
こんにちは!株式会社キカガクの中島です。
Python を学習してから、何かを作ってみたい・業務に活用したいという方は多いのではないでしょうか。
実際、現場で評価されるのは「何を知っているか」ではなく、「何を作れるか」です。アウトプットは、あなたの知識を「市場価値のあるスキル」へと変える、最も強力な実践であり、効率的なプログラミングの学習方法です。
さらにアウトプットは学習を楽しくし、モチベーション維持にも繋がるでしょう。
一人でアウトプットは不安、インプットから丁寧に学びたいという方は、キカガクのAI・データサイエンス人材育成コースがおすすめです!
まずは無料説明会でカリキュラムや過去の受講生の成果物について聞いてみませんか?
今回は、Python 初学者の方に向けて、アウトプットとしておすすめなプログラムやツールの開発方法をサンプルコードとともにご紹介していきます。
ポートフォリオの作成を通して、効率的に Python を習得していきましょう!
キカガク_中島
楽しく一緒に作っていきましょう!
目次
Python で効率的に開発する際には「ライブラリ」の活用が重要です。このセクションでは、スムーズに開発できるよう、ライブラリについてご紹介します。
Python のライブラリとは、あらかじめ作られている便利なコードを呼び出すためのショートカットと考えることができます。
例えば、画像の加工ツールを作りたいとします。Python でライブラリを使用せずに画像を加工するには、 JPEG や PNG などといった画像フォーマットの圧縮技術について熟知している必要があります。
しかし、画像処理を助けてくれるライブラリを用いることで、簡単に画像編集ができるようになります。
こちらの記事では、「Pillow」というライブラリを用いて、簡単に画像を加工する方法を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Google Colaboratory(略称: Google Colab )は、ブラウザを通じて Python コードを実行できる便利なサービスです。
キカガクの機械学習講師たちも日々の業務で活用しており、以下のような点で非常におすすめです!
Google アカウントがあれば、Google Colab を使って手軽に Python の実行環境を整えることができます。さらに、機械学習に必要な外部ライブラリ(例えば NumPy など)もすでにインストールされています。
Google Colab については、こちらの記事で使い方をまとめています。ツール制作への取り組み前に、ぜひ一度ご確認ください。
Python では、Excel ファイルの読み込み・書き込み・加工・分析など、様々な操作を高速で行うことができます。また、Python は他のツールとの連携も可能であるため、Python を使った Excel 操作はぜひ覚えておきたいスキルと言えます。
Excel の自動化プログラムは、実現したい操作が人によって異なる場合が多いため、ここでは openpyxl と pandas というライブラリを用いた簡単な例をご紹介します。こちらをベースに、日々の集計業務やデータ分析の効率化に役立てていただければと思います。

上記のように、商品名・販売金額・販売個数を記録した Excel ファイルがあるとき、Python からファイルにアクセスし、消費税を入力した新しいファイルを生成・保存するプログラムを作成します。
また、「Total Sales」として合計金額も print 関数で出力しています。ここでは、15050 と出力されています。

Excel の自動化に便利なのが openpyxl というライブラリです。
このライブラリを使用することで、Excel ファイルの読み書きやセルの編集、新しいシートの追加などが可能になります。
まずはこのライブラリをインストールしていきます。
pip install pandas openpyxl
こちらがサンプルコードです。
import pandas as pd # openpyxlでExcelファイルを開く df = pd.read_excel('sample_data.xlsx', engine='openpyxl') # データ分析の例:価格×個数で売上の合計金額を計算 total_sales = (df['Price']*df['sales figures']).sum() print(f"Total Sales: {total_sales}") # 新しい列「Tax」を追加し、売上に基づいた税額を計算する(例:税率10%) df['Tax'] = df['Price'] * df['sales figures'] * 0.1 # 分析結果を含む新しいExcelファイルに保存 df.to_excel('analyzed_data.xlsx', engine='openpyxl', index=False) # 処理完了のメッセージ print("Data analysis is done and saved to analyzed_data.xlsx")
このようなプログラムを作成し、いつでも利用できるような状態にしておくことで、ワンクリックで Excel ファイルから必要な数値を算出できるツールの完成です!ぜひこのサンプルコードをベースに、業務効率化にお役立てください!
また、こちらの記事では、更に詳しく openpyxl の使い方を解説していますので、ぜひご確認ください。
Web スクレイピングとは、Web サイトから自動的に情報を収集する技術のことです。簡単に言うと、人間が Web サイトを見て情報を集める代わりに、プログラムが自動で Web ページを訪れ、必要なデータを抽出してくれるプロセスのことです。
スクレイピングをする際の注意!
自動で Web サイトから情報収集ができるスクレイピングは非常に便利ですが、サイトに過度な負担をかけたり、収集したデータを不適切に使用される可能性があるため、スクレイピングを禁止しているサイトもあります。
サイトの利用規約の確認や、必要に応じてサイトの管理者にお問い合わせするなど、慎重に行っていきましょう。
こちらの記事では、 BeautifulSoup というライブラリを用いて、Web スクレイピングを行う方法をご紹介しています。初心者向けに丁寧に説明されていますので、ぜひこちらを参考に Web スクレイピングツールを作成してみてください!
次に、電卓の機能を Python で作ってみましょう!
起動すると、数値と演算子を入力するインプットが出力され、「=」が入力されると計算結果が表示されるという機能を持っています。実行するとこちらのように、数値と演算子を入力できるようになり、しっかりと計算できているのがわかりますね!

こちらがサンプルコードです。
calculate 関数が呼び出されると、ユーザーに数値と演算子を入力をしてもらうための input が表示されます。
「=」を入力すると数値と演算子の入力を終了し、計算結果を表示するようになっています。
def calculate(): print("簡易電卓アプリケーションです。終了するには '=' を入力してください。") result = float(input("数値を入力してください: ")) while True: operation = input("操作を選択してください (+, -, *, /, =): ") if operation == '=': print(f"計算結果: {result}") break elif operation in ('+', '-', '*', '/'): number = float(input("数値を入力してください: ")) if operation == '+': result += number elif operation == '-': result -= number elif operation == '*': result *= number elif operation == '/': if number != 0: result /= number else: print("0で割ることはできません!") continue else: print("無効な操作です。") calculate()
なお、サンプルコード中に while 文がありますが、これは「ある条件」のもとで処理を繰り返すときに用いる制御構文です。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひご確認ください。
次は ToDo リストツールを作っていきましょう!
今回は「追加・表示・削除・終了」の 4 つのコマンドで ToDo リストを管理するツールを作成します。各コマンドは以下のように操作に対応しています。
完成形はこちらのようなイメージです。
まずは追加コマンドで「記事制作、AB テスト、日報」という 3 つのタスクを追加します。その後に表示コマンドを入力することで、これら 3 つのタスクが表示され、さらに削除コマンドでタスクの削除もできることが分かります。
また、終了コマンドを入力し、ツールの実行を終了しても、再度起動すれば以前に登録したタスクがしっかりと残っていることも確認できます。

こちらのサンプルコードでは、先程完成イメージで示した通り、ToDo リストにタスクを追加・表示・削除する基本的な機能を実装しています。また、終了コマンドを入力すると、「todo_list.txt」というファイルを作成して、リストのデータを記録しておくことができるツールとなっています。
import os todo_file = 'todo_list.txt' # todo_list.txtからToDoリストを読み込む関数 def load_todos(): if os.path.exists(todo_file): with open(todo_file, 'r') as file: todos = file.readlines() todos = [todo.strip() for todo in todos] else: todos = [] return todos # todo_list.txtにタスクを書き込んで保存する関数 def save_todos(todos): with open(todo_file, 'w') as file: for todo in todos: file.write(todo + '\n') # todoを追加→save_todos呼び出し def add_todo(todos, item): todos.append(item) save_todos(todos) # todoを削除→save_todos呼び出し def delete_todo(todos, index): if 0 <= index < len(todos): todos.pop(index) save_todos(todos) def main(): todos = load_todos() while True: command = input("コマンドを入力してください(追加、表示、削除、終了): ") if command == '終了': break elif command == '追加': item = input("ToDo項目を入力してください: ") add_todo(todos, item) elif command == '表示': for i, todo in enumerate(todos): print(f"{i}: {todo}") elif command == '削除': index = int(input("削除するToDoの番号を入力してください: ")) delete_todo(todos, index) else: print("無効なコマンドです。") if __name__ == '__main__': main()
こちらのツールは、それぞれに役割の異なる 5 つの関数を相互に呼び出すことで機能を実装しています。
Python 関数の作り方について、詳しく知りたいという方はこちらの記事をぜひご確認ください。
Python では、豊富なライブラリのおかげで、画像の中から特定の物体を検出するプログラムも簡単に実装できます。
今回は、OpenCV というライブラリを使用して、画像内にある人の顔を検出するツールを作ってみましょう!
まずは、OpenCV のインストールを行います。
pip install opencv-python
今回作成するツールでは、OpenCV ライブラリに含まれる、事前に訓練された顔検出モデルを使用します。
流れとしては、以下のような処理を行っています。
こちらがサンプルコードです。
import cv2 from matplotlib import pyplot as plt # 画像を表示する関数 def show_image(img): # OpenCVはBGRで画像を扱うため、表示前にRGBに変換する img_rgb = cv2.cvtColor(img, cv2.COLOR_BGR2RGB) plt.imshow(img_rgb) plt.show() # 顔検出用のカスケード分類器をロード face_cascade = cv2.CascadeClassifier(cv2.data.haarcascades + 'haarcascade_frontalface_default.xml') # 検出を行いたい画像を読み込み img = cv2.imread('sample-img.webp') # グレースケール画像に変換(検出精度向上のため) gray = cv2.cvtColor(img, cv2.COLOR_BGR2GRAY) # 顔の検出を実行 faces = face_cascade.detectMultiScale(gray, 1.1, 4) # 検出された顔の周りに矩形を描画 for (x, y, w, h) in faces: cv2.rectangle(img, (x, y), (x+w, y+h), (255, 0, 0), 2) # 画像を表示 show_image(img)
たったこれだけのコードで画像中の顔を検出してアウトプットしてくれます。すごいですね、OpenCV !

OpenCV についてさらに詳しく知りたいと興味を持っていただいた方はこちらの記事がおすすめです!
Python を使うことで、簡単なゲームプログラムも開発可能です。
これまでサンプルコードで提示してきたツールは、Python の実行環境があれば実装が可能であるため、Google Colaboratory などでもすべて実行が可能です。
一方で、こちらで紹介するのは iPad や iPhone の OS にアクセスし、UI を活用したゲームの実装方法です。
Pythonist 3 というアプリを導入することで、PC だけでなく iPad や iPhone の UI 操作が可能になるため、実際のアプリケーション開発に一歩近づいた内容となっています。
とはいえ、キカガクの最強講師がとてもわかりやすく、丁寧に解説しているので、とても読みやすい内容となっています。ぜひ挑戦してみてくださいね!
キカガクの AI・データサイエンス人材育成コースでは、多くの卒業生が自身の「好き」や「身の回りの悩み」をテーマに、ユニークなAIアプリケーションを開発しています。一例をご紹介します。
ストライク判定アプリ を作成した受講生は、学んだ画像認識技術を応用し、試合の映像からボールの軌道を解析。
ストライクゾーンを通過したかどうかを自動で判定・可視化するWebアプリケーションを開発しました。
アプリ作成だけでなく、データ分析をしてレポートを作成するなど、キカガクのAI・データサイエンス人材育成コースではご自身の興味関心に合わしてアウトプットができます!
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このように、汎用性が高く人気の高い言語である Python ですが、その性質上、苦手な分野もあります。プログラミングを学習する際は、自身の目的や目標と照らし合わせて、最適な言語を優先的に学習するようにしてきましょう!
Python は、ゲーム開発に使用されることがないわけではありませんが、主にプロトタイプや簡単なゲームに用いられることが多く、高度なグラフィックス処理や大規模なゲームエンジンの開発には向いていないとされています。
このようなプロダクトを開発する場合には、グラフィックス処理のために最適化され、リアルタイムで高速なパフォーマンスを発揮する C++ や C# のような言語がよく使用されています。
Python は、インタプリタ言語と呼ばれ、コードを一行ずつ読み込んで実行するため、コンパイラ言語(あらかじめ全てのコードを機械語に変換してから実行する言語)に比べて実行速度が遅くなるという特徴があります。
そのため、自動車のエアバッグの制御システムや、医療用のモニタリングシステムなど、実行速度が遅いと人の命に関わるようなシステムの開発には向いていません。
このように、非常にシビアな時間的成約を満たす必要のあるシステムの開発には、C 言語や C++ といった言語が用いられることが一般的です。
OS 開発やハードウェア制御のような、高速性や厳密なメモリ管理が必要な場面の開発も Python の得意分野ではないとされています。
Python は自動でメモリ管理をする言語ですが、これらの開発においては、メモリを非常に厳密に管理する必要があります。
そのため、開発者が直接メモリを制御できる C 言語などがよく用いられています。
今回は、Python 初心者の方でも挑戦しやすく、アウトプットとしておすすめなツールをご紹介しました。
最後に、このようなツールの制作を通してより多くのことを学べるよう、注意すべきポイントを 3 つご紹介します。
Python は比較的覚えやすい言語と言われていますが、プログラミング学習の過程で挫折感を味わうことは珍しくありません。質問できる環境があると、困難に直面したときにサポートを受けることができ、学習を続けるモチベーションを保つことができます。
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84 %の受講生がプログラミング未経験者でありながら、AI エンジニアやデータサイエンティストへの転職を成功させた受講生も多くいらっしゃいます。
こちらの記事は、プログラミング未経験から AI エンジニアに転職された方のインタビュー記事です。興味のある方はぜひチェックしてみてください!
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