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【事例:教育機関】長岡工業高等専門学校:AI = 難しいを払拭したい
こんにちは!株式会社キカガクの神部です。 インタビュイー 長岡工業高等専門学校 機械工学科 准教授・博士(工学)/AIR Tech ワーキンググループ長 工藤様 長岡高専様は、国立長岡工業短期大学(1961 年 4 月 1 日創立)を前身とし、高等専門学校制度が発足した 1962 年(昭和 37 年) 4 月 1 日に国立高等専門学校第 1 期校 12 校のひとつとして設置された歴史ある学校です。令和 3 年現在、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)プラス」に全国の高専で唯一認定されています。その背景として、平成 30 年よりキカガクと実施した AI 研修会の取り組みや、この制度に先んじて AI を学習する環境が整えたこと、またカリキュラムや地域企業様との取り組み等を総合的に評価いただいたようです。
長岡工業高等専門学校様(以下「長岡高専様」)は、平成 30 年より AI 研修会をスタートさせ、令和 3 年度には文部科学省の「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)プラス」に高専では全国で唯一認定されています。
今後必要不可欠になる AI に関する人材を長岡から多く輩出すべく、その育成を担う研究職員・教職員の AI リテラシー強化のために実施した研修についてインタビューいたしました。
<長岡高専様のご紹介>
長岡工業高等専門学校|お知らせ
教員全体のスキルアップが必要
研修を検討しはじめた課題や目的はどういったものがありましたか?
工藤様:今年度から文部科学省の「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」の認定がスタートし、全国の大学・高専からこれらの素養を習得した技術者が輩出されていきます。
その中でよりレベルの高い技術者を輩出するため、本校では教員全体のスキルアップも必要になると考え本研修をお願いしました。
キカガクを知ったきっかけや導入の決め手はなんでしたか?
工藤様:キカガク創業者の吉崎さんが、本校の AI 等の教育を推進するワーキンググループだった池田先生と知り合ったのがきっかけです。
吉崎さんが高専出身ということもあり、今後の高専教育にぜひお力をお貸ししてほしいと希望し、研修会を開いていただきました。
当時はリテラシーレベルの研修会で 10 人が参加したのですが、その研修会が非常にわかりやすく、教材開発の参考になりました。
そこから教員もさまざまな研究分野への応用を意識するようになり、今年度はリテラシーから少しレベルアップした内容で研修会を実施しました。
導入までの不安点等はありましたか?
工藤様:事前のヒアリングで研修内容の打ち合わせを行ったため、大きな不安はありませんでした。
こちら側の問題ですが、全員が事前に知っておくべき内容を事前に学習して臨んでくれるかが心配でした。
しかし、キカガクさんの学習システムを通して誰がどの程度事前予習を行っているのかを把握できていたため、かなり不安は解消されました。
事前学習までコーディングをほとんど知らなかった先生もいましたが、資料を読みながらしっかりと参加していたようで安心しました。
学校全体として AI 教育・スキルアップへの関心が高まった
今回の研修はどのような方が受講されました?
工藤様:研究活動などで使ってみたい、学生に講義を実施する、単純に興味があるというニーズをもった者が中心でした。今回は例年の参加者の 2 倍となる 20 名程度が参加となりました。
参加者の約半数が研究へ活かすため、残りの半数が実際に学生にも教える立場の教員が参加しました。
今回の研修の内容はどういったものでしたか?
工藤様:AI についてのリテラシーを向上させる上で、ディープラーニングの部分から難しくなると思っていました。そこで、ディープラーニングはどういったアルゴリズムで、どういったプロセスを経て解をだすのか、のような基礎かつ理論的な部分と実装までを研修に盛り込んでいただきました。
実際の研修では、ニューラルネットワークの構造から説明いただき、線形変換の数学的な意味をすんなりと理解できました。個人的には最急降下法や局所解、大域的最適解が図としてイメージできたのがためになりました。
また、こちらの興味もありお願いした自然言語処理では、言語の数値化について理解が深まりました。よく聞く日本語の処理は難しいとの話も、実際に手を動かすことで実感とともに納得できました。
あとは CNN の歴史やパディングなど、講義中に雑学・実用で役立ちそうな内容も挟んでもらえ、集中しつつさらに楽しみながら研修を受けることができました。
次回は研究に活用するため、発展的な内容を学ぶコースを受講予定です。
本研修でよかったところはありますか?
工藤様:まず、講師の方のお話が分かりやすいかったのが良かったです。休憩中にも質問に答えてくださり、オンラインでの実施が不安でしたが、気になったことを気軽に聞ける雰囲気ですすめてくださいました。
また、講義自体も手書きで実施する部分があり、実際に手を動かすことで頭に入ってきやすかったです。ベースは基礎講座ながら、中・上級者向けの内容も参考として入れていただけため、どのレベルの参加者からも高い満足度でした。
講義後も作り込んでいただいた資料が見れるので、自分のペースで振り返りができるのが嬉しいです。
さらに、参加した先生からは「すごく参考になった」とお言葉や、学生から「私も受けてみたい!」という声をもらったりと、学校全体として AI 教育・スキルアップへの関心が高まった研修となりました。
研修をどのように活かしていきたいですか?
工藤様:研修会に参加した先生方が研究でどんどん活用してほしいと思っています。そうしていく中で、学生にも興味を持って学んでほしいです。
やりたい内容をコードに落とし込んでいけるような思考力を育ててあげたいので、まずは自分たちが気軽に使えるように、AI = 難しいという意識をなくしていきたいと思っています。
そういった意味では今回の研修で使用した Google Colab のように自身で簡単にできる環境で教えていただいたのはとてもよかったです。
この研修を踏まえ今後の展望を教えてください!
工藤様:学生に AI でも、ものづくりでも、ちょっと試しにやってみよう!という意識を持ってもらいたいです。
そのためには、それができる環境の整備とこんな風にやるんだよと教えてあげられる人が存在しなければいけないと考えています。
これからの社会で AI が当たり前になったときに、紙飛行機を折るような感覚で AI に親しめる。そんな学生を多く輩出していきたいです。
自分もまだまだこれからなので、今回の研修の内容を参考にして、研究等で活用していきたいと思っています。
これからも教職員・学生ともにスキルを磨いていきます。
参考:AIR Tech | 長岡工業高等専門学校
最後に
本記事をお読みいただき誠にありがとうございました。今回は長岡高専様にインタビューさせていただきました。
教育の会社であるキカガクとして、長岡高専様の思想と取り組みに刺激とエネルギーを頂きました。
我々もミッションである「あるべき教育で人の力を解放する」ことを実現すべく、多くの教育機関へのサポートを実施していきたいと思っています。
本記事が皆様のお役にたてば幸いです。
改めまして、インタビューにご協力いただきました長岡高専の皆様ありがとうございました。
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