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こんにちは!株式会社キカガクの木下です。
普段は機械学習・ディープラーニングの講師をしています。
日本最大級の人工知能に関するイベント、人工知能学会全国大会(第 35 回)が 2021 年の 6/8 – 6/11 に行われました。
参考 | 2021 年度 人工知能学会全国大会(第 35 回)
確認する素晴らしい研究発表の中で、特に今後注目すべき研究・オリジナリティ溢れる研究をピックアップしました。
皆さんがワクワクするような事例があれば幸いです!
MEMO
全ての発表はこちらから確認できます。
目次
現在注目を集めているAI活用分野の一つが対話システムです。チャットボットや雑談AIなど、様々な研究が行われており、その中でも特に注目すべき研究を紹介します。
本研究では、未来の対話展開を考慮し、その展開を実現するように対話を進めるシステムを開発しています。これは対話相手の交渉や説得、自然な話題転換につながる重要な技術になります。
下図の画像の例では「お寿司なら何が好きですか?」という問いかけに対して、 AI は「いいですね」を含む発言を引き出すためにもっとも良い返答を選択しています。その結果、実際に人間の発話に「いいですね」が含まれていました!

出典:対話システムの先読み能力実現に向けた未来の展開まで生成する学習戦略の提案と分析

木下
相手の返答を予測して発言することは、自分も自信がないくらい、非常に高度な対話戦略な気がします。

和泉
これが実現すれば、コミュニケーションが得意でない人の商談や交渉を AI に補助してもらうことができるかもしれませんね!
従来の対話モデルでは、話し相手の気分などは考慮せず返答をしていました。しかし私たち人間の会話は、話し相手のトーンや表情によって発話が変化します。
これを踏まえ、同じ発話に対しても話し手の感情に応じて異なる返答をする対話システムが提案されました!

出典:ノンバーバルな話者感情表出を考慮した統計的対話システム
このシステムは、音声認識技術によって話し手の感情を推定し「おはよう」という全く同じあいさつに対して、話し手が元気なときは「何かいい事があったのですか」と問いかけ、話し手に元気がないときは「どうしたの?」と心配をしてくれるような、自然な会話が可能です。
また、次の表にはこれまでの対話システムの返答と提案モデルの返答の比較がなされています。実際に「やばい」という発話に対して、話し手の感情に応じた、ノンバーバルな要素を含む会話が実現できています!

出典:ノンバーバルな話者感情表出を考慮した統計的対話システム

木下
自分の感情に寄り添った返答をしてくれる AI は究極の話し相手となる気がします。

和泉
これが実現すれば、創作作品でよくみかける、一人一人に適応した AI パートナーの実現も近いかもしれませんね!
みなさんは自分が相づちをうつタイミングを把握していますか?
相づちは「続けてというシグナル」の役割もあり、円滑なコミュニケーションにとって重要な役割を果たしているそうです。
そこで、対話履歴と言語・音響的な情報から適切な相づちをうつタイミングを予測するモデルが提案されています。
このモデルは、それまでのモデルよりも適切なタイミングで相づちをうてるだけでなく、実際に自然な会話だと評価されることが明らかとなりました。

木下
相づちのタイミングが会話に重要というのは盲点でした。

和泉
日本人は相づちが多すぎる傾向があると言われたりしますよね。逆に、この対話システムから人間も適切な相づちを学ぶことができそうです!
紆余曲折ありましたが、東京オリンピックの開催が近づいてきました。ここでは、スポーツをキーワードに含む研究を紹介していきます。
フィギュアスケートをみていて、すごく上手なのに点数が低く疑問に思ったことはありませんか? フィギュアスケートの採点は審判員が、様々な技(エレメント)を目視で瞬時に判別し、評価を行う非常に大変なものだそうです。
そこで、動画からエレメントを自動的に判別することで、採点の補助が可能なシステムが提案されました。
実際の冬季オリンピックや世界選手権大会の動画から約 1000 ものデータセットを作成し、以下のモデルで分類を行っています。

出典:深層学習を用いたフィギュアスケートにおけるステップシークエンスのエレメント認識
その結果「ツイヅル」や「ループ」を比較的高精度に予測できることが明らかになりました。

木下
今までずっと、解説の話をぽかーんと聞いていましたが、こんなに細かい評価が行われていたんですね。

和泉
むしろこの技術は、テレビの視聴者にリアルタイムにエレメントを表示するのにいいかも!
参考 | ループやツイズルの解説動画
確認するテニスは他のラケット競技である卓球やバドミントンと比較してもサーブの球速が速くコートも広いため、初心者にとってサーブを返すことが難しいスポーツです。
もし、相手の動きから、サーブがくる位置がある程度予測できれば、プレイヤーの大きな助けになるのは間違いありません。
そこで、サーブの打ち手の骨格位置を二段階で検出することでサーブの落下地点を予測するモデルが提案されました。
骨格を二段階で検出する効果はみられなかったものの、サーブのコースによっては 1 メートル以内の誤差で落下地点を予測することができています!

木下
テニス部出身の自分には大注目の研究分野です!

和泉
近い将来、スマートグラスをかけることで相手の打ってくるコースを予測しながら、プレイすることが可能になりそうです。

木下
リアルタイムでサーブ位置がわかるなんて、テニスゲームみたいでワクワクします!
近年、バスケットボールでは各ポジションの役割が曖昧になってきており、同じポジションでもプレイスタイルが異なる選手が存在しているそうです。そのため、多様なラインナップを組むことが可能な一方で、そこから最適なラインナップを予測することは困難です。
そこで、本研究では、最適なラインナップの構成を補助するため、多様なバスケットボールプレイヤーをプレイスタイルに基づいてネットワークで表現しています。

出典:Mapperネットワークに基づくバスケットボールプレイヤーの分類
筆者らは、ビッグデータ解析の最先端の手法であるトポロジカルデータ解析 (TDA) の視覚化手法を用いて、1 分間あたりの得点、ブロック数やシュートの成功率などの指標から NBA プレイヤーネットワークを作成しました。

出典:Mapperネットワークに基づくバスケットボールプレイヤーの分類

木下
マネーボールに代表されるようにスポーツ分野でのデータサイエンスが当たり前になってきています。

和泉
この研究は様々なチームスポーツに応用できる技術だと感じました! チーム関係者必見です!

木下
このネットワークをどう活用するかは各チームの腕が試されそうですね。
その他にも、人工知能学会では多くの研究が発表されました。その中でも特に目に止まった、オリジナリティ溢れる研究を紹介します。
人狼ゲームを遊んだことのある方は多いのではないでしょうか。実は、AI に人狼を行わせる人狼知能プロジェクトというものが存在します。人狼知能プロジェクトでは、実際に AI 同士に 100 ゲーム単位で人狼ゲームを行わせ、その勝敗数を競っています。
参考 | 人狼知能プロジェクト
確認する実際の人狼ゲームを行うときには、ゲーム内の発話だけでなく、その人のそれまでの傾向やメタ的な情報を用いて役職を推定することがよくあります。
そこで、AI にもメタ情報であるそれまでの発話パターンを用いて他のAIの役職を推定する手法が提案されました。その結果、下表のようにメタ情報を用いることで、各役職の推定精度が大きく向上していることがわかります。


出典:人狼知能の役職推定における発話パターンを用いたメタ推理の効果

木下
人狼知能というネーミングから魅力を感じます。

和泉
そのインパクトだけでなく、人を騙したり、嘘を見破ったりする AI の開発にもつながり、応用先は幅広いのではないでしょうか。

木下
嘘がすぐバレるようになるかと思うと恐ろしいです…
料理の「コク」とはなんでしょうか?すごく曖昧でどんな味か表現が難しい概念だと思います。
大量のレシピデータから「コク」や「サッパリ」を感じる際の特徴の解明を目指した研究が行われています!
具体的には楽天レシピの大量のレシピデータから、テキストマイニング手法を用いて以下のような「コク」や「サッパリ」と関連する語を抽出することに成功しています。

出典:テキストマイニングおよび統計分析によるレシピ口コミにおける味覚表現の意図解明に関する一考察
「コク」であれば「オイスターソース」や「チーズ」、「サッパリ」であれば「ポン酢」や「レモン」など直感とも一致していそうです。
また、「コク」に関する成分は「脂質」と「脂肪酸」であることが示唆されています。

木下
この技術がもっと進歩すると、曖昧な概念である味覚がより具体的に表現できるようになりそうです!

和泉
自分が本当に好きな味がわかり、それに適応した料理を提供してくれるレストランも夢ではないかも!?
就職面接や社内の会議など、グループディスカッションの機会は多いと思います。 巷では、グループディスカッションに関する書籍などが多く存在しますが、説得力を定量的に評価することは可能なのでしょうか。そんな挑戦的なテーマに挑戦しているのが本研究です。
ここでは、各話者の説得力・信頼できるか・自信があるか・専門性・はつらつさを 7 段階で評価した 1595 件をデータセットとして作成しています。
以下の特徴量を用いた、深層学習によるモデルが開発されました。
結果として、音声情報と言語情報を用いることで高精度に説得力の予測をすることが可能であることが明らかとなりました。

木下
グループディスカッションには多くの就活生が苦戦しているのではないでしょうか。僕も苦手意識がありました…

和泉
この技術は、説得力のある話し方、ディスカッションの仕方のトレーニングにとても有効だと思います!

木下
それにしてもデータセット作成の苦労が感じられる研究ですね。
コロナウイルスの大流行から 1 年以上が経過し、多くの研究が発表される段階に達しています。今回の人工知能学会では「コロナ」をキーワードに含む研究が 23 件発表されました。
世界的な流行が続く中、日本ではどのような研究が行われているのか見ていきましょう。
コロナの流行当初はマスクの高額転売が繰り返されていたのは記憶に新しいのではないでしょうか。本研究では、Twitter データからそのような転売現象を対象として情報を取得し、消費者心理・行動を定量化しています。
まずは、転売を含むツイートに含まれる感情が以下のように変化したことが明らかとなりました。継続する転売に対する厭な感情や、転売が落ち着いたことに対する安の感情が読み取れます。

出典:テキストマイニングによるコロナ禍の消費者心理・行動の定量化
さらに、転売に関する語句のネットワークの変化を次図のように作成しています。 ここから、初期のマスクから徐々に他の紙製品も転売されてきたことや、デマが増えていたことが明らかになりました。

出典:テキストマイニングによるコロナ禍の消費者心理・行動の定量化

木下
改めてコロナに関する我々の感情や行動の遷移を確認することができました。

和泉
今後はこれらのデータを用いた施策や転売防止への応用が待たれますね!
現在の経済抑制は経済的に大きな損失を生じています。そこで、経済活動と感染拡大抑制を同時に行うため、対象を限定とした介入が重要視されています。
そこで、携帯電話の位置情報と新規陽性者の相関を利用し、感染のリスクが高い地域を効率的にスクリーニングする手法が提案されました。
左図は 12 時、右図は 21 時の渋谷区における感染リスク地区を示しています。赤い地区ほど感染の実効再生産数との相関が大きく、リスクが高いと解釈でき、重点的に介入する必要があることがわかります。

出典:携帯電話人口統計データと新規陽性者数の相関に着目したCOVID-19の感染リスク地区の抽出

木下
今後は AI を用いたより効果的な施策が行われるようになりそうです。

和泉
データに基づいた感染対策、これは現代だからこそできることですね!
いかがだったでしょうか?
本記事では、人工知能学会でみかけた興味深い研究を紹介しました。他にも多くの素晴らしい研究があったのですが、紙面の都合で紹介しきれなかったのでぜひみなさんも調べてみてください!
本記事のような技術を使ったらどう生活が変わるだろう?というワクワクを感じます。AI・機械学習を用いたサービスやアプリが気になる方は、以下の記事をチェックしてみてください!
最後まで見て頂きありがとうございました!
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