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CopilotやGeminiなど、生成AIを"使える環境"は整ってきました。それでも現場で多いのが、次の状態です。
このときの本当の詰まりどころは、ツールの使い方ではありません。多くの場合、「このツールを使おう」と手段から先に決めてしまったことで、そもそもどの業務をどう改善すべきかが整理できていないことが根本の原因です。
では、AIを導入し業務改善がうまく進んだ企業が最初にやったことは何か。
「そもそもAIを使って、どの業務を、どう改善すべきか」この問いに、自分たちの言葉で答えを出すことです。
生成AI導入後に止まる企業で起きているのは、企画レベルの停滞です。その具体的な中身は、この後のセクションで詳しく説明します。
実はこうした状況は、珍しくありません。
総務省「令和7年版 情報通信白書」によれば、中小企業の約半数が「生成AIの活用方針を明確に定めていない」と回答しています(大企業の活用方針策定率:約56%に対し、中小企業は約34%にとどまる)。
図表Ⅰ-1-2-13 生成AIの活用方針策定状況(企業規模別(日本))

出典:総務省|令和7年版 情報通信白書|企業におけるAI利用の現状
方針が決まらない理由は、意欲の問題ではありません。「どの業務を、どう改善するか」が整理できていないから、方針も決められない。多くの企業が、この構造的な詰まりに直面しています。
「そもそもどの業務をどう改善すべきかが整理できていない」背景には、代表的な3つの阻害要因があります。
現場の課題は多い一方で、棚卸しが不十分なまま検討が始まるケースが多くあります。課題が混在し論点が曖昧なままでは、「AIで解決できるもの」と「そうでないもの」を切り分ける判断自体が困難になります。結果として、「AIでいけそう」も「難しそう」も区別できないまま、検討が止まるのです。
AI活用を単発の効率化施策にとどめると、取り組みは点在したまま広がりません。「何をもって成果とするか」「どの業務領域を優先するか」「最終的にどういった状態を目指すか」。この方向性が定まらないと、組織的な推進は難しくなります。
生成AIの活用効果は、多くの場合、単一部署の範囲に収まりません。
関係者が増えるほど「前提が揃わない」「誰が決めるのかも決まらない」という問題が連鎖し、企画が止まってしまいます。
これらの阻害要因は、プロンプトの工夫だけでは解消できません。必要なのは、AI活用の企画を動かすための「土台」を最初に作ることです。
自部署、あるいは関連部署を含めた業務全体を俯瞰し、課題を書き出します。この作業によって、検討すべき論点が整理され、議論の出発点が揃います。
洗い出した課題を精査し、AIによる代替・支援が有効なものと、業務プロセスの設計や意思決定を先行させるべきものとに分類します。「なぜ今その施策に取り組むのか」を関係者が納得できる形にしていきます。
どの領域で、何を変え、どのような成果を目指すのか。その方向性を端的な言葉として定義します。曖昧な共通認識を「合意した言葉」に落とし込むことで、組織としての推進力が生まれます。
この3ステップを経ることで、組織の動き方が変わります。
キカガクのAXコンサルティングでは、特定業務の改善に着手する前段として、"止まらない推進"の土台を作るコンセプトアップワークショップを提供しています。関係するメンバーが課題感を持ち寄り、「自分たちの言葉でAXの方向性を定める」プロセスを設計します。
このワークショップで得られる成果物は、以下の3点です。
成果物① 業務課題の棚卸し 主要業務と課題を整理し、「組織のどこに詰まりがあるか」を関係者全員が共有できる状態を作ります。
成果物② 課題の切り分け AIが有効な課題と、人や業務設計が先行すべき課題を明確に分類します。「なぜ今それをやるのか」を説明できる形に整えることで、実行への障壁を下げます。
成果物③ 方向性の言語化 目指すべきAXの方向性を、組織として合意できる言葉に落とし込みます。ワークショップが終わった翌日には、「この業務をAI化すべき理由は、こういうことです」と根拠が自分たちの言葉で揃っている状態を目指します。
「生成AIは入れた。でも、どこから業務改善に踏み出せばいいかわからない」
その状態は、珍しくありません。
「ワークショップについて詳しく知りたい」
「自社業務の棚卸しを相談したい」
「何から始めればいいか相談したい」
など、まずはお気軽にご相談ください。
キカガクDX・AIブログでは、DX推進に役立つ情報を発信しています。
