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【個人と企業事例紹介】リスキリングで使える補助金・助成金まとめ
DX を推進していくにあたり、「リスキリング」は切っても切れない関係にあります。最近でも、岸田総理の所信表明演説にてリスキリングの支援に 5 年で 1 兆円を投じると表明するなど、国としても力をいれている施策の一つです。
本記事では、リスキリングを進めていく上で活用できる補助金・助成金について紹介いたします。企業で活用できるものがございますのでぜひお役立てください。
リスキリングとは
補助金・助成金をご紹介する前にリスキリングについて整理していきます。
リスキリングの定義
リスキリング(Reskilling)とは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と経済産業省は定義しています。
昨今、人生 100 年時代と言われている中で長く働くことを前提に考えられているため、このリスキリングという考え方が個人はもちろん企業としてもかなり重要になってきます。
特に DX を推進する上でリスキリングは避けて通れないものであり、仕事の進め方が大幅に変わるであろう職業につくためのスキルを習得していく必要があります。
リカレント教育との違い
またリスキリングと類似した概念として、「リカレント教育」が挙げられます。しかし経済産業省はリスキリングは「リカレント教育」ではないとしています。以下、違いについてのご紹介です。
リスキリング | ・DX が進むことで、社会の変化に対応するための知識や技術を学び直すこと ・今後企業にとって必要となるスキルを企業側が社員に施す再教育 |
---|---|
リカレント教育 | ・教育機関や社会人向け鋼材に戻って学び直すこと |
社会にでると、学生の頃と比べて勉強をする時間を取れないとよく聞きます。実際に総務省統計局の「平成 28 年社会生活基本調査」によると、社会人が「学習・自己啓発・訓練」に充てる時間は 1 日あたり平均 6 分間という結果がでています。
学生時代に授業含めて 1 日何時間も勉強していたことを考えると、社会人の勉強時間がいかに少ないかが分かると思います。このような背景もあり、社会人になっても学びを続ける企業側が主体の「リスキリング」や、個人主体の「リカレント教育」が注目されています。
リスキリングについての詳細は以下のブログでまとめておりますので、ぜひご参考ください。
補助金・助成金・給付金の違い
企業単位でリスキリングしていく上で検討すべき項目に費用面がでてくるかと思います。本章では、補助金等の違いを整理した上で企業でも活用できる補助金・助成金・給付金について紹介いたします。
補助金・助成金・給付金の違い
補助金・助成金・給付金は、「国・地方公共団体・民間団体等」から支出されるもののため、原則返済が不要のものとなります。
補助金
補助金は、国や地方自治体の政策目的のために予算を組んで交付するもののため、申請しても必ず受けられるものではありません。政策実現のためのものであるため使用用途が限定されています。
助成金
助成金は、国や地方自治体が支給するもので、審査がなく要件を満たせば受けられるのが特長です。なかには要件が厳しいものもあり、申請すれば必ず受けられるものではありません。申請書類や添付書類の確認で要件を満たしていないと判断されれば「不支給」の通知が届くこともあります。
給付金
給付金は、国や地方自治体が事業主や個人に支給するもので、補助金や助成金は企業を対象としていますが、給付金は個人が申請できるものが多数あります。
企業向け補助金・助成金
①人材開発助成金
1つ目は、「人材開発助成金」です。本助成金は、雇用している従業員に対し、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。こちらは以下の 7 コースが用意されています。
人材育成支援コース
雇用する被保険者に対して、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、非正規雇用労働者を対象とした正社員化を目指す訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成
教育訓練休暇等付与コース
有給教育訓練等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に助成
人への投資促進コース
デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成
事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成
建設労働者認定訓練コース
認定職業訓練または指導員訓練のうち建設関連の訓練を実施した場合の訓練経費の一部や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させた場合の訓練期間中の賃金の一部を助成
建設労働者技能実習コース
雇用する建設労働者に技能向上のための実習を有給で受講させた場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成
障害者職業能力開発コース
障害者の職業に必要な能力を開発、向上させるため、一定の教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行う場合に、その費用を一部助成
コースにより給付条件が異なりますので、詳細につきましてはそれぞれのコースに対してのリンクをご参照ください。
②DX リスキリング助成金
2 つ目は、公益財団法人東京しごと財団の「DX リスキリング助成金」です。こちらは、中小企業等が従業員に対して、民間の教育機関等が提供する DX に関する職業訓練を集合又はeラーニング等で実施した際の経費の一部を助成する制度です。
DX を推進していく上で企業の課題は様々です。各企業の課題に対し幅広い訓練が必要な可能性を加味しており、条件さえあえば様々な課題解決に直結す講座を受講することが可能です。
個人向け給付金
①教育訓練給付制度
3 つ目は、「教育訓練給付制度」です。こちらは、企業ではなく個人の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部を助成される制度です。こちらは主に 3 種類ございます。
一般教育訓練
働く人の主体的な能力開発の取組を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度です。
特定一般教育訓練
多様な職業能力開発が求められる中で労働者の主体的な能力開発の取組を支援し、もって雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度です。
参照:特定一般教育訓練の「教育訓練給付金」に関する支給申請手続きのご案内
専門実践教育訓練
働く人の主体的で、中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度です。
3 つとも、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的としており、働く人の取組み内容によって活用できる制度が分かれております。
キカガクでは、「専門実践教育訓練」制度が活用できる 6 ヶ月間で AI・データサイエンスが学べる「キカガク長期コース」を運営しております。ご興味がある方はぜひこちらもご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。リスキリングを進めていく上で活用できる補助金・助成金について紹介いたしました。企業・個人それぞれで活用できますので、こちらを参考に DX 推進における「リスキリング」に取り組んでいただけますと幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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