1. ホーム
  2. 法人向けサービス
  3. DX・AI人材育成
  4. DX・AIブログ
  5. 【生成AI×営業DX】生成AIが営業現場で使われない本当の理由
2026年2月19日

【生成AI×営業DX】生成AIが営業現場で使われない本当の理由

はじめに:営業職のAI活用実態調査

生成AIを導入したものの、営業現場ではほとんど使われていない。一部のメンバーだけが使って終わっている。アポ数や案件、提案の質といった成果につながらない。

そんな課題を感じている営業責任者や営業企画、CS企画の方は多いのではないでしょうか。

弊社では国内企業の会社員(営業職)に対してAI活用実態調査を行い、以下のようなことがわかりました。

  • 営業部署の週の利用状況:直近1週間で0回が65%、週50回以上が約12%でした。その他と営業を除いた他職種(207人)と比べると、0回は約19pt高く、週50回以上は約10pt低く出ています。
  • 営業部署の活用を妨げている要因として、他職種と比べて、自信(使いこなせる自信が持てない)、不安(手を抜いていると思われる心配・正確性や倫理面の心配)、信頼(AIやデータの扱いを信頼できない・業務で使えないと感じている)といった声が強く出ています。
  • 組織診断としては、最初期の「種まきフェーズ」にあたり、営業部署所属全体としてはAI活用度がなかなか引き上がっていない現状があります。

1. 営業組織における生成AI活用の現実

本分析は、AMI(キカガク提供のAI活用診断ツール)により実施したアンケート調査のデータを用いています。調査の前提は以下のとおりです。

  • 対象:500名(法人企業に勤務するビジネスパーソン。職種・業界等は回答者属性にて集計)
  • 利用回数:直近1週間の生成AIの利用回数(回答は選択式。0回/1〜2回程度/〜50回/〜99回/100回以上など)
  • 営業・カスタマーサクセス職:76名(このうち活用層10名、非活用層66名として本記事では集計)

営業・カスタマーサクセス職に限ると、この二極化はさらにはっきりします。

  • 活用層(週50回以上など):10人
  • 非活用層(0回〜1〜2回程度):66人

営業組織のうち、実際に使い込んでいるのはごく一部であり、多くのメンバーはほとんど触れていない状態が常態化しているといえます。

同じ調査では、プロダクト・サービス開発や経営・事業企画では活用層の割合が相対的に高く、職種によって活用の度合いが異なることもわかっています。


2. 営業部署の診断結果 — 「種まきフェーズ」に該当

今回の調査で、営業・カスタマーサクセス職に絞ったUTAUTスコア※は以下のとおりでした。

括弧内は全社平均との差、職種内順位は8職種中の順位です。

指標

分析軸

スコア(全社平均比較)

職種内順位

業務成果への期待

利用回数

62 (+1)

5/8位

操作性・使いやすさ

利用回数

54 (+1)

5/8位

周囲の活用状況

組織文化

50 (+2)

6/8位

活用しやすい環境の整備

組織文化

52 (0)

7/8位

生成AI活用への自信

利用回数・マインドセット

47 (0)

5/8位

生成AI活用への不安

マインドセット

62 (0)

4/8位

生成AIへの信頼

マインドセット

50 (0)

6/8位

この結果、営業部署は生成AI活用の種まきフェーズに該当します。

このフェーズでは、信頼(50点)と自信(47点)がまだ一定の基準(60点)に届いていません。まずこの2つを底上げする施策を打っていく必要があります。

UTAUT:. Venkatesh, V., Morris, M. G., Davis, G. B., & Davis, F. D. (2003).

※ UTAUTは「Unified Theory of Acceptance and Use of Technology」の略で、日本語では「技術受容と利用に関する統一理論」と呼ばれます。これまで世界中の研究者が「人が新しい技術を受け入れる条件」について様々な理論を発表。それらに生成 AI 特有の不確実性と企業利用のガバナンス文脈を踏まえて拡張したUTAUTモデルとして要因構造を明らかにした


3. 個人のAX — 信頼と自信を向上させる教育企画

営業部署において、信頼が低スコアを出している理由を自由記述(コメント分析)から整理すると、おおまかに次の3つに集約されます。

  • 業務で使えないと思っている:7件
  • 間違った回答しかでてこない:6件
  • セキュリティリスクがあると感じている:5件

ここから考えると、信頼を向上させるためには、次のような打ち手が有効だと判断できます。

  • 「間違った回答は出てくるが、最後は人手で確認する」という実感を持ってもらう。
  • 「どこまでセキュリティが担保できているか」を理解してもらう。
  • 「業務で使える」と言ってもらえるような成功体験を積ませる。

これらを研修で具現化するなら、例えば次のようなメニューが対応します。

打ち手

研修の例

人手で確認する実感・業務で使える成功体験

営業向け生成AIハンズオン — メール文案・要約・提案の叩き台など営業の定番タスクで「使えた」をその日のうちに体験。プロンプトの型と確認の観点を渡し、評価・修正の型を習得する 営業の提案資料作成研修 と組み合わせて、「業務で使える」実感につながります。

セキュリティの担保範囲の理解

生成AIセキュリティ・ガバナンス研修 — 入力してよい情報の範囲、外部サービスと社内セキュア版の使い分け、成果物の取り扱いルールを学び、「どこまで担保されているか」を共通言語化します。上司向けモジュールでは、部下に「使ってよい」「ここは確認する」とどう伝えるかを扱い、チームで確認のルールを揃えます。

自信において低スコアを出している理由は、コメント分析から次のとおりです。

  • 何をすればよいか/何ができるかわからない 9件
  • 使い方・プロンプト・教育不足 7件
  • 誤り・信頼性・検証に時間がかかる 6件

自信を向上させるためには、(1)何をどこで使うかを示す、(2)プロンプト・評価・修正の型を身につける、(3)上司が使い、推奨し、レビューで使う—の3つを研修で組み合わせることが有効です。想定される研修の例は次のとおりです。

研修の例

内容

営業向け生成AIハンズオン

「何をどこで使うか」を具体的に示し、その日のうちに「使えた」を体験する。
プロンプトの型と評価の観点を渡し、「使ってよい」と伝える土台をつくる。

営業の提案資料作成研修

AI出力の良い/悪いの見分け方、自社の商材・顧客に合わせた修正の観点、上司レビューに耐える品質の目安を実習で身につける。
「出力を評価・修正できる」感覚と自信を育て、営業のコア業務に直結させる。

管理者向け:営業現場にAI活用を広げる研修

上司が自ら使い、勧め、事例を出すことで部下の活用を押し上げる。
推奨の伝え方・見せ方・評価の仕方を学び、部下の成果物を「AIで下書き+人が磨いた」と評価するフィードバックの型を共有する。

個人のスキルアップとは別に、組織の改善も同時並行的に目指していく必要があります。 研修で「使えた」「型がわかった」と体感したあと、同じ導線を組織標準にしたいとなったタイミングで、SalesPortalのような業務導線の整備につなげる設計が有効です。


4. 組織のAX — 業務棚卸しとSalesPortal

そのためには、営業現場の業務を棚卸しし、どの業務にAIを活用するかを見定めて、仕組みとしてアセット強化を進めていく必要があります。

例えば弊社では、SalesPortalの開発支援を行っており、業務ごとに以下のような仕組みを機能として盛り込み、営業プロセス全体のDXに取り組んでいる事例があります。

  • 商談録画のAIスコアリング
    • ジュニアが自己振り返りしながら営業スキルを高められる仕組み
  • 炎上案件を予測
    • 営業マネージャーに通知し、適切なタイミングで介入できる仕組み
  • 案件ごとのデータ管理
    • CRMデータ、商談録画、議事録等をPortal上に一元管理
    • Portalを見れば案件情報に一括アクセスできる仕組み
  • 案件データから提案書作成
    • AIで提案書を自動生成し、提案リードタイムの短縮と質の向上を実現する仕組み

研修だけでは定着しにくいため、AMIで課題を可視化し、上司起点で研修を組み、SalesPortalで導線から日常に組み込むという順番が、定着しない構造を断ち切るうえで有効です。

Sales Portal ダッシュボード機能

営業活動の全体像を一目で把握できるダッシュボード機能です。
進行中の商談数、今月の成約金額、成約率、成約件数などの主要KPIをリアルタイムで可視化。さらに、商談ごとのフェーズやクローズ予定日も一覧で確認できます。

また、直近30日間の商談データをもとにAIが営業活動を分析。ヒアリング力・提案力・クロージング・顧客理解・フォローアップ・商品知識などの観点でスコアリングし、強み・改善ポイントを可視化します。

顧客リサーチ機能

会社名を入力するだけで、Web上の公開情報をもとに顧客情報を自動収集・整理する機能です。

企業の業種・規模・事業内容に加え、過去の社内対応履歴も統合表示。さらに、ワンクリックで顧客レポートを生成できるため、商談前の事前準備を効率化し、提案の質向上を支援します。


最後に

キカガクでは、生成AIの活用度診断から教育・AXコンサル・開発まで一貫して、 お客様の業務課題に応じたAIソリューションの企画・設計・実装を支援しています。 ✔ 「自社でAI活用を任されているが何から手をつければ良いかわからない」 ✔ 「まずは自社・自部署のAI活用度を診断し、推進の阻害要因を特定したい」 ✔ 「AI活用における施策企画から一緒に考えてほしい」 このようなお悩みをお持ちのでしたら、まずはお気軽にお問い合わせください。

AI活用度診断(AMI)について問い合わせる

具体的なAXコンサルティング・AI/システム開発のご支援にご興味がある方は、こちらからお問い合わせください。

コンサルティング・開発支援について問い合わせる

お問い合わせ

Contact