統計・データ分析に強い研修企業 5 選〜必要スキルから選び方まで解説〜

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統計・データ分析に強い研修企業 5 選〜必要スキルから選び方まで解説〜

データ分析や統計スキルを身につけるにはどういった研修カリキュラムを組めばよいのでしょうか。

また、研修で習得したデータ分析等のスキルを実務で活用するにはどういった研修カリキュラムを実施するべきなのでしょうか。

本記事では、データ分析や統計分析に求められるスキルや知識から、そのスキルを効果的に育成するための研修や、おすすめの研修会社をご紹介いたします。

また、キカガクのDX を推進するデータサイエンティスト育成やデータリテラシー向上のため研修ついては下記記事でもご紹介しております。
データサイエンス 研修をお探しの方はこちらの記事もご参考ください。

DX に求められるデータ分析とは

まず、おすすめの研修をご紹介するにあたり、そもそも DX に求められるデータ分析の知識やスキルはどういったものになるのでしょうか。
本記事では、経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)にて設定されたデジタルスキル標準をもとに見ていきたいと思います。

デジタルスキル標準とは

デジタルスキル標準とは、ビジネスパーソン全体に向けた DX の基礎知識やマインドスタンスを学習するための項目や、DX を推進するうえで必要な人材とスキルをまとめた指針です。

デジタルスキル標準は、次の 2 つから構成されています。

構成要素

詳細

DX リテラシー標準

全てのビジネスパーソンが身につけるべき能力・スキルの標準を示した指針

DX 推進スキル標準

DX を推進する人材の役割や習得すべきスキルの標準を示した指針

つまりこのデジタルスキル標準では、全ビジネスパーソンに向けた DX リテラシー標準と、 DX を実際に推進する人材の DX 推進スキル標準で、それぞれの対象者が知っておきたい知識や身につけて置きたいスキル、そしてその育成方法や学習項目の標準が示されています。

なお、デジタルスキル標準についての詳しくしりたい方は、こちらの記事もご参考ください。

デジタルスキル標準を活用した DX 人材育成のポイントを解説!
デジタルスキル標準を活用した DX 人材育成のポイントを解説!

DX リテラシー標準におけるデータ活用のための知識やスキル

ではまず DX リテラシー標準において、DX に関わるビジネスパーソンが学ぶべきデータ活用のテーマ・内容・学習項目例を見ていきましょう。

テーマ

内容

学習項目例

社会におけるデータ

「データ」には数値だけでなく、文字・画像・音声等様々な種類があることや、
それらがどのように蓄積され、 社会で活用されているか知っている

  • データの種類
  • 社会におけるデータ活用

    など

データを読む・説明する

  • データの分析手法や結果の読み取り方を理解している
  • データの分析結果の意味合いを見抜き、
    分析の目的や受け取り手に応じて、適切に説明する方法を 理解している
  • データの分析手法(基礎的な確率・統計の知識)
  • データを読む(比較方法・重複等)
  • データを説明する(可視化・分析結果の言語化)

    など

データを扱う

データ利用には、データ抽出・加工に関する様々な手法や、
データベース等の技術が欠かせないことを理解している

  • データの抽出・加工(クレンジング・集計等)
  • データの出力
  • データベース(データベースの種類、構造等)

    など

データによって判断する

  • 業務事業の構造、分析の目的を理解し、
    データを分析・利用するためのアプローチを知っている
  • 期待していた結果とは異なる分析結果が出たとしても、
    それ自体が重要な知見となることを理解している
  • 分析の結果から、経営や業務に対する改善のアクションを見出し、
    アクションの結果どうなったかモニタリン グする手法を理解している
  • データドリブンな判断プロセス
  • 分析アプローチ設計
  • モニタリングの手法

    など

出典:デジタルスキル標準 ver.1.0

一昔前までデータ分析等のスキルや知識は、専門職の人のみに求められる知識と思われていました。

しかし、全ビジネスパーソンを対象とした DX リテラシー標準において上記のように規定されているように、DX を推進していく上で専門職以外の人もデータ活用の知識が必要不可欠になることがわかります。

よって、DX を推進するデータ活用やデータリテラシーについての知識やスキルを身につけるべき対象は、全社員となります。

DX 推進スキル標準におけるデータ活用のための知識やスキル

では次に、具体的に専門職としてデータ分析等を行う人材のスキルを DX 推進スキル標準に基づき見てきましょう。

DX 推進スキル標準において、下図のように DX 推進する人材のタイプを 5 つ示していますが、その中で データ分析や統計分析が求められる人材タイプ(人材類型)は「データサイエンティスト」になります。

下図:DX 推進スキル標準における 5 つの人材類型

出典:デジタルスキル標準 ver.1.0

データサイエンティストについての項目を抜粋すると下記のようになります。

人材類型

役割

データサイエンティスト

DX の推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、
データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材

出典:デジタルスキル標準 ver.1.0

そのデータサイエンティストに求められるスキルである「データ活用」のうち、データ分析領域における必要知識やスキルは次のようになります。

スキル項目

内容(スキル項目ごとの説明)

知識やスキル例

  • 数理統計
  • 多変量解析
  • データ可視化

統計学的知見に基づく手法を用いて、
データを解析し、その結果を洞察するスキル

  • 基礎数学 (統計数理基礎、線形代数基礎、微分・積分基礎、集合論基礎)
  • 予測(回帰・分類、評価)、推定・検定、グルーピング(グルーピング、異常検知)
  • 性質・関係性の把握(性質・関係性の把握、グラフィカルモデル、因果推論)
  • サンプリング
  • データ加工(データクレンジング、データ加工、特徴量エンジニアリング)
  • 意味合いの抽出・洞察
  • データ可視化(方向性定義、軸出し、データ加工、表現・実装技法、意味抽出)
  • 時系列分析、パターン発見、シミュレーション・データ同化、最適化

出典:デジタルスキル標準 ver.1.0

上記はデータサイエンティストに求められる能力の一部ですが、データ解析から洞察を導きビジネス価値を創出する人材として、まずは上記のような知識とスキルが最低限必要になります。

ただし、データサイエンティストに必要なスキルはこれだけではなく、他のスキルも同様に重要なスキルとして上げられています。

DX 推進スキル標準におけるデータサイエンティストのロールと必要スキル

では他のスキルを見る前に、DX 推進スキル標準におけるデータサイエンティストの役割の詳細を見てきましょう。

データサイエンティストは次のより詳細な 3 つのロールと呼ばれる役割に分類されます。また、それぞれに人材には次のようなスキルが求められます。

なお、上記の数理統計、多変量解析、データ可視化はデータサイエンティスプロフェッショナルの必要スキルとなっております。(下図では割愛しております。)

人材類型

ロール

必要スキル

必要スキルの説明

データサイエンティスト

データビジネスストラテジスト

データ理解/活用

グラフ/図表等を含む統計情報や
各種分析手法を適用したデータ分析結果を正確に理解し、
その意味や背景を深く洞察するスキル

データ/ AI 活用戦略

事業戦略や組織的課題、顧客ニーズ等を踏まえて、
データ/ AI 技術を活用した課題解決方法や
新たなビジネスモデルを提案するスキル

データ/ AI 活用業務の設計/事業実装/評価

データ/ AI 戦略上の目的の実現に向けたアプローチを設計した上で、
データ/ AI 分析の仕組みを現場に実装し、
継続的に改善するスキル

データサイエンティスプロフェッショナル

機械学習/深層学習

機械学習や深層学習、
自然言語処理・画像認識・音声認識などの手法を用いて、
適切なモデルを構築し評価するスキル

データエンジニアリング

データ活用基盤設計

データから成果を生むデータ活用基盤の準備において、
必要なシステム環境や収集データ、
テーブルなどの要件を固めるスキル

データ活用基盤実装/運営

データから成果を生むデータ活用基盤を実装し、円滑かつ効果 的に運用するために必要なデータを扱うスキル

出典:デジタルスキル標準 ver.1.0

つまり、DX を推進するためのデータ活用を最大するには、データ分析系のスキルだけでなく、上記のような戦略や活用企画から、分析・解析・AI 活用、そしてデータ基盤の整備・設計まで行える人材を育成する必要があります。

ただし、会社によっては上記 3 役が明確に分けられているわけではなく、各人材がそれぞれ横断的に上記スキルを獲得していく必要がある場合もあります。

なので、会社の状況や自社課題に合わせて誰にどんなスキルを育成していくかを設計していく必要があります。

データ分析研修の選び方

では、上記のスキルを育成する研修を選ぶためには、どういった研修を選べばよいのでしょうか。

データ分析研修提供会社を選ぶ際に、重要なポイントをお伝えいたします。

幅広いスキルや技術に対応できる

上述のように、データサイエンティストはデータ活用だけでなく、データ戦略等の上流スキルや、データ分析に必要なデータ基盤の整備や運営まで求められます。

つまり、育成したいスキルについて包括的に研修が提供できるか?ということが重要になってきます。それによって、現在必要なスキルから将来的に必要なスキルまで先を見据えて研修計画を立案することが可能となります。

また、すべて一社でできるので、担当会社とのコミュニケーションコストが大幅に減少することが可能となります。

基礎から応用レベルの研修がある

上記の DX リテラシー標準でも話したように、データ活用という観点からデータ分析についての基礎知識は全ビジネスパーソンに求められるものになります。

つまり、データの前提知識が対象者によって大きく異なる可能性が出てきます。

そこで、対象者のレベルに合わせて、初歩レベルから応用レベルまで一気通貫で実施できる研修プロバイダーの方が、効果的かつ効率的に実施可能となります。

研修と実活用の GAP を埋めてくれるか

なんとなく学んでよかったねという研修ではなく、実務での活用を見据えた研修を実施してくれるかが大事になります。

例えば、受講生が現場の課題を持ち寄ってそれを解決する形式で研修を実施したり、実際に現場で扱うデータを用いて研修を実施してくれるのような、研修と実活用を結ぶ研修を実施してくれるかということも大切なポイントとなります。

おすすめの統計・データ分析研修の特徴

1. キカガク

DX を推進するための AI・データサイエンス領域に特に強みをもった教育企業として、700 社以上の企業にAI や DX 研修を提供しています。

高いカスタマイズ性と問題解決型研修に実績があり初学者からわかやすい知識研修から現場での活用・活躍を見据えた人材育成を提供しています。

また、全社員そしてデータを扱う専門職のスキルの可視化や研修効果の測定ができるサービスも実施しています。

2. トレノケート

IT 技術教育業界にて長年の実績と経験のあり、AI のリテラシーからビジネス企画、エンジニア向け研修まで幅広いラインナップで研修を提供しています。

データ分析人材の育成ニーズに合わせて多くの研修ラインナップがありますが、とくにクラウド関連研修に定評があり、2022 年には AWS のパートナーのうち、Global AWS Training Partner of the Yearとして選出されています。

3. ブレインパッド

データの利活用におけるパイオニアとして、多くのデータサイエンティストを抱える企業です。

そのブレインパッドがデータサイエンティスト育成事業として、データ活用セミナーから、パッケージ研修、カスタマイズ研修もご提供しています。

またレベルも基礎からスペシャリストレベルまで幅広い研修を行っています。

4. インソース

インソースは年間受講者 70 万人を超える研修領域で実績のある会社になります。

インソースにおけるデータ分析・統計分析研修では、単なる学問として提供するわけでなく、その使い方やノウハウまで伝えることに重きをおいた研修設計となっています。

また、レベル別だけでなく、部門別でもデータ分析や統計手法の研修を提供しています。

5. 富士通ラーニングメディア

富士通グループの人材・研修を担っている企業であり、様々なジャンルの研修をもっている実績のある研修会社です。

入門から Associate Data Scientist レベル、そして一般社団法人データサイエンティスト協会にて規定されている「ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力」を網羅的に学習できる研修ラインナップがあります。

まとめ

本記事では、データ分析・統計研修の選び方からおすすめ研修提供企業までご紹介しました。

データサイエンティストに求められる役割が多岐にわたるため、必要とされるスキルも多岐にわたります。つまり、自社課題や育成目標に合わせて多くの研修を組み合わせて実施していく必要があります。

本記事がその意思決定の際のご参考になれば幸いです。

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