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生成AIを導入したものの、営業現場ではほとんど使われていない。一部のメンバーだけが使って終わっている。アポ数や案件、提案の質といった成果につながらない。
そんな課題を感じている営業責任者や営業企画、CS企画の方は多いのではないでしょうか。
弊社では国内企業の会社員(営業職)に対してAI活用実態調査を行い、以下のようなことがわかりました。
本分析は、AMI(キカガク提供のAI活用診断ツール)により実施したアンケート調査のデータを用いています。調査の前提は以下のとおりです。

営業・カスタマーサクセス職に限ると、この二極化はさらにはっきりします。
営業組織のうち、実際に使い込んでいるのはごく一部であり、多くのメンバーはほとんど触れていない状態が常態化しているといえます。
同じ調査では、プロダクト・サービス開発や経営・事業企画では活用層の割合が相対的に高く、職種によって活用の度合いが異なることもわかっています。
今回の調査で、営業・カスタマーサクセス職に絞ったUTAUTスコア※は以下のとおりでした。
括弧内は全社平均との差、職種内順位は8職種中の順位です。
指標 | 分析軸 | スコア(全社平均比較) | 職種内順位 |
|---|---|---|---|
業務成果への期待 | 利用回数 | 62 (+1) | 5/8位 |
操作性・使いやすさ | 利用回数 | 54 (+1) | 5/8位 |
周囲の活用状況 | 組織文化 | 50 (+2) | 6/8位 |
活用しやすい環境の整備 | 組織文化 | 52 (0) | 7/8位 |
生成AI活用への自信 | 利用回数・マインドセット | 47 (0) | 5/8位 |
生成AI活用への不安 | マインドセット | 62 (0) | 4/8位 |
生成AIへの信頼 | マインドセット | 50 (0) | 6/8位 |
この結果、営業部署は生成AI活用の種まきフェーズに該当します。
このフェーズでは、信頼(50点)と自信(47点)がまだ一定の基準(60点)に届いていません。まずこの2つを底上げする施策を打っていく必要があります。

※ UTAUT:. Venkatesh, V., Morris, M. G., Davis, G. B., & Davis, F. D. (2003).
※ UTAUTは「Unified Theory of Acceptance and Use of Technology」の略で、日本語では「技術受容と利用に関する統一理論」と呼ばれます。これまで世界中の研究者が「人が新しい技術を受け入れる条件」について様々な理論を発表。それらに生成 AI 特有の不確実性と企業利用のガバナンス文脈を踏まえて拡張したUTAUTモデルとして要因構造を明らかにした
営業部署において、信頼が低スコアを出している理由を自由記述(コメント分析)から整理すると、おおまかに次の3つに集約されます。
ここから考えると、信頼を向上させるためには、次のような打ち手が有効だと判断できます。
これらを研修で具現化するなら、例えば次のようなメニューが対応します。
打ち手 | 研修の例 |
|---|---|
人手で確認する実感・業務で使える成功体験 | 営業向け生成AIハンズオン — メール文案・要約・提案の叩き台など営業の定番タスクで「使えた」をその日のうちに体験。プロンプトの型と確認の観点を渡し、評価・修正の型を習得する 営業の提案資料作成研修 と組み合わせて、「業務で使える」実感につながります。 |
セキュリティの担保範囲の理解 | 生成AIセキュリティ・ガバナンス研修 — 入力してよい情報の範囲、外部サービスと社内セキュア版の使い分け、成果物の取り扱いルールを学び、「どこまで担保されているか」を共通言語化します。上司向けモジュールでは、部下に「使ってよい」「ここは確認する」とどう伝えるかを扱い、チームで確認のルールを揃えます。 |
自信において低スコアを出している理由は、コメント分析から次のとおりです。
自信を向上させるためには、(1)何をどこで使うかを示す、(2)プロンプト・評価・修正の型を身につける、(3)上司が使い、推奨し、レビューで使う—の3つを研修で組み合わせることが有効です。想定される研修の例は次のとおりです。
研修の例 | 内容 |
|---|---|
営業向け生成AIハンズオン | 「何をどこで使うか」を具体的に示し、その日のうちに「使えた」を体験する。 |
営業の提案資料作成研修 | AI出力の良い/悪いの見分け方、自社の商材・顧客に合わせた修正の観点、上司レビューに耐える品質の目安を実習で身につける。 |
管理者向け:営業現場にAI活用を広げる研修 | 上司が自ら使い、勧め、事例を出すことで部下の活用を押し上げる。 |
個人のスキルアップとは別に、組織の改善も同時並行的に目指していく必要があります。 研修で「使えた」「型がわかった」と体感したあと、同じ導線を組織標準にしたいとなったタイミングで、SalesPortalのような業務導線の整備につなげる設計が有効です。
そのためには、営業現場の業務を棚卸しし、どの業務にAIを活用するかを見定めて、仕組みとしてアセット強化を進めていく必要があります。
例えば弊社では、SalesPortalの開発支援を行っており、業務ごとに以下のような仕組みを機能として盛り込み、営業プロセス全体のDXに取り組んでいる事例があります。
研修だけでは定着しにくいため、AMIで課題を可視化し、上司起点で研修を組み、SalesPortalで導線から日常に組み込むという順番が、定着しない構造を断ち切るうえで有効です。
営業活動の全体像を一目で把握できるダッシュボード機能です。
進行中の商談数、今月の成約金額、成約率、成約件数などの主要KPIをリアルタイムで可視化。さらに、商談ごとのフェーズやクローズ予定日も一覧で確認できます。
また、直近30日間の商談データをもとにAIが営業活動を分析。ヒアリング力・提案力・クロージング・顧客理解・フォローアップ・商品知識などの観点でスコアリングし、強み・改善ポイントを可視化します。

会社名を入力するだけで、Web上の公開情報をもとに顧客情報を自動収集・整理する機能です。
企業の業種・規模・事業内容に加え、過去の社内対応履歴も統合表示。さらに、ワンクリックで顧客レポートを生成できるため、商談前の事前準備を効率化し、提案の質向上を支援します。

キカガクでは、生成AIの活用度診断から教育・AXコンサル・開発まで一貫して、 お客様の業務課題に応じたAIソリューションの企画・設計・実装を支援しています。 ✔ 「自社でAI活用を任されているが何から手をつければ良いかわからない」 ✔ 「まずは自社・自部署のAI活用度を診断し、推進の阻害要因を特定したい」 ✔ 「AI活用における施策企画から一緒に考えてほしい」 このようなお悩みをお持ちのでしたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
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