教育DXとは?〜教育DXに推進における背景と課題、メリットを導入事例を交えて紹介

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教育DXとは?〜教育DXに推進における背景と課題、メリットを導入事例を交えて紹介

企業が DX の推進を進めている中、教育現場にも文部科学省主導で DX を推進しています。本記事では、教育現場で必要な教育 DX とは何か、また、必要とされる背景・課題、そしてメリットを事例を交えてご紹介いたします。

教育 DX とは

教育現場における DX も、経済産業省が定義している DX と同様です。経済産業省は、DX を以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

引用:デジタルガバナンス・コード 2.0

こちらを教育に置き換えますと、「教育において新しい潮流に対し、最新のデジタルテクノロジーを活用することで、教育の手法や手段、教職員の業務や組織等を変革させること」となります。

教育現場で DX が必要とされる背景

現在、教育プロセスのデジタル化が進んでおります。オンライン学習、リモート学習の普及、学習管理システム(LMS)の導入、AIを活用した個人対応型の学習など、教育の現場でもデジタル化の波が押し寄せています。

DX は教育内容にも影響を与えており、これからの社会で求められるスキルはデジタル化が進んだ社会に適応できる能力、つまりデジタルスキルが重要です。コーディング能力はもちろん、データ分析やAIの基本的な理解、デジタルセキュリティに関する知識などが必要とされています。これらのスキルを身につけるためには、教育の現場で DX について理解し、学び続けることが必要となります。

テクノロジーの進化と社会のデジタル化

私たちの生活や働き方はテクノロジーの発展により大きく変化しています。※海外の専門家の中には「今後10~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」、「2011 年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に彼らが小学生の頃には存在していなかった職業に就くだろう」などと述べる人もいます。

AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどのデジタルテクノロジーにより、社会が大きく変化していく中で現在の教育現場が社会のデジタル化に対応するためには、デジタルスキルの教育が必須となり、それを実現するための DX が求められています。

※引用:文部科学省「政府広報オンライン」

学習方法の多様化

オンライン学習の進化により、自宅や好きな場所で自分のペースで学べる環境が広がっています。また、VR や AR などの最新テクノロジーを活用した実践的な学習や、AI を活用した個別対応型の学習も可能となってきています。これらの新たな学習方法を導入し、学習者のニーズに応じた教育を提供するためにも、教育現場での DX が必要とされています。

文部科学省による教育のデジタル化の推進

現在、文部科学省主導で教育 DX を積極的に進めています。大きく 4 の施策を軸に DX を推進しており、特に その内の 1 つである「GIGA スクール構想」では、デジタルデバイスとインターネット環境を全ての児童生徒に確保し、ICT を活用した新しい学びのスタイルを実現することを目指しています。

具体的には、一人一台の端末(通常はパソコンやタブレット)を全ての児童・生徒に提供し、学校でも家でも学び続けられる環境を作り出すことを目指しています。こちらは、2021 年度には、小中学校で 1 人 1 台の学習用端末の配備がほぼ完了しており、高校では2024 年度内の完全導入を目指して整備を進めています。

以下に文部科学省によるデジタル推進プラン 4 点のご紹介です。どのような目的で DX 推進をしていくのかがまとまっておりますので、ご参考ください。

GIGA スクール構想による一人一台端末の活用をはじめとした学校教育の充実

GIGA スクール構想による義務教育段階の一人一台端末環境が今年度末までに実現することを踏まえて、ハード・ ソフト・人材が一体となった取組を教育再生実行会議等の議論も踏まえつつ、一層加速することにより、子供た ち一人一人の多様な実情を踏まえ誰一人取り残すことのない学びの実現に向けた取組を推進。

大学におけるデジタル活用の推進

高等教育へのデジタル技術の大胆な取り入れにより、ポスト・コロナ時代の教育手法の具体化・普及を図 る。地理的条件を問わず、国際的な教育機会を享受できる機会を拡大するとともに、海外の学生・教員と のネットワークの継続的な確保を可能にし、国際競争力のあるハイブリッド教育環境を実現する。 また、デジタル化の担い手となる人材を育成するための取組や、大学入学者選抜におけるデジタル活用等 に向けた検討等を進める。

生涯学習・社会教育におけるデジタル化の推進

生涯を通じて誰もがいつでもどこでも学ぶことができるよう、インターネット等を活用して、生涯学習・ 社会教育の学びの機会などのデジタル化を推進する。

教育データの利活用による、個人の学び、教師の指導・支援の充実、EBPM 等の推進

学習者・教師・学校・行政機関等が、それぞれの立場から教育データを効果的に利活用することにより、 個人の活用による学習等のサポート、教師による個に応じた指導や支援、新たな知見の創出、政策への反 映等を目指す。

出典:文部科学省におけるデジタル化推進プラン

教育 DX を推進する際の 5 つの課題

デジタルデバイスとインフラの整備

すべての学習者がデジタル教育を受けるためには、一人一台のデジタルデバイスと、それをサポートするネットワークインフラが必要です。しかしこれらの整備はコストと時間を要し、経済的な制約がある地域や学校では難しい場合があります。

教員のデジタルリテラシー

教員自身がデジタル技術を適切に理解し、活用できるようになるまでの教育やトレーニングが必要です。これには時間と労力が必要であり、一部の教員には抵抗感を感じることもあります。

教育コンテンツの開発

デジタル教育に適した教育コンテンツを開発、選定する必要があります。これは専門的な知識とスキルを要し、高品質なコンテンツを持続的に提供するのは容易ではありません。

デジタル格差の問題

デジタルデバイスやインターネットにアクセスできない学習者がいると、その学習者はデジタル教育から取り残される可能性があります。これは新たな教育格差を生む恐れがあり、解消するための取り組みが必要です。

プライバシーとセキュリティ

デジタル教育は学習者の行動データを大量に生成します。これらのデータの管理と保護、プライバシーの確保についての考慮と対策が求められます。

これらの課題を克服するためには、教育機関、政府、民間企業などが連携し、それぞれの役割を果たすことが重要です。また、デジタル技術が教育の質を向上させ、学習者のニーズに応えるための手段であることを理解し、技術導入の目的と戦略を明確にすることも必要です。

教育 DX を推進する上での対策方法

デジタルインフラの整備

教育 DX を進めるためには、デジタルデバイスとインターネットのアクセスを全ての学習者に確保する必要があります。公共機関や民間企業と連携し、コスト効率の良いデバイスの提供や、信頼性の高いインターネット接続環境を整備することが重要です。

こちらに関しては、前章でもお伝えした通り、2024 年度までに高校生までにデバイスの配布を完了予定で国レベルでも随時導入が進んでおります。

教員への研修

教員がデジタル教育を効果的に進めるためには、ICT ツールの使い方だけでなく、デジタル時代の教育法についても整理する必要があります。教員向けの研修やワークショップを定期的に行い、デジタルリテラシーを高める対策が必要です。

教育コンテンツの開発・導入

デジタル教育に適した教育コンテンツを開発するか、または既存の優良な教育コンテンツを導入することが重要です。外部の専門機関や民間企業との連携も有効です。このあたりは、教員のデジタルリテラシーの差で導入する教育コンテンツのクオリティに差がでてくるため、デジタル教育が進んでいる学校に話を聞く等対応が必要です。

デジタル格差の解消

全ての学習者がデジタル教育を受けられるよう、デバイスやインターネットアクセスの提供、教育支援を行います。特に経済的に困難な状況にある学習者へのサポートが必要です。現在、家庭環境によって等しい学習環境を提供できていない事例が一定数でており、早急に対応が必要な項目です。

データプライバシーとセキュリティ対策

学習者のデータを適切に管理し、プライバシーを保護するための方針とシステムを設けることが重要です。教育機関は、データの取扱いについての法律や規制を理解し、それに基づいた対策を講じる必要があります。

これらの対策は、教育機関だけでなく、政府や地方自治体、IT 企業など、社会全体で協力し合うことでより効果的に進めることができます。教育 DX は単なる技術導入ではなく、教育の質と公平性を向上するための取り組みであることを認識し、その目的と戦略を明確にすることが重要です。

教育 DX を推進するメリット 5 選

アクセス性の向上

デジタル技術の活用により、場所や時間に縛られることなく、いつでもどこでも学ぶことが可能になります。これにより、地域的な隔たりや時間制約を克服し、教育機会の公平性が向上します。

個別対応型の教育が可能

AI やビッグデータを利用することで、各学習者の進度や理解度に合わせた個別対応型の学習が可能になります。これにより、学習者一人一人が自分のペースで効果的に学べるようになります。

学習結果の可視化

デジタルツールを活用することで、学習者の学習進度や成果をリアルタイムで把握し、その結果に基づいたフィードバックが可能になります。これにより、学習者自身の学習理解度の向上や、教師の指導改善に繋がります。

教育コンテンツを豊富に用意

インターネットを活用することで、多様な教育コンテンツにアクセスできます。また、デジタル技術を使った教育コンテンツ(例えば、VR や AR を使った実体験型の学習)を導入することで、より魅力的な学習体験が提供できます。

デジタルスキルの習得

教育 DX を通じて、学習者はデジタルテクノロジーを使う機会が増えます。これにより、今後の多様な社会に必要なデジタルスキルを自然と習得できます。

教育 DX の事例

キカガクにて、長岡工業高等専門学校様(以下「長岡高専様」)に研修を実施いたしましたので、そちらの事例をご紹介いたします。今後必要不可欠になる AI に関する人材を長岡から多く輩出すべく、その育成を担う研究職員・教職員の AI リテラシー強化のために実施した研修についてお話を伺いました。

長岡工業高等専門学校

課題や目的

レベルの高い技術者を輩出するため、本校では教員全体のスキルアップも必要になると考え研修の導入を検討

成果

学校全体として AI 教育・スキルアップへの関心が高まった

「教育 DX を推進する際の課題」にもありました、「教員のデジタルリテラシー」をあげるべく弊社の研修を導入いただきました。特に長岡高専様は、平成 30 年より AI 研修会をスタートさせ、令和 3 年度には文部科学省の「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)プラス」に高専では全国で唯一認定されています。

詳細を別途ブログに掲載しておりますのでぜひご参考ください。

【事例:教育機関】長岡工業高等専門学校:AI = 難しいを払拭したい
【事例:教育機関】長岡工業高等専門学校:AI = 難しいを払拭したい

まとめ

本記事では、教育現場で必要な教育 DX とは何か、また、必要とされる背景・課題、そしてメリットを事例を交えてご紹介いたしました。社会の激しい変化の中で、企業はもちろん教育現場も柔軟に対応していく必要があります。ぜひ教育 DX に取り組んでいただき、不安定な社会の中でも未来の選択肢が増やせるよう、ご尽力いただければと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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