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【事例:ビジネスアーキテクト研修】 株式会社イトーキ:デザイン思考×DX企画立案×生成AIでDXを活用するビジネスアーキテクト人財育成へ〜育成導入担当者編〜
株式会社イトーキは、2023 年より自主自律をベースに下図の 5 つのステージに分ける形で、DX 人財の育成をスタートしています。
【イトーキが 2023 年より進めている DX 人財像:学びのステージと定義】
出典:株式会社イトーキ DX 人財の学びのステージと定義
今回キカガクでは、この「活用する」というステージにおいて、次の 3 点をテーマとしたビジネスアーキテクト人財向けの研修を実施しました。
・DX のアイデアの種の見つけ方
・AI を活用した企画立案
・生成 AI の基礎
今回は、DX 推進本部デジタルソリューション企画統括部デジタル企画推進チームの小笠原様と植田様に下記についてインタビューさせていただきました。
・実施した研修の内容
・キカガクを選んだ理由・研修の効果
・イトーキ流の DX 推進部が実施している DX や AI ・デジタル活用を「自分ごと化」してもらうための工夫
インタビューイー | 部署 |
小笠原様(写真右) | DX 推進本部 |
植田様(写真左) | DX 推進本部 |
なお、本研修の受講生様にもインタビューさせていただきました。
受講生視点での本研修の感想や成長などご紹介していますので、ぜひご覧ください。
どのような人財を育成するかは手探り状態だった
研修の内容や「自分ごと化」してもらうための最適解を探す
DX 人財育成において課題はありましたか?
小笠原様:2023 年は経済産業省及び IPA* によるデジタルスキル標準に従い、ビジネスアーキテクト人財を育成することに注力してきました。 ※独立行政法人情報処理推進機構
はじめての取り組みでもあり、今回ご依頼した「活用する」ステージに、何を求めるのか試行錯誤しました。
植田様:デジタルに苦手意識のある方に、DX などに興味を持ってもらうためのハードルは感じていました。
二年程前社内のコミュニケーションツールが変わり、スムースに対応された方もいましたが、慣れ親しんだものが変わることや、今まで当たり前にできていたことができなくなるもどかしさ、できていたことのやり方が変わることへの心理的ハードルがある方もいらっしゃったと思います。
今回の育成ステージでは、例えばそういった方にも、DX に興味を持ってもらい、AI などの業務活用を「自分ごと化」してもらうにはどうしたらよいかという点も踏まえて考えていました。
イトーキ流 DX 人財育成の進め方
地道に関係人数を増やし、施策の効果を実感してもらう
貴社の学びのステージのような育成の枠組みづくりに悩まれている育成担当者の方が多い印象です。育成の枠組みづくりのポイントなどはありますか?
植田様:実は我々もどういった育成の枠組みがイトーキにとってよいのかは、前例もないので正直わからない状態でした。ただやってみないことには、何もフィードバックが得られません。
なので、初期はガッチリ固めすぎず、フィードバックを受けてどんどん改善できるような形で進めています。
「やってみた結果、もし違ったら変えていけばよい。なので、まずはスタートさせてみよう」といった思想であったため、すぐに動き始めることができました。
そんな中、既に社内で複数の取り組みをされていたと思います。そこで、「自分ごと化」に有効だった施策はありましたか?
植田様:「使う」ステージでは、生産性向上のためにデジタルツールを使いこなし、ツールが役に立つと実感してもらえる施策を考えました。
そこで、チャットやビデオ会議などのコミュニケーションツールをさらに使いこなしてもらえるよう、世間一般の使用方法ではなく、「イトーキの中でよくあるシチュエーションをもとに設計した基本機能の使い方の動画」を作り配信しました。
これは小笠原と私のような DX 人財育成を推進するメンバーだけでなく、部門を超えた方にも協力いただきました。さらにリリース前の動画をまったく別の部門の方にも見てもらい、いただいたフィードバックを反映しています。こういった草の根的なプロセスが、我々の活動に興味を持っていただくきっかけにもなりました。
まずは自分たちで手を動かし、業務の効率化に繋がるコンテンツを作ったり、関わってくれる人を一人ひとり増やすことが、結果的に「自分ごと化」に繋がったのではないかと感じます。
デザイン思考×企画立案×生成 AI で「活用する」人財の第一歩へ
DX アイデア出し・最新テクノロジー知識・生成 AI の使い方を学び、DX 企画立案まで一気通貫で実施する研修
「自分ごと化」ということがテーマの一つだと思いますが、改めて今回どういった研修を実施しましたか?
小笠原様:「活用する」ステージにおける、「DX のアイデアの種の見つけ方」、「AI を活用した企画立案」、「生成 AI の基礎」を学ぶ研修を実施しました。
デザイン思考や生成 AI を使って、テクノロジーの最新事例を学びながら「DX のアイデア」を生み出し、それを「企画」に落とし込む研修です。
また座学のみ行うのではなく、AI のシミュレータ(キカガクオリジナルの AI を使用し、AI の業務活用を疑似体験いただくシミュレータ)を使ったハンズオン形式や、企画のプロセスをワークショップ形式で実施いただきました。
上記研修を行うためにカスタマイズされたと思います。カスタマイズのポイントを教えてください。
小笠原様:カスタマイズ前のコースの内容を詳細にご説明下さった上で、イトーキの課題に合わせて最大限カスタマイズしていただきました。
座学だけでなく実践力に繋がるようにと考え、午前にデザイン思考を取り入れた DX のアイデアの出し方、最新テクノロジーの知識、生成 AI の使い方を学び、午後は業務課題と午前の内容を結びつけて企画を立案できるカリキュラムの構成を提案いただきました。
最新の知識を踏まえ、DX・AI 企画の考え方から企画の立案まで一気通貫で学び、体験できるような形式がポイントでした。
午前のDXアイデア出しのパートに最新テクノロジーの事例や生成 AI を入れた背景を教えてください。
小笠原様:イトーキが今後提供するサービスには AI に限らず、さまざまなテクノロジーへの視野が必要と考えました。
そこで、DX のアイデアを考えるに当たって材料となる最新テクノロジーの事例の座学を踏まえ、アイデア発想の壁打ち相手として使えるように、情報セキュリティへの配慮を含んだ生成 AI の使い方も教えていただきました。
本研修の参加者の中には生成 AI に興味はあるものの使った経験のない方もいらっしゃいましたが、「本講義を受け、活用できそうだ」といった反応もありました。
今回公募型の研修だったと思いますが、どのくらいの人が集まりましたか?
植田様:複数受講も可能という募集の仕方もあってか、定員に対して約 1.5 倍の応募がありました。
研修実施前に本当に人が集まるのか不安な育成担当の方もいらっしゃると思います。これだけの人数が集められたポイントなどはありますか?
植田様:社内への応募要項発信の際に、どういう方に受けてほしいかを明記しました。
応募要項作成にあたっては、御社と打ち合わせながら、「何がキーメッセージになるのか」、「受講生に何が響くか」などを整理し、作成しました。
そのかいもあってか、課題意識や変えたいことのイメージを持つ方が多く参加してくれた印象です。
実際研修後アンケートを見ても、インプット〜アウトプットを通して AI などの活用イメージが湧き、業務活用への意欲に繋がったのではと感じています。
【カスタマイズ前のキカガクでの該当コース】
コース名 | 詳細 |
最新 Tech トレンドコース | |
生成 AI 活用コース ビジネス層向け | |
DX デザイン思考・課題抽出コース | |
DX ビジネス企画立案コース |
事前準備から当日の研修運営までのキカガクのサポート
入念な打ち合わせ・サポートや、臨機応変に対応する研修運営力の高さ
キカガクの研修前のサポートや研修中の講師のサポートはいかがでしたか?
小笠原様:まず、細かな要望もしっかり汲み取っていただきました。講師の方との連携を含め、打ち合わせは頻回に及びましたが丁寧に対応いただき、企画そのものはもちろん運営に至るまで細やかに対応くださいました。
また、アンケートの結果を見ても、「講師の方の説明が平易で、親切、わかりやすかった」という声や、「実習の時間配分への配慮も万全だった」という声をもらい、高い満足度でした。
講師の方の質や研修準備・運営含めた細かな対応にとても感謝しています。
植田様:我々もずっと同席していたのですが、やはりプロの講師の方はすごいなと感じました。
研修内容で資料化されているものは、読めば内容が理解できます。しかし、実際の参加者の状況に応じた対応や説明、時間調整の臨機応変さなどの研修運営力に講師の力量をとても感じました。今回はワークショップやハンズオン形式もあったのでなおさらでした。
ご経験や知識もさることながら、研修中も要望に迅速に動いてくださり、我々も色々なことを学ばせていただきました。
ハンズオン形式で、AI 活用の勘所を掴む
AI シミュレータを使うことで、知識が実感に変わった
AI シミュレータを使った研修はいかがでしたか?
小笠原様:ハンズオン形式の実践的な内容であったため、AI などの活用への理解が深まったのではないかと感じています。
座学で聞いているだけだと「確かにそうだよね」で終わってしまいがちです。しかし、実際に自分の手で AI シミュレータを触ることで知識が「実感」に変わり、どこに勘所があるのかを実体験できます。
事前にお知らせいただいたとおり、AI シミュレータは我々が実務で活用できるタイプの AI ではありませんでしたが、実際に触ってみると十分に業務活用への実感が持てると感じました。
座学だけでなく、具体的な AI 活用の体験を通じて、「過度な AI への期待」や、「自業務への AI 導入時に注意すべきポイントの発見」、「課題解決に必要な観点の獲得」という次のステップに繋がったのではないかと思っています。
アウトプットのためのワークショップも実施
ワークショップでは部署を横断する視点を養えた
研修担当者視点で見たワークショップはいかがでしたか?
植田様:ワークショップでは、個人ワークで自分の業務を棚卸する内容もあり、自分ごと化を進めるきっかけにもなりました。
さらに、個人ワークだけでなくグループワークもあり、他部門の業務に対する理解を深めたり、部門を横断した DX を進める上での課題や必要な事を知るよい機会になったと感じます。
何かを変化させる際、部分最適ではなく全体最適から考えることも重要です。
そういった意味では本ワークショップを通して、例えば自分の前工程や後工程の業務を担当する人と会話することで、全体最適から発想する視点の醸成にも繋がったのではないでしょうか。
「得」を実感する輪を、少しずつ広げていきたい
体系的な知識と AI 導入の正しい期待値や導入に必要な条件を知れた
本研修は「自分ごと化」に繋がる研修でしたか?
植田様:繋がったと思います。
実際にアンケート結果を見ても、活用度(研修で学んだことが業務で活かせそうかというアンケート結果)などが一定以上の高評価でした。
AI に興味があるという段階から、体系的に AI にできること・できないことを把握し、自分の業務活用へのイメージを持てるようになったのではないかと感じます。
これによって、漠然と抱いていた DX 推進や AI 導入のハードルは下がりますし、行動に移すための準備づくりに繋がったと受け止めています。
受講生の研修後の変化について期待はありますか?
植田様:参加した方に、そこで感じた良さを周りの方に伝えていただければ嬉しいなと思っています。
本研修で学んだことや感じたこと、生産性向上へのヒント、さらに単純に知って得したことなど、なんでもよいと思っています。
まずは個人単位で、何をすれば自分の業務が楽になるのか知る。そして、できるところから自身の業務を改善し、忙しさを解消していただく。その「得」の部分を自分の周りにも伝えていただく。
このように、小さい所からはじまり、自分のチーム、部署、社内へと変化の輪が自発的に広がっていくようサポートしていきたいです。
中長期的な変化として期待していることはありますか?
植田様:イトーキは『明日の「働く」を、デザインする。』をミッションステートメントとし、近年「Tech×Design(テックバイデザイン)」を掲げ、データを基にオフィス改善のソリューション提供を進めています。
2022 年からは DX 推進本部も本部化され、DX 推進に向けて大きく変化する流れの中にいます。
そういった中、本研修などの人財育成を通して、中長期的には、自部門の業務改革だけでなく、部署横断的な業務改革やその波の拡大を期待しています。
さらに今後は自動化が進み、「人にしかできないことに時間が割けるような状態」になっていればよいなと思っています。
【インタビュー中のお写真】
これから受講する方には、あまり気負わずに参加頂きたい
一人での参加が不安であれば、仲間と一緒に参加でも
このような研修に参加するメリットはどういったところにありますか?
植田様:価値ある新しい情報を、体系的にわかり易く学べるところかなと感じています。
検索をすれば、様々な情報を知ることができます。しかし、その情報自体が最新かつ正しい情報ではなかったり、体系的に整理されていないこともあります。
プロの会社が作成した教材で、プロの講師に教えてもらうことによって、最新の情報を正しく体系的に学ぶことができます。さらに、疑問に思ったことをその場で聞くこともできます。
今後参加する方はどういった姿勢で参加するのがおすすめでしょうか?
植田様:DX が当たり前になる世界になるとすれば、少しでも早く DX について触れる機会をつくることが良いと思っています。
またこの分野に触れることは、想像よりも高いハードルではないと思っています。
初めてスマホに触れた時は扱いが難しかったかもしれませんが、今は皆が使いこなしています。DXも最初はとっつきにくいかもしれないですが、知っていくうちに自分なりの使い方や便利さを知り、徐々に慣れ、気付けば当たり前のものになっているのではないでしょうか。
やはり現在ハードルを感じ、自分一人の参加が心配な方は、誰かを誘っての参加も大歓迎です。誘い合っての参加はハードルが下がるだけでなく、研修後にもこの領域を話せる方がいることで今後のモチベーションに繋がります。
少しでも興味があれば、どういった形式でも結構ですので、あまり気負わずに参加してほしいと思っています。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
キカガクでは業界業種問わず 1,000 社以上の企業に導入いただき、DX 人材育成における様々な課題解決をご支援しております。
業界業種多種多様な業界 20 社以上の育成事例もご紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひご参考ください。
どういった DX 人材を育成すればよくわからない、DX 研修の内容をどうすればよいか決めきれない、自社の課題を解決するような研修をカスタマイズしてほしい、などありましたら、下記フォームから弊社コンサルタントにお問い合わせください。御社の希望や予算等をお伺いし、適切な研修をご案内させて頂きます。
また、弊社キカガクが提供しているサービスの特徴やコース詳細についての資料は下記になります。コースごと学習内容の詳細やスケジュール等や今回ご紹介してきれていないコースやサービスもご用意あります。DX 研修を検討されている方のご参考になれば幸いです。
目次
- どのような人財を育成するかは手探り状態だった
- 研修の内容や「自分ごと化」してもらうための最適解を探す
- イトーキ流 DX 人財育成の進め方
- 地道に関係人数を増やし、施策の効果を実感してもらう
- デザイン思考×企画立案×生成 AI で「活用する」人財の第一歩へ
- DX アイデア出し・最新テクノロジー知識・生成 AI の使い方を学び、DX 企画立案まで一気通貫で実施する研修
- 事前準備から当日の研修運営までのキカガクのサポート
- 入念な打ち合わせ・サポートや、臨機応変に対応する研修運営力の高さ
- ハンズオン形式で、AI 活用の勘所を掴む
- AI シミュレータを使うことで、知識が実感に変わった
- アウトプットのためのワークショップも実施
- ワークショップでは部署を横断する視点を養えた
- 「得」を実感する輪を、少しずつ広げていきたい
- 体系的な知識と AI 導入の正しい期待値や導入に必要な条件を知れた
- これから受講する方には、あまり気負わずに参加頂きたい
- 一人での参加が不安であれば、仲間と一緒に参加でも
- 最後に
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