【人材育成方法も紹介】デジタル人材とは?IT 人材との違いを解説

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【人材育成方法も紹介】デジタル人材とは?IT 人材との違いを解説

昨今、DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉が様々なところで使われるようになり、多くの企業が DX の推進に力を入れてきています。しかし、DX が中々思うように進まないと課題を感じている企業も少なくないのではないでしょうか。そんな中、デジタル人材の育成、採用の需要はますます高まっています。本記事ではそんなデジタル人材についてご紹介していきます。

デジタル人材とは

本章では、デジタル人材の定義から IT 人材との違いについて紹介いたします。

デジタル人材の定義

デジタル人材とは、先端 IT 技術を活かして企業の DX を推進したり、新たな価値を提供できる人材のことをいいます。先端 IT 技術とは主にビックデータ, IoT, AI・人工知能、データサイエンスなどでデータを利活用する際に必要な技術を指すことが多いです。

データ活用はまさに近年求められている DX(デジタル・トランスフォーメーション)を実現するための技術の 1 つであり、それらを推進する DX 人材はデジタル人材とほぼ同じ意味で使われています。また従来の IT 人材と対比し、先端 IT 人材と言われる場合もあります。

IT 人材とは

出典:IT 人材受給に関する調査

反対に従来のシステム請負開発、運用・保守などに従事している人材を従来型 IT 人材といいます。日本の従来型 IT 人材は 2022年約 90 万人いると言われており、そのほとんどが大手の Sler 企業に勤めています。経済産業省が公表した「IT人材受給に関する調査 (2019.3) 」では 2030年までに従来の IT 人材は約 10 万人供給過多になると言われており、逆にデジタル人材(先端 IT 人材、DX人材)は約 55 万人不足すると言われています。

今後も DX の流れは止まることはなく、ますますデジタル人材の必要性が問われてくるでしょう。従来の IT 人材は元々ある IT スキルを活かし、AI・人工知能、データサイエンスなど新たなスキルを身につけるチャンスでもあり、国が企業や個人に対しリスキリングというテーマで様々な支援を行っているため、従来の IT 人材からデジタル人材(先端 IT 人材、DX人材)とキャリアアップする人が増えると予想されます。

デジタル人材と IT 人材の違い

上記のデジタル人材と IT 人材についてまとめると以下のようになります。

デジタル人材

先端 IT 技術を活かして企業の DX を推進したり、新たな価値を提供できる人材

IT 人材

従来のシステム請負開発、運用・保守などに従事している人材を従来型 IT 人材

デジタル人材の現状

出典:DX白書2023 第4部 デジタル時代の人材

デジタル人材の確保は、DX 戦略を推進するうえでの重要な課題であり、企業が最も頭を悩ますうちの 1 つです。「DX 白書 2023」の調査では、DX を推進するための人材の「量・数」について企業に尋ねた結果、過不足がないと答えた企業は 10.9% で逆に不足している(「大幅に不足している」と「やや不足している」を足した割合)と回答した企業は 83.5% にも上ります。

グラフにもあるように米国では 55.1% 以上の企業が人材の過不足はないと回答しており、日米の人材の充足感で大きな開きがあると言えます。

日本企業は、DX 推進のために必要となる人材要件を明らかにし、人材のスキル評価や処遇といったマネジメント制度の整備を行う必要があります。その上で、採用や外部人材の活用、社員の人材育成(リスキリング)といった人材確保のための施策の実施が求められます。

デジタル人材への変革がもたらす価値

デジタル人材への変革は個人、組織、そして社会全体に対して多大な価値を生み出します。これらの価値を理解することで、デジタル人材となるための努力や取り組みがより具体的な目的を持つようになります。

個人としての価値

デジタル人材としてのスキルと知識を習得することは、個々のキャリアにおいて大きな価値をもたらします。理由として、デジタルスキルは広範な業界や職種で必要とされており、これらのスキルを持つことで市場価値が高まりキャリアの選択肢が増えていきます。また、テクノロジーの進化を理解しそれらに対応する能力を持つことで、将来の変化に対応しやすくなります。

組織への価値

組織にとってデジタル人材は、DX の推進力となります。デジタル人材は新たなテクノロジーを理解し、それを活用して新しいビジネスモデルやサービスを作り出す能力を持っています。これにより、組織は競争力を保ちつつ、より良い顧客体験を提供することが可能となります。また、デジタル人材は他のメンバーのデジタルスキルの向上にも貢献し、組織全体の DX を進めることができます。

社会全体への価値

社会全体としてみた場合、デジタル人材の存在は経済の成長を推進します。新しいビジネスの創出や、既存の産業のデジタル化を通じて経済活動を活性化させ、デジタル人材はテクノロジーを使って社会問題を解決する新しいアイデアを生み出すこともあります。ChatGPT 等はこれらにあたり、このような活動は社会の生産性を向上させ、全体としての発展に大きく寄与していきます。

デジタル人材が担う 5 つの人材類型

引用:デジタルスキル標準 ver.1.0

本章では、デジタル人材に求められる人材定義についてご紹介いたします。経済産業省は、DX 人材に必要とされる人材類型 5 つを以下のように定義しております。自社にあった DX 人材はどれにあたるのか参考としてご確認ください。

ビジネスアーキテクト

DX の取組みにおいて、ビジネスや業務の変革を通じて実現したいこと(=目的)を設定したうえで、関係 者をコーディネートし関係者間の協働関係の構築を リードしながら、目的実現に向けたプロセスの一貫した 推進を通じて、目的を実現する人材

データサイエンティスト

DX の推進において、データを活用した 業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材

デザイナー

ビジネスの視点、顧客・ユーザーの視点等を総合的にとらえ、製品・サービスの方針や開発のプロセスを策定し、 それらに沿った製品・サービスのありかたのデザインを担う人材

ソフトウェアエンジニア

DX の推進において、デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するための システムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材

サイバーセキュリティ

業務プロセスを支えるデジタル環境におけるサイバーセキュリティリスクの影響を 抑制する対策を担う人材

上記の人材定義の詳細については、以下のブログでまとめておりますのでぜひご参考ください。

デジタルスキル標準を活用した DX 人材育成のポイントを解説!
デジタルスキル標準を活用した DX 人材育成のポイントを解説!

デジタル人材に求められるスキル

デジタル人材に求められるスキルは、テクノロジー、ビジネス、そして人間性といった 3 つの観点から考えることができます。これらのスキルは相互に補完しあい、組織の DX 化を推進する上で欠かせません。

デジタルスキルの汎用的な知識

DX 人材には、新しいデジタル技術に対する深い理解とその適用能力が求められます。AI、IoT、クラウド、ビッグデータといったテクノロジーは、デジタルトランスフォーメーションの推進力となるため、これらの基本的な仕組みと、それらをビジネスにどのように適用するかを理解することが重要です。

また、デジタルセキュリティやプライバシー保護といったリスク管理についても理解していることが求められます。

ビジネススキルとリーダーシップ

デジタルスキルだけでなく、ビジネスの視点からの理解とリーダーシップも DX 人材には必要とされます。DX 人材は、テクノロジーの導入によるビジネスへの影響を理解し、その戦略的な適用を考える必要があります。これには、市場分析、プロジェクトマネージメント、戦略策定といったビジネススキルが必要となります。

また、組織全体をデジタル化へと導くためには、リーダーシップも重要なスキルとなります。DX 人材は、自らが行動するだけでなく、他のメンバーを巻き込んでデジタルトランスフォーメーションを推進する役割を果たします。

コミュニケーションとチームワーク

DX 人材が持つべき最後のスキルが「人間力」です。これは、コミュニケーション力やチームワーク、問題解決能力といったソフトスキルを指します。DX は組織全体で取り組むべき課題であり、それを推進するためには、異なる背景やスキルを持つ人々と効果的に協働する能力が必要となります。

参考:「デジタルスキル標準」共通スキルリスト

出典:デジタルスキル標準 ver.1.0

こちらは経済産業省が定義した「デジタルスキル標準」の共通スキルリストです。前章で 5 つの人材類型について紹介いたしましたが、その人材類型全てに共通するスキルがあります。必要なスキルが細かく設定されているのと、事例を交えて紹介しているのでぜひご参考ください。

デジタル人材になるためのロードマップ

ここまで DX 時代に求められるデジタル人材とはどんな人材かについて説明してきました。ここから具体的にどのようなステップでデジタル人材の知識やスキルを身につければよいかをキカガクの人材育成ロードマップを用いてご紹介します。

Step 1.人材定義

DX 人材育成を進めていく上で、現状の把握はかかせません。あるべき人物像の定義するために、ミッション・ビジョンに沿った定義を実施する必要があります。

ここでは人材定義・育成のポイントを 3 点を課題と対策を交えてご紹介いたします。

想定される課題

対策

①計画より運用の重要性

  • 全部署のあらゆる可能性を考慮することで発散状態に陥る、またスピード感が失われプロジェクト が収束しない
  • ⼈材定義が複雑となり、運⽤で耐えられない
  • 計画はあくまで計画とし、運⽤段階で常にアップ デートされ続けることを想定
  • シンプルで分かりやすい枠組みを構築し、参画し やすい⼈材育成計画を策定

②実活用から逆算して設計

  • 表⾯的なスキル定義に留まり、資格取得などに注 ⼒してしまう
  • 育成を⾏っても実務で活⽤できない
  • 実活⽤から逆算された⼈材定義、育成ロードマッ プの策定
  • 選抜メンバーに関しては実課題へ取り組みを育成 計画の段階で組み込む (Project Based Learning)

③アセスメント&可視化

  • ⼈材の定量評価、研修効果測定が⾏われず PDCA が回らない
  • ⼈物像・階層ごとで適切にアセスメントできない
  • 全社員アセスメントとは別に各⼈物像、階層を分けてスキル可視化を実施
  • プラットフォームを活⽤し可視化された情報を育 成担当者が常に部署単位で把握

2.リテラシー教育(eラーニング)

DX を推進する上で大切なことは、全社一丸となって進めていくことが非常に重要です。事業部毎に進めていくこともできますが、本質的な解決にはならないため全社員が DX リテラシーを高めていく必要があります。

上記でご紹介しました「 デジタルスキル標準」の構成の一つである「DX リテラシー標準」に準拠した、 DX リテラシーアセスメントを用意しており、DX リテラシー教育を定量評価することができます。学んで終わりではなくしっかりとスキルが身についたかを定量評価をするアセスメントを活用する会社も増えてきております。

※参考:全社員向け DX リテラシーアセスメント

3.実践スキルの習得

リテラシースキルを身につけたら終わりということではなく、身につけた上で実践できるスキルの習得が必要となってきます。ここのスキルに関しては、全社的なものではなく、部署ごとに特化して学ぶ会社がほとんどです。

経済産業省が定義した 「DX 推進スキル標準」の人材類型毎に基礎から応用まで様々応用まで様々な実践スキルがあります。自社にあった実践スキルを学ぶ事が必要です。キカガクでは デジタルスキル標準に沿った形でロードマップを作成しております。ぜひご参考ください。

4.実務への適用・活用

DX リテラシー教育を学び、DX を推進するための実践スキルを学びここで実務に適用・活用していくフェーズに入ってきます。よく聞くのが学んだ後にうまくいかないケースの一つとして、「学びが成果に紐付かず継続しない」事があげられます。

「そもそもどんな課題に取り組めばよいか分からない」であったり、「プロジェクト推進に他部署や上⻑の承認が必要 時間と⼼理的コストがかかる」であったり、「データの取得や環境構築がうまく⾏かず、最初の ⼀歩⽬が踏み出せない」等様々な問題に直面し頓挫してしまうケースも見受けられます。

参考:課題解決型(PBL)研修

ですので、学習を始める段階で現場の課題を洗い出し、しっかりと実課題が解決できる座組を取ることが非常に重要となってきます。

まとめ:デジタル人材としての自己変革の重要性

本記事を通じて、デジタル人材とは何か、その特性や必要なスキルセット、そしてデジタル人材になるためのロードマップについて詳しく解説しました。デジタル人材になることは、個人のキャリア発展、組織の競争力強化、さらには社会全体の経済成長に対して多大な価値をもたらしていきます。

しかし、デジタル人材として自己変革を遂げることは一夜にして達成できるものではありません。それは時間と努力を必要とするプロセスであり、一貫した学習と実践を通じて成長し、スキルを磨くことが求められます。デジタル時代には新しいテクノロジーと概念が常に登場しますから、これらに対する好奇心と学び続ける意欲が重要となるでしょう。

サービス資料の紹介

株式会社キカガクでは、AI / 機械学習 / データサイエンス領域の研修を企業様向けに提供しています。

企業様がどのような課題を抱え、弊社の研修でどのような効果をあげたか等の事例や弊社講座一覧、 e ラーニングについても載せておりますのでぜひご参考ください。

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