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G検定とは?合格率から受験のメリット、学習方法まで網羅的に解説!
G検定とは
G検定とは
G検定は日本ディープラーニング協会(以下、JDLA)が提供する資格試験になります。
その JDLA の公式サイトによると、G検定は次のような試験になります。
ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。
引用:日本ディープラーニング協会(https://www.jdla.org/certificate/general/)
主催団体
JDLA は、ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指している一般社団法人になります。ディープラーニングに関わる専門家が中心となって活動しており、理事長は東京大学大学院工学系研究科教授の松尾豊氏が務めています。
機械学習について
G検定で問われる「ディープラーニング」とは日本語で深層学習のことで、人工知能、AI の技術を構成する機械学習の手法の一つです 機械学習は何か数値をいれたときに、機械自体が予測結果を返すとものをさします。また機械学習には大きく「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」という 3 つのトピックがあります。 それぞれの詳細の説明は割愛しますが、AI・機械学習・ディープラーニングの全体像をまとめると下記のような関係になります。
出題される問題の範囲
JDLA の公式サイトによると、現在の G検定の出題範囲は次のようになっています。
様々な専門用語が出てきていますが、まとめると次のような形になっています。
- 人工知能 AI の定義 人工知能の定義からこれまでの歴史的背景、また技術に関わった人物名など、基礎的な問題が出題されます。
- 機械学習の具体的手法 主な機械学習の手法と、様々なデータの扱い、発展的な活用方法。 機械学習の具体的なアルゴリズムや仕組みなど、技術に関する問題を解く必要があります。この項目は難易度が高く出題数も多いので注意が必要です。
- ディープラーニングの概要 ニューラルネットワークやディープラーニングのベースとなる知見が問われます。
- ディープラーニングの手法 活性化関数、最適化手法、Convolutional Neural Network、Recurrent Neural Network、深層強化学習、深層生成モデルなど、ディープラーニングのが具体的な手法について問われます。
- ディープラーニングの社会実装に向けて
- ディープラーニングにおける法律や事例、最新の動向などディープラーニングと社会との関係が問われます。
以上のように、AI の歴史から技術、社会面から幅広く AI に対する理解と知識が求められる試験となっております。
G検定学習のメリット
AI 人材の一歩目となる
たしかに、G検定はジェネラリスト向けの資格試験であるため、取得したからといって AI をプログラムで実装できるようにはなりません。しかし、AI を企業に導入するためには、AI を構築できるエンジニアだけいればよいのではありません。また、AI に誇大な期待をもって導入を推し進めてしまうと、失敗してしまう確率が上がります。
一方で、G検定を通して、AI の全体像、どういった背景を経て作られ、何が得意で何が不得意か、実際の活用事例や関連法律等を学んだ人材がいれば、エンジニアと協力して、社内の各所と協力・調整を行える AI 人材となることができます。
AI リテラシーの向上になる
AI や機械学習を理解するには、数学の知識やプログラミングの能力が必要です。すぐにプログラミング学習や数学の学習を始めることは大きなコストが求められるでしょう。また、目の前の仕事が忙しい中で、新しいことに挑戦する時間もなかなか確保できない方もいらっしゃると思います。そのような条件に当てはまる人たちにまず最初の一歩として G検定は最適なのではないでしょうか。AI について学んでおきたいがモチベーションがあがらないという方は、まず G 検定に申し込んでから学習をはじめてみるというのものありかもしれません 。形にのこる成果として G検定を取得することは、その後の学習をすすめる大きなモチベーションにつながります。
G検定の概要
受験者数と合格者数
G検定の受験者数、合格者数、そして合格率の推移になります。
2023 年の 9 月までの受験者数と合格者数になります。2023年第4回実績だと、受験者数は3,309名。そのうち合格者数は2,390名、合格率は72.23%という結果になりました。これにより、G検定の累計受験者数は106,975名、累計合格者数は70,267名になりました。
G検定の試験日
G検定は年に6回実施しています。2024 年は次のようなスケジュールにて実施されています。また、オンライン実施ですが、いつでもよいというわけでなく、試験日にて受験する形式になります。
項目 | 内容 |
年当たりの開催回数 | 年 6 回 2024 年における開催日程 第 1 回:2024年1月13日(土) 第 2 回:2024年3月8日(金) 2024年3月9日(土) 第 3 回:2024年5月11日(土) 第 4 回:2024年7月5日(金) 2024年7月6日(土) 第 5 回:2024年9月7日(土) 第 6 回:2024年11月8日(金) 2024年11月9日(土) |
引用:日本ディープラーニング協会(https://www.jdla.org/certificate/general/)
申し込み期間について
申し込み期間ですが直近ですと、次のようなスケジュールになっています。申し込み期間は長いですが、忘れずにお申し込みいただければと思います。
試験日 | 申し込み期間 |
2024年1月13日(土) 13:00〜15:00 | 2023年11月17日(金)13:00 ~ 2024年1月5日(金)23:59まで |
2024年3月8日(金) 16:00〜18:00 2024年3月9日(土) 13:00〜15:00 | 2024年1月19日(金)13:00~2024年2月29日(木) 23:59まで |
2024年5月11日(土) 13:00〜15:00 | 2024年3月22日(金) 13:00 ~ 2024年4月26日(金) 23:59まで |
2024年7月5日(金) 16:00〜18:00 2024年7月6日(土) 13:00〜15:00 | 2024年5月17日(金) 13:00 ~ 2024年6月27日(木) 23:59まで |
2024年9月7日(土) 13:00〜15:00 | 2024年7月19日(金) 13:00 ~2024年8月30日(金) 23:59まで |
2024年11月8日(金) 16:00〜18:00 2024年11月9日(土) 13:00〜15:00 | 2024年9月13日(金) 13:00 ~2024年10月31日(木) 23:59まで |
G検定に合格するための学習方法は?
AI について全体像を知る
G 検定の合格率をみて、難易度が高い資格ではないということがわかりました。ただし、何も勉強せずに合格できる試験ではなく、試験範囲が広いこともあり地道に勉強していく必要がありそうです。
ただ、働きながらの学習となるとなかなか時間が取れない方もいらっしゃるとおもいます。そういった方は、例えば下記のような G 検定には直接つながらないものの、 AI について全体像を学びつつ、読み物としても面白く読める下記書籍から着手いただくのはいかがでしょうか。
AI の歴史から活用まで漫画で学べる入門書になります。G 検定を実施している JDLA の理事長に就任している松尾豊氏が監修されている書籍です。
内容は AI の変遷からAI についての誤解などが体系的にまとまっており、G 検定の試験勉強を始めるにあたって最初に読むものとして最適です。
28 万部を超え、2019 年にはビジネス書大賞を受賞した大ベストセラーです。 AI の得意なことから限界まで学習でき、それをうけて今後の人間はどう教育をすすめていくかまで語られている一冊。
具体的試験対策 試験対策用テキストと問題集で知識をつける
上記書籍で流れや重要そうなワードを大まかに把握したあとは、試験に直接関係がある学習にはいります。モチベーションが高い方はこちらから入っていただいてもいいとおもいます。
G検定は 120 分という限られた時間の中、200問ほどを解く必要があり、時間との戦いになってきます。なので重要なのは、歴史・技術・法律のところで、重要なキーワードや数字を理解・記憶しておく必要があります。
G検定を実施している日本ディープラーニング協会(JDLA)が作成した公式の対策問題集です。公式団体が編集しているため、G検定のカバーしている範囲を網羅しています。AI、そしてディープラーニングの初歩から発展的なコンテンツを学習することができます。
この問題集は図や画像を多く使っています。また、とても見やすいページ構成になっており、フルカラーです。
各章のおわりには問題があり、どれだけ学習を進められたかをチェックすることができます。
G検定の問題集になります。テキスト等を読むのが得意でない方は、こちらから入ってもいいかもしれません。解説がしっかりついているので、問題と解説を見ながらアウトプットベースで学習ができるので、単純にテキスト系のものを読むよりも記憶に残る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
試験前にアウトプットをする
試験合格のために、本番はどれくらいのスピードで回答していく必要があるか、本当に知識は入っているかの確認のために、下記無料模試でアウトプットをしてみてください。下記模試から意外と本番にでる問題もありますので、間違ったところはぜひ復習し答えられるようにしておくとよいでしょう。
- Dive into code 模擬試験
試験に近い問題量なので、私自身ペース配分等の確認として試験前日にうけました。UI も使いやすく、間違った問題の確認で復習も可能です。実際にここから数問本番にも出題されていました。ここで合格点にいかなくても、この問題を復習することで知識はグッと増えますのでぜひ最後の総点検にご活用ください。
- キカガク G検定対策テスト
キカガクが提供する動画学習プラットフォームで、無料登録すると 4 つの動画が無料でプレゼントされます。その一つに G 検定合格者が厳選し作成した約 90 問が掲載されています。シラバスに沿った問題となっていますので、知識の漏れがないかぜひ確認してみてください。
- Study-AI 模擬テスト
ベータ版ですが、無料で受講可能です。上記のサイトの前にこちらから学習しました。登録が必要ですが、圧倒的なボリュームで知識の総復習として活用できます。
まとめ
G検定の概要について把握していただけましたでしょうか?
年間 2 万人近くの方が受験する規模の資格になっています。なのでネット検索にて多くの情報がヒットするようになってきました。一方でネットでひっかかる学習方法も増え、学習方法含め混乱される方もいらっしゃると思います。
最後に他サイトになりますが、私自身受験の際に参考にしたいくつかのサイトをご紹介します。皆様の G検定合格に少しでも貢献できれば嬉しいです!
- G検定に短期間・独学で合格した勉強法を解説!
https://ai-trend.jp/business-article/ai-certification/generalist-test/gkentei-episode/
「G検定 勉強法」で検索順位上位にでてくる記事になります。こちらかなり網羅的に書いてあるので、かなり参考になります。
- ぼくのかんがえた "さいきょう"の G検定対策【まとめのまとめ】
https://qiita.com/Ringa_hyj/items/88691e738bb36bc3dabf
Qiita にて LGTM が260を超える人気記事となっています。まとめサイトのように必要情報がまとまっています。
キカガクでは、無料の「G検定対策テスト講座」をご用意しております。
その他にも、「脱ブラックボックスコース」や「Python & 機械学習入門コース」、「ITパスポートコース」等様々な無料コンテンツがございますので、ご興味がございましたらぜひ確認してみてください!
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