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E資格の難易度は?E資格の難易度について徹底解説(例題あり)
E資格とは?
E資格の主催団体は?
E資格とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているか」どうかを認定する資格試験です。
試験の中では、機械学習や深層学習(ディープラーニング)の知識を始め、開発環境や応用数学の理解まで幅広く問われるような試験となっています。
JDLA は E資格と G検定の 2 つの資格を展開しており、JDLA が認定するもう一つの資格、G検定の次のステップとも位置付けられるエンジニア向けの資格試験となってなります。
E資格の問題形式は?
E資格の試験時間 120 分、問題数は 100 問前後で全問多岐選択形式となっています。
試験時間 120 分で問題数が 100 問前後なので 1 問あたりにかけられる時間は 1 分程度と、時間的な制限も厳しい資格試験となっています。
また、選択式の問題とはいえ実装のコードを問われる問題や計算問題なども出題されるため、しっかり内容を理解していないと正答することは難しいです。
G検定との違いは?
日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している資格試験には E資格以外に G検定があります。E資格はディープラーニングを実装する人材(エンジニア)向けの資格となっており、機械学習やディープラーニングのモデルの実装をする知識や、内部で行われる数学的な計算の理解を問うものです。
それに対して、G検定はディープラーニングを活用する人材(ジェネラリスト)向けとなっており、AI の歴史や基礎の部分、契約や論理にまつわる内容など、広い範囲のビジネス活用の知識を問うものになっています。
E資格はエンジニア向けの試験ということもあり、G検定に比べより高度で専門的な内容を問われる試験です。難易度としても G検定よりも高くなります。
E資格の難易度
資格の合格率は?
以下はこれまでの開催回別の合格率の一覧となります。
(「2020#2」は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により開催中止となりました)
出典:https://www.jdla.org/news/20220310001/
近年の E資格の受験者と合格者をまとめた表となります。この一覧表だけ見ると、受験者の半数以上が合格しているので、合格することはそれほど難しくない資格だと考えられそうです。
しかし、E資格の受験者の大半は、すでにある程度機械学習の知識を持っていたり、実務でディープラーニングを使われている方もいらっしゃいます。また、E資格を受験資格を得るためには、JDLA 認定プログラムを修了する必要があります。
JDLA 認定プログラムを修了した受験者の 3 割程度以上が不合格になることを考えると、合格率の数値以上に難易度の高い試験であると考えられます。業種別の合格者数など、JDLA が受験者に向けて取得したアンケートの結果を見ることができますので、気になる方は、以下のリンクをご覧ください。
「E資格(エンジニア資格)2022#1」結果発表。(1,327名が受験し、982名が合格)
E資格の合格点は?
E資格では、合格点の公表はされていません。公式 WEB ページにも合格点は非公表である旨が記述されています。JDLAのもう一つの資格試験である G検定も同じです。
出典:https://www.jdla.org/news/20220310001/
こちらは JDLA が公表している 2022#1 の全受験者の平均点になります。各分野の正答率の平均はだいたい、60 %~70 %の間であることがわかります。
得点の配分なども公開されていないので、一概に正解数によると言えない部分もありますが、あくまで目安でしかありませんが 7 割以上の正答を一つの合格に必要な最低ラインとして抑えておいていただくと良いかと思います。
E資格ってどんな問題が出るの?(キカガクのコンテンツのE資格事前確認テストから例題を 3 問紹介)
E資格はどのような難易度なのか、説明するよりも実際に見ていただいたほうがわかりやすいと思いますので、弊社がコンテンツとして提供しているE資格事前対策テストの中から例題を 2 問紹介いたします。
コード穴埋め問題
E資格では、ディープラーニングの実装についてのコードの穴埋め問題が出題されます。例題として以下のような問題があります。
Q1. 以下の空欄の(あ)に入る記号を答えよ。
畳み込み演算は全結合のニューラルネットワークと異なり、(ミニバッチサイズ,チャンネル数 , 縦幅, 横幅) の 4 次元配列に対して行列演算を行う必要があるために、素直に実装するとループのネストが深くなり計算にかなりの時間を要してしまう。そのため、イメージブロックをシリアライズ化することで計算効率をあげる手法がいくつか存在する。
以下のプログラムは im2col という形式による CNN の順伝播実装を記述したものである。
im2col は (ミニバッチサイズ,チャンネル数 , 縦幅, 横幅) の 4 次元配列を、 (画像枚数 * 畳み込みの回数, フィルタの要素数) の行列に変換し、フィルターを (フィルタの要素数, フィルタの枚数) の行列に変換することで、畳み込み演算をただの行列積の計算にするアルゴリズムである。
まずは画像を行列に変換する前にパディングを行い、畳み込み対象の画像に変換する。
- (a) [(0, 0), (0, 0), (p_h, p_h), (p_w, p_w)]
- (b) [(0, 0), (0, 0), (p_h, p_w), (p_h, p_w)]
- (c) [(0, 0), (p_h, p_h), (p_w, p_w), (0, 0)]
- (d) [(0, 0), (p_h, p_w), (p_h, p_w), (0, 0)]
答え:(a)
知識を問う問題
E資格では、ディープラーニングの応用を問うような知識問題も出題されます。例題として以下のような問題があります。
Q1. 以下の空欄(あ)に入る記号を答えよ。
データの解析を行う際に、対象のデータの特徴を把握する目的・方法として 次元削減を行うことがある。データの次元数はデータの特徴の数と捉えられる。次元数を減らすことでデータを扱いやすくしたり、可視化することが可能になる。
次元削減の具体的な手法としては PCA(主成分分析) などが挙げられるが、ニューラル・ネットワークを用いた機械学習を使った次元削減の手法として、 (あ) がよく知られている。
- (a) 独立成分分析
- (b) 制約ボルツマンマシン
- (c) オートエンコーダ
- (d) isomap
答え:(c)
キカガクの提供しているE資格対策コース
ディープラーニングハンズオンコース
キカガクが提供しているディープラーニングハンズオンセミナーは、JDLA より認定プログラムに指定されております。
ディープラーニングハンズオンセミナーを受講いただく大きなメリットを 3 つ紹介いたします。
1.ディープラーニングについて短期間で体系的に学べる!
ディープラーニングハンズオンセミナーでは、機械学習やディープラーニングについて理論や実装について体系的に学ぶことができます。3 日間という短期間で体系的な知識を得ることが出来るボリューム満点のコースとなっています。
2.受講中は質問し放題!
受講期間中は講師に直接質問することができます。
ハンズオン形式で学ぶ事ができるセミナーとなっていますので、受講期間中(3 日間)は講師に直接質問することができます。
3.E資格の対策が充実!
ディープラーニングハンズオンセミナーに参加された方皆様に、先程例題としてお見せした E資格事前学習テストをはじめ、E資格対策コースとして、20 時間分の E資格対策動画を無料で付与いたします。
ご紹介
【JDLA E資格認定講座】ディープラーニングハンズオンコース(オンライン研修)
【JDLA E資格認定講座】ディープラーニングハンズオンコース(e ラーニング)
終わりに
今回の記事では、E資格について試験内容や難易度、受験方法について解説しました。
これから AI の社会実装が進んでいく中で、AI を深く理解し、実践的に活用できる力はますます重要になるでしょう。E資格取得を目指すことは、そのスキルを客観的に証明する有効な手段です。
AI に興味がある方、キャリアアップを狙いたい方は是非 E資格の受験を検討されてみて下さい。E資格の難易度が高い、と感じられた方は、ぜひまずは G検定を目指すところから始めてみるのもおすすめです。
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