)「●●領域で売上を 12 か月以内に+15%引き上げる」
- 例)「手作業レポートを自動化し、月次工数を▲80 時間に削減する」
等のように、“AI でどの数字がどれだけ動けば投資成功か” を定量で設定します。
また、この時“業務課題”と“経営数字”をひも付けるように留意します。
目の前のボトルネックを書き出し、それがどの経営 KPI に直結するかを線で結び、本質的に解決すべき問題はなにか、経営 / 事業レベルのどの数値にアプローチが出来るのかについて整理をしておくことが後続フェーズでの投資判断をスムーズにさせます。
2. “小さく早く”試す
AI プロジェクトの成否判断を的確に行うためにも、「小さく、早く」試す PoC(概念実証)が有効です。
期間は 8〜12 週間程度で実施し、 「モデル精度 85%以上を達成し、対象業務を 20%削減できるか」 といった PoC の成否を決める定量 KPIを事前に 2〜3 項目程度決めておき、週次レビューで達成度をチェックします。
数字が基準を超えれば、そのまま本番移行を見据えてデータガバナンスや MLOps の設計に着手。逆に基準を下回る場合は、方針を即座にピボットするか、次のユースケースへリソースを移す判断ができます。こうして“投資対効果を測りながら前進する”サイクルを最初から組み込むことが、AI 受託開発を成功させる近道です。
3. 内製化の推進
AI システムは、ローンチがゴールではなくスタートです。モデルの精度は半年もすれば劣化し、ユーザー要件も刻々と変わります。こうした変化に自社で主体的に対応できる体制を構築するには内製化が必要不可欠です。運用フェーズに入った瞬間からスキルトランスファーを始めることが欠かせません。
内製化の流れは、週次のハンズオンやコードレビュー等を通して、社内エンジニアが実運用の現場で手を動かす機会を意図的につくることから始まります。社内システムを開発した場合には、そのシステムの社内活用を促進するための教育機会などの啓蒙活動も必要になるでしょう。
この内製化をスムーズに進めるカギは、事前にベンダーと導入までのロードマップを共通認識として描いておくことです。
たとえば「6か月後に社内活用率 50%、12か月後に 80%」といった数値目標を設定し、教育カリキュラムと評価指標をセットで合意しておくなどもポイントです。
これらの一連の流れをあらかじめ抑えておき、フェーズの区切りごとに経営層が Go/No-Go を判断するタイミングを設けることができれば、期待値と投資を常に最適化しながら AI 受託開発を進めることができます。
受託開発をビジネスを加速させる機能として活用しながら、運用の現場で学びを循環させるといった二段構えの構造が理想的と言えるでしょう。
まとめ
AI 開発は「競争優位を継続的に生むエンジン」ですが、専門人材・インフラ・ガバナンスを社内だけで整えるのは高コストかつ時間がかかります。
AI 受託開発を活用すれば、
- 必要な技術や豊富な実績を瞬時に取り込み
- 社内リソースをコア業務に集中
- 市場変化に俊敏に対応
- 導入後も伴走して成果を最大化
――これらを同時に実現できます。まずは信頼できるパートナーとともに、“小さく始めて、大きく育てる“一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
最後に
キカガクでは、AIエージェントをはじめとする生成AIの活用を専門としたAI開発プロフェッショナルが、お客様の業務課題に応じたAIソリューションの企画・設計・実装を支援しています。
✔ 業務に即したAIチャットやFAQボットを作りたい
✔ 社内文書を活かした検索支援AIを導入したい
✔ AIを活用した新規事業のPoCを検討したい
このようなお悩みをお持ちでしたら、まずはお気軽にご相談ください。貴社の課題に合わせた最適な活用方法をご提案します。
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