キカガクでデジタルマーケター・エンジニアをしている高橋です!
データサイエンティストって AI を活用するのは知っているけれど、具体的にどういった関係性なのかわからない…。そのような疑問をお持ちではないでしょうか?
本記事では、データサイエンスと AI の違いや、それぞれの分野で必要とされるスキルについて解説します。この記事を通じて、あなたがデータサイエンスが AI にどう関わっているのかが明確になります!
データサイエンスと AI について
データサイエンスについて
データサイエンスは、大量のデータから価値ある情報を抽出し、ビジネスの意思決定に役立てる学際的な分野です。
データサイエンティストは、統計学、プログラミング、ドメイン知識を駆使して、データの収集、処理、分析、可視化をします。
それによってデータに隠された傾向やパターンを見つけ出し、課題解決や新たな機会の創出につなげることです。
データサイエンス自体について詳しく知りたい!といった方は次の記事をぜひご覧ください!
AI について
AI とは、人工知能 (Artificial Intelligence) の略称で、人間の知的な活動をコンピュータ上で実現することを目指す技術です。AI には大きく分けて、汎用型 AI と特化型 AI の 2 種類があります。
汎用型 AI は、自らさまざまな問題やタスクを処理し、想定外の問題に対応できる AI を指します。人間のような柔軟な思考力や学習能力を備えており、まだ実現されていない概念です。
一方、特化型 AI は、特定のタスクや領域に特化した AI で、現在実用化されているものがこれに当たります。
特化型 AI は、与えられたデータから規則性や特徴を見出し、その領域での問題解決や意思決定を行ないます。例えば、画像認識、音声認識、自然言語処理、ゲーム AI などがあります。
この記事ではデータサイエンティストが主に活用する、特化型 AI に焦点を当てて紹介いたします!
データサイエンスと AI の関係性について
データサイエンスと AI は、互いに密接に関連し、補完し合う関係にあります。データサイエンティストは、AI を活用してデータ分析の精度や効率を高められます。
例えば、機械学習アルゴリズムを用いて、大量のデータから重要な特徴量を自動的に抽出したり、予測モデルを構築したりといったことです。
データサイエンティストは、AI を活用して得られた知見を、ビジネスの意思決定に役立てる役割も担っています。
AI による予測結果や推奨事項を、実際のビジネス文脈に落とし込み、活用方法を提案することが求められます。
この過程では、データサイエンティストのドメイン知識や問題解決能力が重要となります。
データサイエンティストは、AI の力を借りながら、データの価値を最大限に引き出すことが重要です。
データサイエンスと AI の違いについて
データサイエンスは、大量のデータから有益な情報を抽出し、ビジネス上の意思決定に活用することを目的としています。
例えば、小売業におけるデータサイエンスの活用事例として、顧客の購買履歴データを分析することで、商品のおすすめを効果的に提案できたり、在庫管理の最適化ができたりします。
一方、AI は、機械学習アルゴリズムを用いて、コンピュータが自律的に学習し、特定のタスクを実行できるようにすることを目指しています。
例えば、画像認識 AI は、大量の画像データを学習することで、新しい画像に対して物体の識別や分類を自動的に行なえます。これは、自動運転車が道路上の歩行者や障害物を認識するために活用されています。
データサイエンティストと AI の関係性について
データサイエンティストと AI は密接に関連しており、互いに補完し合う関係にあります。
ここでは、データサイエンティストの役割と、AI およびビッグデータとの関係性について解説します!
データサイエンティストについて
データサイエンティストは、大量のデータから有益な情報を引き出し、ビジネス上の意思決定に活用する専門家です。
統計学、プログラミング、ドメイン知識を駆使して、データの収集、処理、分析、可視化を行ないます。
データサイエンティストの主な役割は次の通りです。
- ビジネス課題の理解とデータ分析の方向性の決定
- データの収集、クリーニング、前処理
- 統計分析や機械学習を用いたデータ分析の実行
- 分析結果の解釈とビジネスへの示唆の提供
- 分析結果のわかりやすい可視化と報告
データサイエンティストは、ビジネス課題を理解した上で、データに基づく意思決定を支援する重要な役割を担っています。
データサイエンティストについて、より詳しく知りたい!といった方は、ぜひ次の記事もご覧ください!
データサイエンティストと AI の関係性について
データサイエンティストは、AI 技術を活用することで、より高度で効率的なデータ分析が可能になります!
特に、機械学習やディープラーニングのアルゴリズムは、データサイエンティストにとって大きな影響を与えます。
データサイエンティストは、AI を活用して次のようなことをします。
大量のデータから重要な特徴量を抽出する
- 小売業において、POS データや顧客データから購買パターンや顧客セグメントを抽出する
- 製造業において、設備のセンサーデータから製品の品質に影響を与える要因を特定する
- 医療分野において、電子カルテデータから疾患の予測因子を見つけ出す
予測モデルの構築と評価
- 小売業において、過去の販売データをもとに需要予測モデルを構築し、在庫最適化に活用する
- 金融機関において、顧客データや取引データを用いて信用リスク評価モデルを構築する
- 人事分野において、従業員データをもとに離職予測モデルを構築し、人材リテンションに役立てる
データのクラスタリングやセグメンテーション
- マーケティング分野において、顧客データをクラスタリングし、カスタマーセグメンテーションを行うことで、ターゲティング広告に活用する
- 医療分野において、患者データをクラスタリングし、疾患のサブタイプを特定することで、個別化医療の実現に貢献する
- 都市計画の分野において、地域データをクラスタリングすることで、最適な公共サービスの提供や都市開発計画の立案に役立てる
データサイエンティストは、AI の力を活用することで、大規模なデータを効率的に分析できます!
また、AI による分析結果を解釈し、ビジネス上の意思決定に活かすことも、データサイエンティストの重要な役割です。
ではデータサイエンティストが扱うビッグデータとはどのようなデータなのでしょうか?次の章で解説します!
データサイエンティストとビッグデータの関係性について
ビッグデータとは、従来のデータ処理システムでは扱うことが難しい、大量かつ多様なデータを指します。
データサイエンティストは、ビッグデータを分析することで、新たな価値や知見を見出す役割を担っています。
ビッグデータの特徴は次の 3 つです。
- Volume(量):データの量が膨大である
- Variety(多様性):構造化データだけでなく、非構造化データも含まれる
- Velocity(速度):データが高速で生成され、リアルタイムに処理する必要がある
データサイエンティストは、これらの特徴を持つビッグデータを効果的に処理・分析するために、分散処理技術やストリーミング処理など、先進的な技術を活用します。
また、ビッグデータの分析には、機械学習やディープラーニングなどの AI 技術が欠かせません。
データサイエンティストは、AI を活用することで、ビッグデータに隠された複雑なパターンや関係性を見出し、新たな価値を創り出します。
このように、データサイエンティストは、AI やビッグデータと密接に関わりながら、データの価値を最大限に引き出す重要な仕事です。
データサイエンティストと AI・ビッグデータは、互いに補完し合う関係にあり、これからのデータ活用の中核を担う存在と言えるでしょう!
では、同じ AI を扱う仕事でもデータサイエンティストと AI エンジニアはどのような違いがあるのでしょうか?
データサイエンティストと AI エンジニアの違いとは
データサイエンティストと AI エンジニアの仕事の違い
データサイエンティストと AI エンジニアは、どちらもデータを活用する仕事ですが、その仕事内容には違いがあります。
データサイエンティストの主な仕事は次の通りです。
- ビジネス課題の明確化とデータ分析の方向性の決定
- データの収集、前処理、探索的データ分析
- 統計モデルや機械学習モデルを用いた予測分析
- データ分析の結果を基にしたビジネス上の意思決定の支援
- データ分析プロセスの改善と組織へのデータ活用文化の浸透
一方、AI エンジニアの主な仕事は次の通りです。
- 機械学習やディープラーニングアルゴリズムの選定と実装
- 大規模データの前処理と特徴量エンジニアリング
- AIモデルの学習、評価、チューニング
- AIシステムの設計、開発、デプロイ
- AIモデルの運用、監視、メンテナンス
データサイエンティストは、ビジネス課題の解決に向けてデータを分析し、洞察を引き出すことに主眼を置いています。
一方、AI エンジニアは、AI アルゴリズムを用いて高度なデータ処理を行ないシステムを構築することに注力しています
データサイエンティストと AI エンジニアの必要なスキルの違い
データサイエンティストに必要なスキルは、統計学、プログラミング、ドメイン知識など多岐にわたります。
一方、AI エンジニアは、機械学習やディープラーニングのアルゴリズムに精通し、それらを実装するためのプログラミングスキルが求められます。
また、AI エンジニアは、大規模なデータを効率的に処理するための分散処理技術や、AI モデルの最適化手法についても知識が必要です。
- Python を使用したデータ処理や分析の実装スキル
- SQL を用いたデータベースからのデータ抽出スキル
- Tableau などのビジュアライゼーションツールを活用したデータの可視化スキル
- 統計学の知識を活かした仮説検定や回帰分析の実践スキル
- TensorFlow や PyTorch などのディープラーニングフレームワークを使いこなすスキル
- CNN や RNN などの機械学習アルゴリズムを理解し、実装するスキル
- GPU を活用した大規模データの高速処理スキル
- 自然言語処理や画像認識など、特定の AI 領域に関する専門知識
データサイエンティストはデータ分析に重点を置いているのに対し、AI エンジニアは機械学習アルゴリズムの実装と最適化に注力しています。
データサイエンティストに必要なスキルについては次の記事でも解説しています。ぜひご覧ください!
データサイエンティストは AI に代替される?
AI 技術の急速な発展に伴い、データサイエンティストの業務の一部が自動化される可能性があります。しかし、データサイエンティストの役割が完全に AI に置き換えられるとは考えにくいです。
AI によるデータサイエンティストの業務の自動化
AI 技術の進歩により、データサイエンティストが行なう業務の一部は自動化が可能になります。
例えば、次のような業務が AI によって効率化される可能性があります。
- データの前処理:欠損値の処理、外れ値の除去、データの正規化など
- 特徴量の選択:機械学習アルゴリズムを用いて、重要な特徴量を自動的に選択
- ハイパーパラメータの最適化:機械学習モデルのパフォーマンスを最大化するためのパラメータ調整
- モデルの評価:交差検証などを用いて、モデルの性能を自動的に評価
これらの業務が自動化されることで、データサイエンティストはより戦略的な業務に専念できます。
AI 時代にデータサイエンティストに求められる役割
AI 技術が発展しても、データサイエンティストの役割がなくなるわけではありません。むしろ、AI 時代にこそ、データサイエンティストの専門性が重要になります。
AI 時代にデータサイエンティストに求められる役割は次の通りです。
- ビジネス課題の理解と分析の方向性の決定
- 分析結果の解釈とビジネスへの示唆の提供
- AI モデルの説明性の確保
- AI モデルの倫理的な側面の考慮
- AI 技術の限界の理解と適切な活用
データサイエンティストは、ビジネスの文脈を理解し、データや AI モデルから得られた知見を実際のビジネスに活かす役割を持ちます。また、AI モデルの意思決定プロセスを説明し、倫理的な問題がないかを確認することも重要です。
さらに、データサイエンティストは、AI 技術の限界を理解し、適切に活用することが求められます。
AI は万能ではなく、データの質や量、問題の複雑さによっては十分な性能が得られない場合があります。
データサイエンティストは、AI の長所と短所を見極め、ビジネス課題に応じて適切な手法を選択する必要があります。
データサイエンティストの将来性については次の記事でも紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください!
それぞれに必要なスキルを理解しよう
データサイエンティストと AI エンジニアは、互いの専門性を理解し、協力し合うことで、より高度なデータ分析や AI システムの開発ができます。両者に共通して必要なスキルとして、論理的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力などが挙げられます。
データサイエンスと AI は、今後ますます重要性が高まる分野です!本記事を通じて、データサイエンティストと AI の関係性について理解を深めていただけたことと思います。
キカガク Career では AI エンジニア、データサイエンティストの厳選された求人を取り扱っています。非公開求人も多数あるので、ぜひお気軽にキャリア面談へお申し込みください!
- データサイエンスと AI は密接に関連するが、データ分析とタスク実行で目的が異なる
- データサイエンティストは AI を活用し、AI エンジニアは機械学習アルゴリズムに注力する
- 共通スキルも多いが、それぞれにより必要なスキルもある
業界や未経験転職市場の動向を知ることが転職成功の近道
未経験転職においては、学習前、学習中であっても、どれだけ業界のことや現在の未経験転職の動向を把握しているかどうかで、学習効率や転職の成否が大きく変わります。
次の記事でそのあたりについて詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
Python をはじめとしたエンジニア転職に強み
キャリアの作り方をアドバイス
キカガク Career では、業界専門のキャリアアドバイザーが、あなたのこれまでの経験や希望をヒアリングし、これからのキャリアの作り方をアドバイスします。転職の進め方から、スキルアップの方法まで、あなたに合ったキャリアプランを提案します。
あなたの強みを発見
自分の強みを知ることは、転職を有利に進める上で非常に重要です。キカガク Career では、専門のキャリアアドバイザーがあなたの経験やスキルを分析し、あなた自身が気づいていない強みを発見します。その強みを活かすことで、転職面接を有利に進められます。
非公開求人が多数
キカガク Career では、一般に公開されていない非公開求人を多数取り扱っています。キャリア面談では、これらの非公開求人をあなたにあわせて提案します。