九州電力株式会社 様

目次
ビジネス環境の変化が加速する今、「新入社員に即戦力として活躍してほしい」という期待は高まる一方です。OJTで育成するリソースも限られるなか、配属前にどれだけ実践的なスキルを身につけられるかが問われるようになっています。キューデングループでも、従来の座学中心のPCスキル研修では「現場ですぐに自走できるレベルに届かない」「生成AIの急速な進展に追いつけていない」という課題を抱えていました。
そこで2026年度、従来のPCスキル研修を全面刷新。従来の基礎的な研修に加え、生成AI活用も盛り込み、実際に手を動かしてアウトプットするまでを2日間でカバーするプログラムとして設計しました。九州電力株式会社(以下、九州電力)が取り組んだ新入社員研修のアップデートについて、社員研修所の先川様、麻生様に伺いました。
課題
解決策・実施した研修
効果・成果
九州電力 先川様(以下、先川様):私どもが所属する教育推進グループでは、新入社員に対して弊社の社員として必要な知識を部門横断でインプットしています。具体的には、就業規則やグループの理念、ビジネスの基礎やマナーなどです。今回のPCスキル研修も、その一環として実施しました。
共通教育を1週間程度実施した後、それぞれの部門で専門的な技術の研修を実施する流れになっています。
九州電力 麻生様(以下、麻生様):キューデングループはDX推進を経営ビジョンの重点戦略として掲げ、グループ全体で取り組んでいます。新入社員に対しても、その入口となるカリキュラムを用意し、配属後に活躍できるデジタルスキルを早期に身につけてもらう必要があると考えています。
先川様:電力以外にも事業領域を拡大する中、現場のビジネススピードは大きく加速し、新入社員にも即戦力となる高い水準のデジタルスキルが求められるようになっています。
かつてはOJTを通じて配属後にじっくり成長してもらうことができましたが、昨今は職場で周囲が教える時間をとることが難しくなっています。配属までにPCを活用して主体的にアウトプットを出せるレベルに到達してもらうため、研修をアップデートするように考えました。

先川様:単にWord、Excel、PowerPointの操作を学ぶだけで、そこから一歩進んで「それを使って何かを作る」という実践的な段階まで届いていませんでした。
座学だけではどうしても一方通行の発信になってしまい、提案資料を自ら考えて作れるといったレベルへのスキルアップが難しかったのではないかと考えています。実際に手を動かす演習を組み込んだほうが、知識がスキルとして定着するのではないかと感じていました。
麻生様:ここ数年で目覚ましい発展を遂げた生成AIに関するカリキュラムを、研修に組み込めていなかったことも課題でした。
重点戦略としてDX推進を掲げる以上、生成AIを業務で活用していく方向性は明確です。PCスキルとあわせて、生成AI活用スキルも身につけられる研修にしたいと考えていました。
麻生様:研修内容が実践的かどうかを最も重視しました。手を動かして成果物をアウトプットし、配属先で即戦力として活躍できる実践的なスキルが身につく研修にしたかったからです。
また、キューデングループがDXへの取り組みをどのように進めてきたか、今後どこを目指しているかという文脈を理解して伴走してくれるパートナーであることも、重要な選定軸でした。

麻生様:当社のDX推進の経緯と意図をしっかり汲んでいただき、ニーズを踏まえた幅広い提案をしてくださったところです。既存のPCスキル研修の内容を踏まえつつ、最新の生成AI活用を効果的に組み込む設計になっていました。
先川様:Word、Excel、PowerPointが使えるようになるだけでなく、それをどう発展させるかという観点で比較検討していた中、まさにフィットするのがキカガクの提案でした。提案を受けた際には「我々が受けたいくらいのカリキュラムだ」と感じました。
また、他社で実施した新入社員向け研修の事例も共有していただけたので、教育投資を社内で説明するための材料としても活用できました。
麻生様:弊社には、セキュリティ上の制約からシステム面での制限も多くあります。そういった事情も踏まえて、柔軟に代替案をたくさん提示いただきました。
導入までの打ち合わせも丁寧に回数を重ね、意図やニーズを適切に汲み取っていただきながら、毎回改善やプラスアルファの提案をいただきました。積み重ねた信頼関係があったので、当日の運営も安心してお任せできました。
先川様:「内定段階からDXへの意識を向けてほしい」という方向性が経営層から示され、内定者向けのDXリテラシーアセスメントを実施するという案が生まれました。
麻生様:自身のDXに関する知識やスキルがどの程度であるかを、入社前に一度自己確認してもらうことが目的です。それにより、入社後にDX推進に取り組む動機づけにもなると考えました。グループとしてDXに取り組んでいること、デジタルスキルを学べる環境がきちんと用意されていることをアピールする狙いもあります。
先川様:任意参加でありながら、高い受講率を実現できました。スキルの高低を測るよりも、「現時点でDXをどの程度意識できているか」を知ってもらいたかったので、その目的は達成できたと感じています。
麻生様:先ほどからお話ししている通り、一貫してこだわったのは「実践的であること」です。座学主体のインプット偏重型から脱却し、学んだ内容をアウトプットするところまで見据えた内容にすること、これがアップデートの核でした。
座学で学んだPC操作をもとに、実際に手を動かして実務に近い形の資料をアウトプットすることで、学習効果をより高めることにこだわりながらカリキュラムを策定していきました。
研修で扱うソフトやツールも、配属先で実際に使うことになるMicrosoft Copilot等を中心に据えています。業務にスムーズに入っていけるよう、研修で学んだことを即座に活かせる構成を目指しました。

先川様:生成AIを盛り込むにあたり、ハルシネーションなどのリスクについても扱ってほしいと要望させていただきました。生成AIは生産性を大きく向上させるツールである一方、最終的には必ず人間が確認する必要があります。メリットとリスクの両面をきちんと理解した上で、適切に使いこなせる研修内容にしたかったのです。
麻生様:各クラスにそれぞれ講師とサポーターを配置したため、受講者のつまずきや疑問にきめ細かく対応していただけました。演習中にも各クラスを巡回していただき、困っていそうな様子を察してすぐに声かけするなど、丁寧な対応に安心感を覚えました。
先川様:昨年は1箇所から各教室に配信する形でしたが、配信ではどうしても受講者への対応にタイムラグが生まれてしまいます。そのため、各クラスに講師を配置してもらう方針は当初から考えていました。キカガクの講師の皆さんが積極的に受講者の席を巡回して目配りしてくださっていたので、受講者も困ったときに声をかけやすい雰囲気をつくれたと思っています。
麻生様:新入社員の中には、高校卒から大学院卒まで幅広い人材がおり、あまりPCに触れてこなかった方もいれば、PCスキルをすでに習得していて、あとは実践経験を積むだけという方もいて、スキル差が大きいです。
スキル差があることを踏まえて誰でもついていけるよう、また既にスキルのある方はさらにレベルアップできるように設計していただいたことで、こちらが意図していたベースアップを実現できました。
麻生様:研修の前後で、大幅な理解度の向上が確認できました。
▼研修後アンケートの結果

PCスキル研修で学んだ機能を他の研修でも使ってみようという姿勢が見られ、「実務で使える」実践的なスキルを身につけるという目的が達成できていると感じています。
研修後のアンケートでも好意的な反応が多く、「業務で使うイメージを具体的に持つことができた」「ハンズオン形式中心で、頭だけでなく体で覚えられた」といった声がありました。まさに狙い通りの反応でした。
▼研修後アンケートで寄せられた受講者の声

先川様:PCスキル研修後に続くその他の研修でも、PCスキル研修で学んだ知識やスキルを自ら応用している様子が見られました。テーマに沿った資料を作成するロールプレイの際、自発的にグループチャットを立ち上げてデータを共有しながら作業を進めるなど、研修で学んだことが生きているのを見て、頼もしく思いました。
麻生様:「学校の授業や課題での使用は禁止されていたが、業務では積極的に使えるとわかった」という声があがっています。
ハルシネーション等のリスクもしっかりと伝えていただいたので、リスクを踏まえた上で、社会人として正しい生成AIの使い方ができるようになったのではないかと思います。配属後すぐにでも生成AIを業務で活用できそうで、先輩社員にとっても頼りがいのある存在になってくれることを期待しています。
麻生様:教室内を巡回して積極的に声かけをしてくださり、質問しやすい雰囲気を作ってくださっていました。回答も的確で論理的に返してくださったので、受講者も納得できたのではないかと思います。
先川様:最初の自己紹介からフランクで親しみやすく、受講する側が安心できる雰囲気を醸し出していただきました。チャットへの書き込みをその場で生成AIでまとめて要約するなどライブ実演も実施してくださったことも印象的でした。
先川様:今回はできる限りのアップデートを施しましたが、デジタルを取り巻く環境は日々進化し続けるものです。AI活用の方法も日々変わっていくでしょう。デジタルツールの進化に合わせて、新しいものが出れば取り入れてアップデートしていくつもりです。時代の変化をいち早くキャッチし、教育に取り入れていくことが重要だと思っています。
麻生様:PCスキル研修を含めた新入社員向け教育全体に対してのアンケートを、新入社員と上長に向けて実施予定です。PCスキル研修の効果や現場でのデジタルツールの活用状況を追跡し、今後のアップデートに活かせればと考えています。
先川様:学生の頃からPCやスマートフォンを日常的に使ってきた世代は、デジタルへの抵抗が少なく、吸収が早い。だからこそ、新しい技術を会社としてきちんと教育することが大切です。
会社や業務の知識・経験はまだ乏しくても、デジタルツールの使い方ならば先輩社員にアドバイスできる。今回のPCスキル研修を通じて、そんな新入社員に育ってくれていることを願っています。
麻生様:数ある会社の中からせっかく弊社を選んで入社してくれた方たちですから、こちらとしても思い切った投資をして、一緒に成長していこうという思いで研修を設計しています。新入社員への教育と同時に、自分も一緒に学んでいきたいという気持ちです。
麻生様:新人研修は、短期間で取り組むべき内容が多く、かつトレンドに左右されない基礎スキルが凝縮されているため、ビジネス環境の変化に合わせて柔軟に中身を入れ替えるのが難しい面があります。
しかしながら、今回私たちは生成AIを含む最新の内容を盛り込み、かつ手を動かす時間をきちんと確保できる程度の研修時間を確保しました。即戦力の育成を目的とするならば、実践的なアウトプットを出せるレベルまで意識した内容、ボリュームにすることが重要だと思います。
先川様:デジタルツールや生成AIを使って仕事をすることが当たり前になっていくのは、業界を問わず同じだと思います。デジタルツールが使えなければ企業として仕事が立ちゆかなくなる。それはひいては業績にも影響します。
研修のアップデートには先行投資が必要かもしれませんが、デジタルスキルを身につけた新入社員が育てば、やがて企業に利益を還元してくれます。企業としての優先順位を再確認しながら、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。
キカガクでは業界業種を問わず 1000 社以上の企業に導入いただき、DX 人材育成における様々な課題解決をご支援しております。
20 社以上の育成事例もご紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひご参考ください。

また、弊社キカガクが提供しているサービスの特徴やコース詳細についての資料は下記になります。コースごと学習内容の詳細やスケジュール等や今回ご紹介してきれていないコースやサービスもご用意あります。DX 研修を検討されている方のご参考になれば幸いです。
ご担当者
業界
電気・ガス業
対象者(階層別)
新人
DXリテラシーレベル
入門
基礎
課題
未来を見据え、生成AIを活用できる人材を育成したい

自動車業界の変革期に、AIと働く力を。SUBARUが取り組む新人AIネイティブ研修とは
株式会社SUBARU

全新入社員をDXの担い手に。2ヶ月の研修がもたらした、新人が起点となる業務変革の連鎖
株式会社ブリヂストン

伝統の「カイゼン」をDXで変革。 アセスメントとプロジェクト型研修で“学び”を“実践”に変える、デンソー流育成術
株式会社デンソー
