本記事では AI-900 資格受験を考えている皆さんのために、試験の概要と資格取得のメリット、資格取得に向けて筆者(Microsoft 認定トレーナー)が使用した学習資料についてお伝えします。
※筆者は 2020 年の 3 月に AI-900 の資格を取得いたしました。
AI-900 とは?
AI-900 とは Microsoft の認定資格の1つです。国家資格ではありませんが、 Microsoft の資格ということもあり世界中で資格保持者は評価されます。
Microsoft の認定資格は取得難易度によってレベル分けがされており、下記のように定義されております。
難易度 | Azure の取り扱い | レベル感 |
---|---|---|
初級 | Fundamentals | クラウド初学者、これから学びたい人向け、どのような Services があるのかわかる |
中級 | Associate | Azure もしくはその他クラウド経験者が合格できる、設計ができる |
上級 | Expert | クラウドのエキスパート、設計から実装まで行える |
AI-900 はこの中のクラウドの分野の初級: Fundamentals レベル(クラウド・AI 初学者が合格可能)の資格です。
イメージとしては、Azure と AI サービスの全体像がわかるレベルになります。
AI-900 の試験概要
AI-900 の資格試験における主な内容は、下記事で公開されております。
英語での記述なので、大まかな試験範囲に関しては下記をご確認ください。
- AI ワークロードと考慮事項について説明する
- Azure での機械学習の基本原則について説明する
- Azure のコンピューター ビジョン ワークロードの機能について説明する
- Azure の Natural Language Processing (NLP) ワークロードの機能について説明する
- Azure での会話型 AI ワークロードの機能について説明する
試験は 5 つのセクションから構成されており、主に AI の基礎知識や Azure Cognitive Services の使い分けについて出題されます。(詳細に関しては、後ほどご紹介)
また試験の基本情報は下記です。
基本情報 | 詳細 |
---|---|
受験料 | 13,200 円(税込) |
試験時間 | 60 分 |
対応言語 | 英語、日本語、韓国語、中国語 |
形式 | 選択式 |
実施形態 | ・テストセンター(外部の試験会場) ・自宅受験 |
AI-900 に受験するメリット
AI-900 を受験すると、以下のようなスキルが身につきます。
- Azure AI サービスを理解し、それぞれの特徴を理解している
- AI・機械学習の基礎知識を理解できている
- AI のビジネス活用方法がわかる
機械学習の基礎知識はもちろん、クラウドを用いた AI 実装の全体像も掴めます。
AI 人材の不足が言われている今の世の中、AI とクラウドの両方に精通する知識を持った人材は非常に貴重です。
続いて、具体的な試験範囲についてみていきましょう。
AI-900 の試験範囲
試験は全部で約 55 問、出題されます。今から下記 5 セクションについて、それぞれ詳しく解説していきます。
- AI ワークロードと考慮事項
- Azure での機械学習の基本原則
- Azure のコンピューター ビジョン ワークロードの機能
- Azure の Natural Language Processing (NLP) ワークロードの機能
- Azure での会話型 AI ワークロードの機能
AI ワークロードと考慮事項
まず AI を開発、発展させていく上での考慮事項に関する問題が Microsoft の AI の原則より出題されます。セキュリティや責任についてなど実務でも必ず考慮しなければいけない所ですのでしっかりと押さえましょう。
ワークロードに関しては AI(機械学習モデル)構築の流れについて問われます。下記記事を用いて AI のワークロードについての理解を深めましょう。
参考
【図解】ノーコードで機械学習モデルを構築できるサービスがあるらしい!初学者向けに解説Quiita
Azure での機械学習の基本原則
回帰や分類といったそれぞれの概念について明確にしましょう。
また作成した機械学習モデルを評価するために使用する評価指標に関する問題も出題されます。
Azure には Azure Machine Learning Studio と Azure Cognitive Services という大きく別けて 2 つの AI サービスがありそれぞれの違い、用途についても押さえられると高得点が狙えます。
Azure のコンピュータービジョンワークロードの機能
こちらではコンピュータービジョンと Azure 視覚サービスについて問われます。コンピュータービジョンとは、機械学習における画像分野の研究の領域の 1 つです。
画像分類、物体検出、セマンティックセグメンテーションなどがあたります。
Azure にはコンピュータービジョンの領域をノーコードで実装できるサービスが有りそちらについて問われます。
問われるサービスは下記です。
Azure の Natural Language Processing (NLP) ワークロードの機能
こちらでは NLP と Azure 言語、音声サービスについて問われます。
NLP(自然言語処理)は我々が普段話したり書くような言葉を用いた AI の分野です。
視覚サービス同様、テキストから音声への返還やテキスト解析などを行うサービスに関する問題が出題されます。
Azure での対話型 AI ワークロードの機能
ボット、チャットボットといった人間と対話を行う AI に関する問題や下記のような Azure サービスについての問題が出題されます。
AI-900 対策で使用した学習資料
ここまで AI-900 の試験の簡単な概要についてお伝えいたしました。次は AI-900 の試験に合格するまで、私が使用した学習資料をご紹介します。
- MS Learn
- Microsoft 公式のウェビナー
それぞれ詳しく解説していきます!
資格取得までにかかった時間は 2 時間(筆者は既に上位資格の AI-100 を取得していたため)かかりました。
既に機械学習を勉強されたことのある方なら 2~5 日、初学者の方でも 1,2 週間ほどで取得できるでしょう。前提知識は以下の通りです。
- 機械学習の概要がわかる
- Azure サービスを使用したことがある
MS Learn
MS Learn は Microsoft が公開している無料のカリキュラムで、試験範囲全体を無料で学習できます。
一部、日本語化されてないところや用語の説明が不足している部分がありますので、事前知識のある方にお勧めです。
理論からしっかり方は、脱ブラックボックス講座(無料)がオススメ!
機械学習に関する事前知識のない方で微分などの数学から学びたいからは、『脱ブラックボックス講座の完全版』から勉強を始めることをお勧めします。
こちらは弊社キカガクが公開をしている AI・ 機械学習の基礎を無料で学べる講座です。
好評である手書きの数学とハンズオン形式のプログラミングを通じて、初学者でも数学の理論から実装まで一から学習できます。
また、動画で丁寧に解説しているため、迷うことなく最後まで継続して学習しやすいです。
無料ですので、ぜひ AI・ 機械学習の教材の 1 つとして、ご利用ください!
Microsoft 公式のウェビナー
また Microsoft では不定期で AI-900 の試験範囲の解説を行ってくださる無料ウェビナーを開催しております。こちらは理論や数学など深堀りは行わず全体像をご紹介してくれるセミナーです。ぜひ調べてみてください。
最後に:AI-900 の資格を取得して
AI-900 を取得することによって、AI とは何か、どのような使われ方をしているのかといった全体像を掴むことができます。
出典:Ayumu Koike – Badges – Credly
私で言えば自身のキャリアアップにもつながり、現在は AI-900 を含む多くの Microsoft 資格講座に MCT(Microsoft 認定講師)として登壇をしております。
企業様によっては AI-900 などといった Azure クラウド関係の資格取得支援を行っている企業様も多くあるようで資格を取得後、キャリアアップや祝い金を頂いたというお声も頂いております。
AI は今後のビジネスは意思決定を行う上でも必要不可欠なツールと言われております。ぜひ、この機会に資格の取得を考えてみてはいかがでしょうか。
出典:New Microsoft Azure Certifications Path in 2021 [Updated] – Whizlabs Blog
お知らせ:AI-900 無料資格対策講座もオススメ!
AI とクラウドについてより短時間で効率的に学びたいと考えている方は弊社のプラットフォームに無料登録で無料で受講できる AI-900 資格対策講座を是非ご視聴ください。
こちらはMicrosoftの認定講師(MCT)がAI-900 の試験範囲を 1 から解説致しますので体系的に短時間で学ぶことができます。
また上位資格のDP-100 はこちらのブログの記事をご確認ください。
DP-100 は Azure Machine Learning を用いた機械学習モデルの構築、運用に特化した資格です。
最後までご愛読ありがとうございました!