
Python の資格でまず取るべきなのは、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する「Python 3 エンジニア認定基礎試験」です。
Python そのものの知識を問う国内の民間資格はこの協会の4試験(+無料の検定1つ)が中心で、基礎試験はその入口にあたります。
合格率は77%、受験料は10,000円(税別)で、通年いつでも受験できます。
この記事では、Python の代表的な資格6つを、2026年9月時点の公式情報にもとづいて合格率・受験料・試験時間まで並べて比較します。
この記事の要点
目次
Python の資格は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する5つ(うち1つは無料)と、日本ネットワーク技術者協会の1つを合わせた計6つが代表的です。
いずれもCBT方式で、全国のテストセンターから通年で受験できます。
まず全体像を表で押さえてください。
試験名 | 受験料(税別) | 学割 | 問題数 | 試験時間 | 合格ライン | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
PythonZen & PEP 8 検定試験 | 無料 | — | 20問 | 公表なし | 正答率70% | 公表なし |
Python 3 エンジニア認定基礎試験 | 10,000円 | 5,000円 | 40問 | 60分 | 正答率70% | 77% |
Python 3 エンジニア認定実践試験 | 12,000円 | 6,000円 | 40問 | 75分 | 正答率70%(700点) | 55% |
Python 3 エンジニア認定データ分析試験 | 10,000円 | 5,000円 | 40問 | 公表なし | 正答率70% | 85% |
Python 3 エンジニア認定データ分析実践試験 | 12,000円 | 6,000円 | 40問 | 75分 | 正答率70% | 72% |
Pythonとネットワークの自動化基礎検定 | 10,000円 | — | 40問(80問からランダム出題) | 60分 | 7割正解 | 公表なし |
受験料・問題数・試験時間・合格ラインは、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 公式サイト「Python試験(Python資格)」および各試験の詳細ページ(2026年9月確認)によります。
合格率は、同協会が公開したセミナーレポート「Python基礎試験の合否状況・学習方法・試験に受かるためのコツ」「Python実践試験の合否状況・学習方法・試験に受かるためのコツ」(2025年9月1日公開)で示された値です。
合格率は試験の詳細ページには掲載されておらず、月ごとに変動するとされています。
税込額は消費税10%で換算すると、10,000円→11,000円、12,000円→13,200円、学割5,000円→5,500円、6,000円→6,600円です。
公式表記が税別のため、申込時に最新額を確認してください。
Python 3 エンジニア認定試験は、文法の基礎(基礎試験)→ 実務での使い方(実践試験)→ データ分析(データ分析試験)→ データ加工の実務(データ分析実践試験)という順で難易度が上がる構成です。
加えて、コーディング作法を問う無料の検定があります。
Python の文法基礎を問う、最も受験者が多い入門資格です。
合格率は77%(未経験者は70%弱)で、体系的に学習すれば未経験からでも十分に合格を狙えます。
項目 | 内容 |
|---|---|
問題数 | 40問(すべて選択問題) |
試験時間 | 60分 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 10,000円(税別)/学割5,000円(税別) |
主教材 | オライリー・ジャパン「Pythonチュートリアル 第4版」 |
試験センター | 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター(通年) |
経済産業省のITスキル標準(ITSS)では「ソフトウェアディベロップメント/応用ソフトのレベル1」に位置づけられ、厚生労働省の一般教育訓練給付の指定講座対象試験にもなっています(協会公式・2026年9月確認)。
出題は主教材の章ごとに比率が決まっています。
配点が高いのは「4章 制御構造ツール」が22.5%、「5章 データ構造」が17.5%、「3章 気楽な入門編」が15%で、この3章だけで全体の55%を占めます。
Python を仕事で使ううえで押さえておきたい仕様とライブラリの使い方を問う、上位試験です。
合格率は55%で、4試験のなかで最も低くなっています。
項目 | 内容 |
|---|---|
問題数 | 40問(すべて選択問題) |
試験時間 | 75分 |
合格ライン | 正答率70%(700点) |
受験料 | 12,000円(税別)/学割6,000円(税別) |
主教材 | 技術評論社「Python実践レシピ」 |
出題比率は「3章 Pythonの言語仕様」が17.5%と最多で、「9章 データ型とアルゴリズム」12.5%、「6章 テキストの処理」10%が続きます。
一方で7章(数値の処理)・12章・15章・19章(並行処理、並列処理)からは出題がないと明示されているため、範囲を絞って学習できます。
900点以上で合格すると Python Super Engineer を名乗れる点も、この試験ならではの特徴です。
協会は「本を読み込んで記憶しただけでは合格が難しい設問内容」と説明しており、手を動かしながらの学習が前提の試験と考えてください。
Python を使ったデータ分析の基礎を問う試験です。
合格率85%(未経験者75%)と、4試験のなかで最も高くなっています。
項目 | 内容 |
|---|---|
問題数 | 40問(すべて選択問題) |
試験時間 | 公表なし |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 10,000円(税別)/学割5,000円(税別) |
主教材 | 翔泳社「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 第3版」 |
2026年1月5日に改定が行われ、主教材が第3版に変わりました(協会公式発表・2025年12月1日)。
あわせて出題対象のバージョンが Python 3.13、JupyterLab 4.3、NumPy 2.2、pandas 2.2、Matplotlib 3.10、scikit-learn 1.6 に更新されています。
出題範囲とレベル感そのものは変更なしとされています。
出題比率は scikit-learn が20%、pandas が17.5%、NumPy と Matplotlib が各15%、残る32.5%が数学基礎や環境構築です。
この試験は非エンジニアの受験が多いのも特徴で、協会によると受験者の4割が非エンジニアです(2025年12月1日発表)。
基礎試験と同じくITSSレベル1に登録され、一般教育訓練給付の指定講座対象試験にもなっています。
なお、試験時間は協会公式のどのページにも記載がありません。
正確な時間が必要な場合は、申込先のオデッセイコミュニケーションズに確認してください。
実務でのデータ加工の技術とデータ構造の知識を問う、データ分析試験の上位にあたる試験です。
合格率は72%です。
項目 | 内容 |
|---|---|
問題数 | 40問(すべて選択問題) |
試験時間 | 75分 |
合格ライン | 正答率70% |
受験料 | 12,000円(税別)/学割6,000円(税別) |
主教材 | インプレス「Pythonデータ分析 実践ハンドブック 実務で使えるデータ加工のテクニック」 |
出題比率は「5章 データの評価」が20%、「2章 データの種類と読み込み」が17.5%、「3章 表形式データの加工」が15%と、前処理まわりに重心があります。
Python の設計思想である The Zen of Python と、コーディング規約 PEP 8 の知識を問う無料の検定です。
20問・合格ライン70%で、合格者には電子ファイルの認定証が発行されます。
受験料がかからないため、Python の学習を始めた直後の実力確認や、認定試験の前哨戦として使いやすい検定です。
Pythonとネットワークの自動化基礎検定は、ネットワークエンジニア向けに、Python でのネットワーク自動化の基礎知識を問う検定です。
Pythonエンジニア育成推進協会ではなく、日本ネットワーク技術者協会が実施する外部提携試験にあたります。
項目 | 内容 |
|---|---|
主な対象者 | 配属前から配属3年目程度のネットワークエンジニア |
設問数 | 40問(80問からランダム出題) |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 7割正解 |
受験料 | 10,000円(税別) |
試験会場 | 全国350か所のCBTソリューションズ CBTテストセンター(通年) |
主教材 | マイナビ出版「Pythonによるネットワーク自動化の教科書」 |
出題範囲は、Python の基礎・文字列/ファイル操作・データ型・subprocess・telnetlib・ライブラリの利用方法・Netmiko・NAPALM・openpyxl の9項目です(日本ネットワーク技術者協会 公式・2026年9月確認)。
合格率は公表されていません。
判定基準は「出題範囲に記載された基礎的な用語知識および基礎的な文法知識を有すること」とされており、名称のとおり基礎レベルの検定です。
ただし、Netmiko や NAPALM といったネットワーク機器の自動制御ライブラリが出題範囲に含まれるため、Python の文法だけを学んだ状態では対応しづらい構成です。
ネットワークの実務知識がある人には取り組みやすく、逆にネットワーク未経験者にとっては基礎試験より遠い、と考えるのが実態に近いでしょう。
目的別に、最初に取るべき資格は次のとおりです。
迷ったら基礎試験から始めれば間違いありません。
目的・立場 | おすすめの資格 |
|---|---|
これから Python を学ぶ/未経験から転職したい | Python 3 エンジニア認定基礎試験 |
データ分析・AI の仕事に進みたい | Python 3 エンジニア認定データ分析試験 |
すでに実務で Python を書いている | Python 3 エンジニア認定実践試験 |
データの前処理・加工まで担当している | Python 3 エンジニア認定データ分析実践試験 |
ネットワークエンジニアとして自動化を担当する | Pythonとネットワークの自動化基礎検定 |
まず無料で腕試しをしたい | PythonZen & PEP 8 検定試験 |
基礎試験とデータ分析試験は難易度・受験料が同じなので、「文法から固めたいなら基礎試験、分析業務に直結させたいならデータ分析試験」という選び方で構いません。
なお、AI エンジニアを目指す場合は Python の資格に加えて G 検定・E 資格などの選択肢もあります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
取れます。
協会によると、Python 3 エンジニア認定試験の受験者分布は学生2割・プログラミング未経験者4割・経験者4割で、未経験者が受験者の中心層のひとつです(協会 セミナーレポート・2025年9月1日公開)。
合格率で見ても、基礎試験は未経験者だけに絞っても70%弱、データ分析試験は未経験者で75%です。
基礎レベルの試験は学習教材や無料動画が充実していることが、この合格率の高さにつながっていると協会は説明しています。
初心者がつまずきやすいのは、基礎試験の主教材である「Pythonチュートリアル」に解説が少ない点です。
協会自身も、初心者はチュートリアルを最初は確認程度にとどめ、解説が多い公式問題集から学ぶほうがスムーズだと案内しています。
また、得点分布では8章以降を落とす受験者が多いというデータも公表されています。
学習時間が足りず後半が手薄になりやすいので、最後まで通して学習してください。
Python の資格を取る価値は、スキルの客観的な証明と学習範囲が決まることの2つに集約されます。
一方で、資格だけで実務力が証明できるわけではありません。
ポートフォリオや実務経験と組み合わせて示すのが前提と考えてください。
最も合格率が高い学習方法は、スクールなどの研修を受けることです。
協会が2022年5月に受験者へ実施したアンケートでは、学習方法ごとの合格率に次の差がありました。
学習方法 | 合格率 |
|---|---|
認定スクール等の Python 研修を受講 | 82.8% |
書籍で学習 | 71.7% |
会社の勉強会などその他 | 39.8% |
動画のみで学習 | 25.6% |
※基礎試験・データ分析試験の受験者対象。
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会(2022年5月調査)
差がつく理由は、アウトプットの有無です。
書籍や動画だけの学習は手を動かさないまま進みやすく、勘違いしたまま覚えてしまいます。
研修であればアウトプットのチェックまで受けられるため、学習の時間効率が上がります。
独学の場合も、主教材を読むだけで終わらせず、必ずコードを書きながら進めて、最後に模擬試験で出題傾向をつかむのが定石です。
実践試験については、市販教材と模擬問題を併用した人の合格率が86%というデータも公表されています(協会・2024年5月30日公開)。
キカガクでは、動画とテキストで Python を基礎から学べる「Python 基礎入門コース」を無料で公開しています。
テスト問題で手を動かしながら進められ、簡単なデータ分析まで体験できます。
(関連記事:Python 入門に最適! わかりやすい学習サイト 5 選を紹介!/Python の仕事への活用方法!できることや将来性も紹介!)
この記事のまとめ
Python の資格は、Pythonエンジニア育成推進協会の4試験+無料検定と、ネットワーク自動化基礎検定の計6つが代表的です。
いずれもCBT方式で通年受験できます。
まずは自分のレベルに合う1つを決めて、主教材と模擬問題で学習を始めてください。
Python 3 エンジニア認定基礎試験です。
Python の文法基礎を問う入門資格で、合格率77%、受験料10,000円(税別)。
データ分析の仕事を目指すなら、同じ難易度・同じ受験料の「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」を選んでも構いません。
取れます。
協会の公表データでは、Python 3 エンジニア認定試験の受験者の4割がプログラミング未経験者で、基礎試験の合格率は未経験者に絞っても70%弱、データ分析試験は未経験者で75%です(2025年9月時点)。
合格率は公表されていません。
判定基準は「基礎的な用語知識および基礎的な文法知識を有すること」で、配属前〜3年目程度のネットワークエンジニアが対象です。
Netmiko や NAPALM などネットワーク自動化ライブラリが出題されるため、ネットワークの実務知識がある人ほど取り組みやすい検定です。
基礎試験とデータ分析試験が10,000円(税別)、実践試験とデータ分析実践試験が12,000円(税別)です。
学生は半額(それぞれ5,000円・6,000円/税別)。
PythonZen & PEP 8 検定試験は無料です。
公式表記が税別のため、申込時に最新の税込額を確認してください(2026年9月時点)。
すべて通年で受験できます。
Python 3 エンジニア認定試験は全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター、Pythonとネットワークの自動化基礎検定は全国350か所のCBTソリューションズ CBTテストセンターで実施されています。
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