AI 業界には、幅広く様々な職種が存在します。代表的なものを 5 つご紹介します。
データアナリスト | データアナリストは言葉の通り、データを分析する人です。具体的には、統計分析を用いて、マーケター、コンサルタント、企画や営業などの意思決定を支援します。 例えば、スマホゲームアプリの売上に関する分析をするとしましょう。まず課題があり、売上が前月から今月で売り上げ下がっているとします。 実際に要因を分析し、統計的に正しいと判断できた場合は、レポートにまとめて、マーケターに共有します。すると、マーケターは次の施策といったネクストアクションに移行でき、確度高く意思決定をすることが可能です。 このようにデータアナリストは、統計分析を通じて、定量的に物事を判断し、ビジネスの意思決定に活かす仕事になります。 |
データサイエンティスト | データサイエンティストは、データを活用して課題を解決できる人です。データアナリストの延長と考えるとわかりやすいでしょう。定義は状況により異なりますが、データアナリストの上位職に近いイメージとなります。 データアナリストは基本的に統計を用いて分析しますが、データサイエンティストは統計はもちろん、機械学習やシステムも理解できており、課題解決においてオールマイティーです。 データアナリストと同じように、意思決定を支援するために統計分析も行いますし、機械学習による自動化や効率化による課題解決も実施。 このように、データサイエンティストは分析や技術力だけでなく、ビジネス視点も持ち、課題のヒアリング(上流)から実装(下流)までカバーします。 |
機械学習エンジニア | データサイエンティストと機械学習エンジニアは担当範囲が似ておりますが、ニュアンスが異なります。データサイエンティストはビジネス寄りに対し、機械学習エンジニアはエンジニア寄りとなります。 EC サイトや動画プラットフォームなどのソフトウェアを開発する人の延長線上に機械学習エンジニアが存在します。機械学習を専門とするソフトウェアエンジニアのようなイメージです。 |
データエンジニア | データエンジニアは、ビックデータをうまく扱えるようにデータの基盤を整える人で、データベースエンジニアの延長線上にいます。 データベースエンジニアとデータエンジニアの違いは、ビックデータを扱う点です。ビックデータが関連すると、複雑になったり高度な技術が必要になります。 ビックデータを扱うと、Excel のような表データが大量にあり、データを抽出するまでの時間が凄くかかります。そこで、ビッグデータに特化したデータウェアハウスを採用することで、分散処理などで効率良くデータを抽出できるのです。 このようなビックデータから効率的にデータを抽出できる基盤をデータエンジニアは整えます。データエンジニアの重要性は近年、非常に増している職種です。 |
データアーキテクト | データアーキテクトはデータの設計者であり、データエンジニアとデータアナリストの間に位置する人です。今まで紹介したように、データエンジニアはデータ基盤を開発し、データアナリストがその基盤からデータを抽出して分析します。 しかし、データが大規模になると、データアナリストがデータ基盤からデータを抽出することが大変になってきます。ここで、データアーキテクトが、データアナリストがデータを扱いやすくなるよう、両者の間に入って、調整するわけです。 つまり、データアーキテクトは両者を理解してる人であり、データアナリストが困ることなく、データを抽出そして分析できるまでの工程を設計します。 |
ここまで、AI 人材の将来性、どんな職種があるかについてみてきました。 ここからは転職を成功させるために準備するべきポイントについて 3 つに絞ってお伝えします。
転職しようと考えている業界に関する資格を取得することは、スキルを客観的に証明できる有効な手段です。AI業界では、日本ディープラーニング協会が主催する「JDLA Deep Learning for Engineer」(通称:E資格)が代表的です。
E資格は、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定するエンジニア資格試験です。 受験資格を得るためには「JDLA認定プログラム」を受講する必要があるため、知識面だけではなく実践的なスキルも必要となります。
さらに、出題内容も専門性が高く、大学で学ぶ線形代数など、ディープラーニングなどの AI 技術のベースとなっている数学的理論を理解しておくことが前提となっています。通常のIT資格において、大学数学の知識が必要なものは限られており、E資格はその数少ない資格であるため必然的に取得難易度も高いと言えます。
AI を業務で活用することが求められる職種の求人では、E資格取得者を優遇するケースも増えてきているため、まずは E資格取得を目指すことも有効です。 E資格の詳細については、こちらの記事も合わせてご覧ください。
E資格とは?
転職活動の際には、自身の経験やスキルを言語化することが必要となります。ここでポイントとなるのは、「自分が行きたい業界・職種」と「自分の経験やスキル」の共通項をできる限り多く見つけるということです。例えば、店舗販売の経験があったとして、そこからデータアナリストとしての転職を目指すとしましょう。
両者の業務内容は一見全く関係がないように見えます。ここでポイントとなるのは、できる限り経験やスキルを分解して考えることです。店舗販売にも様々な業務があります。具体的には商品発注、品出し、プロモーション、顧客対応など様々な要素に分解することができます。 次に、分解した要素の中で、目指している職種の業務に関わりがありそうな行動を抽出します。 データアナリストは、データ分析のスキルが求められるため、分解した要素の中でデータ分析に関連した要素を抜き出していきます。
例えば、商品発注という業務を行うためには、在庫状況、過去の販売実績、来客数の推移など様々な項目から総合的に商品発注数を判断します。ここで判断を下すまでのプロセスの中に「データ分析」の要素が含まれている可能性が高いです。このように「自分が行きたい業界・職種」と「自分の経験やスキル」の共通項を見つけて整理していくことで、未経験の職種であっても経験やスキルをアピールすることができます。
共通項を見つけることが難しい場合、共通項になりうる要素を意識的に現在の業務の中で取り組んでいくことも有効です。例えば、商品発注はシステムで自動化されているような業務の場合、自身でもデータを活用した最適な発注数を計算して自動発注した場合との差分と結果を自分なりに分析してみるなどが考えられます。目指す職種が現状と離れている場合でも、工夫次第で共通項となりうる経験やスキルを見出し、培っていくことができます。エンジニアの方であればポートフォリオを公開することもスキルをアピールできる有効な手段となるでしょう。
資格取得やキャリアの棚卸しによってアピールポイントを整理することは転職活動において非常に有効ですが、それでも目指す職種への転職が叶わないことももちろんあるでしょう。すぐにやりたい仕事に就けることが一番ですが、どうしても経験やスキルが要件に満たず内定が得られないということも多いのが事実です。そのときに、やりたい仕事に固執してしまうと転職先が決まらず焦りと不安ばかりが募ることになりかねません。
その際に重要なポイントは、「どれくらいの期間を掛けて目指す職種に到達するか」という視点です。一足飛びに目指す仕事に就くことは難しくとも、業界や業種の視点でまずは近しい領域の仕事に就くことを目標とすれば転職の実現性は高まります。その後のステップアップとして当初目的としていた仕事を目指すことで着実にキャリアを築いていくことができます。このように、転職を考える際には「中長期ビジョン」を描いていくことも大切です。
今回は、AI 業界への転職という観点で準備すべきポイントを 3 つに絞ってお伝えしました。
「資格取得」「キャリアの棚卸し」「中長期ビジョン」それぞれをしっかりと押さえて、ぜひ今後のキャリアアップにお役立ていただければ幸いです。
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