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2026年4月2日

AI-CoEとは?生成AI活用が「個人任せ」で終わる企業が見落としている組織の仕組み

はじめに

「CopilotのライセンスはあるのにAIを使っている社員が少ない」「研修はやったが業務に定着しない」

「ツールは導入した。研修もやった。でも現場は何も変わっていない」

AI推進担当者からこうした声を聞く機会が、ここ1〜2年で急増しています。

日本企業の57.7%がすでに生成AIを導入済みとされる一方(野村総合研究所 2025年調査

現場社員の約84.7%は週10回未満の利用にとどまっており、3人に1人は一度も活用していないというデータもあります。

問題はツールではなく、「推進の仕組み」

本記事では、キカガクがAI人材育成・AX推進支援を通じて得た現場知見をもとに、

機能するAI CoEが果たすべき4つの役割と、失敗しないための設計ポイントを解説します。

なぜ生成AIは「導入しただけ」で終わってしまうのか

PwC Japan 2025年調査によると、生成AI推進において直面している課題として2年連続で「推進する人材がいない・体制がない」が

最上位に挙がっており、自社リソースだけで推進することへの困難さが多くの企業に共通する課題となっています。

現場の社員に目を向けると、活用を阻む障壁は大きく3つ

① 正確性・ハルシネーションへの不安(21.0%)

「AIの回答が正しいか判断できない」「間違いに気づかず信じてしまいそう」という不安が、本格的な業務活用への踏み出しを妨げています。

② 情報漏洩・セキュリティへの不安(19.0%)

「どこまで社内情報を入力していいかわからない」「社内ガイドラインが整備されていない」という状況が、使うこと自体をためらわせています。

③ 使い方・活用方法がわからない(12.6%)

「自分の業務のどこに当てればいいか具体的にイメージできない」「成功事例や使い方を会社で示してほしい」という声が多く聞かれます。

これらはいずれも、ツールの問題ではなく「組織・人材・仕組み」の問題です。言い換えれば、推進の責任と権限が曖昧なまま

成果が個人の工夫の中だけで点として終わっている状態です。

※上記の数値は、キカガクが提供する生成AI活用度診断ツール「AMI(AI Maturity Index)」の調査データをもとに算出しています。


「導入するか」から「どう使わせるか」へ

生成AIの普及曲線を見ると、「導入するかどうか」という議論はすでに終わりに近づいています。

業界標準として生成AI活用が前提になりつつある今、問われているのは「どう組織に根付かせるか」です。

ここで重要になるのが、推進の方向性を決める問いになります。

  • 「全社ガバナンスを先に整えてから動く」のか
  • 「まず小さく動かして成果を示してから広げる」のか

この優先順位を決めないまま走り続けると

ガバナンス・環境設定・展開戦略の3つを同時に考えなければならない複雑さに直面し動けない状態が続きます。


AI CoEとは何か

AI CoE(AI Center of Excellence) とは、生成AIの組織全体への定着を推進するための横断的な機能組織です。

特定の部署を指すというよりも、「戦略策定・実装支援・ガバナンス整備・人材育成」を一気通貫で担う推進機能の集合体と捉えるのが適切です。

AI CoEが機能すると、次のような変化が生まれます。

  • 「なんとなく進める」から「根拠のある打ち手を選ぶ」状態へ
  • 「やってみたが効果が見えない」から「経営層に説明できる成果がある」状態へ
  • 「外部支援頼み」から「現場からユースケースが生まれ続ける自走組織」へ

AI CoEが果たす4つの機能

効果的なAI CoEは、以下の4つの機能を段階的に整備することで成り立ちます。

1. 戦略策定

推進施策を感覚で決めるのではなく、組織の実態をデータで把握することが出発点です。

「どの業務に何時間かかっているか」「AI活用を阻んでいる要因は何か」を定量的に把握することで

効果が出やすいユースケースを3本程度に絞り込み、優先順位と中期ロードマップを作成できます。

この現状把握に有効なのが、UTAUT(Unified Theory of Acceptance and Use of Technology) をベースにした分析手法です。

成果期待・努力期待・社会的影響・促進条件・自己効力感・信頼・不安という7指標で部署・職位ごとにスコアリングすることで

「なぜ活用が進まないのか」という真のボトルネックを特定できます。

しかし、このフレームワークを自社だけで設計・集計・分析するには、相応のコストと時間がかかります。

他社との比較データがなければ、自社のスコアが高いのか低いのかも判断できません。

👉 他社比較してみる(AMI)

2. 実装支援

診断で絞り込んだユースケースに対して、Copilot Studio等を活用したAIエージェントの伴走開発を行います。

仮運用期間を設けて実際の業務に組み込み、導入前後の工数・品質を計測した効果測定レポートを作成することで、経営層への説明と次フェーズの投資判断を支援します。

「どの数字が出たら全社展開にGOするか」という判断基準をあらかじめ経営層と合意しておくことで、推進の先送りを構造的に防ぐことが可能です。

しかし実装フェーズは、CoEが最も多くの技術的判断を求められる局面でもあります。

技術選定・開発・効果測定・経営報告と、専門的な意思決定が連続するこの段階を自社リソースだけで進めることには限界があります。

構想から開発・内製化まで、AI専門家チームが技術と教育の両面で伴走する支援の活用が、CoEの実装を成功に導く現実的な選択肢です。

👉 事例を問い合わせてみる

3. ガバナンス整備

社員が迷わないための最低限のルールを、法律論からではなく「現場の迷いポイント」を起点に設計します。具体的には次のステップで進めます。

Step① 現状把握と方針決定

社内で実際に使われているAIツールの棚卸し、推奨する姿勢か制限する姿勢かというトーンの決定

承認フローの設計(法務・情シス・経営層のどこが最終承認するか)を行います。

Step② ガイドライン草案の作成

ホワイトリスト(法務・セキュリティチェック済みツールリスト)の作成、データ分類(公開・社内限・機密)ごとの入力可否の定義

「社員が迷いそうな場面」を想定したFAQの同時作成を行います。

Step③ 展開・定着

全社向け説明会の開催、相談窓口の設置(誰に聞けばいいかを明示)、定期見直しサイクルの設計(半年〜年1回)を実施します。

4. 人材育成

生成AIの活用レベルは、個人ごとに次の4段階に分かれます。

レベル

状態

Level 0

AIについて聞いたことはあるが使えない

Level 1

基本知識を持っておりAIを使える

Level 2

ノンコア業務に対して活用できている

Level 3

コア業務プロセスに組み込んで活用できる

重要なのは、「全社員の底上げ」と「Level3人材をエバンジェリストとして集中育成する」という両輪のアプローチです。

リテラシー研修・スキル研修・ユースケース研修を活用フェーズに応じて設計し、エバンジェリストが社内の自走化を促す循環を作ります。

しかし実際には、「どのレベルの人材を・どの研修で・どの順番で育てるか」 という設計自体に悩むケースが多くあります。

自社の人材構成や業務特性に合わせた育成ロードマップを描くことが、CoEの人材育成機能を機能させる第一歩です。

※AI人材の定義・必要スキル・育成ロードマップについては、AI人材とは?AI人材をどう育成するのか? で詳しく解説しています。


AI CoEが目指す「12ヶ月でAIが組織の力になっている状態」

AI CoEによる推進は、段階的に成果を積み上げる設計が重要です。

支援開始1カ月:自社の生成AI活用における課題が部門・職位別にデータで可視化され、どの業務にどのアプローチを当てるべきかが明確になっている。

支援開始3カ月:特定部門・特定業務でAIエージェントが稼働しており、工数削減が数字で示せる状態になっている。

支援開始12カ月:ガイドライン・環境・展開戦略の3軸が整備され、外部支援なしで新しいユースケースが現場から生まれ続ける状態になっている。


まとめ

生成AIを巡る論点は、「導入するか」から「どう使わせるか」に完全にシフトしました。

そして「どう使わせるか」の答えは、ツールや研修単体では出せません。

組織として推進する仕組み=AI CoEを起点に、診断・実装・ガバナンス・育成を一気通貫で設計することが、真の活用定着への道筋です。

まず現状診断から小さく始め、データに基づいた打ち手を積み上げていく。その繰り返しが、12カ月後に「AIが組織の力になっている」状態を作ります。

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キカガクのAX推進支援について

キカガクは、受講者数45,000名以上・支援企業500社以上のAI人材育成と技術実装の現場知見をもとに

「何から始めればいいかわからない」という構想段階から、貴社のCoE設計・実装・内製化まで一気通貫で伴走します。

机上の戦略で終わらせない、最短ルートでの支援が私たちの強みです。

まず現状のボトルネックを把握したい方は、生成AI活用度を他社比較で可視化できるAMI無料診断を。

具体的な支援内容を知りたい方は、AX推進支援ページをご覧ください。

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